コーヒーはEDの予防に良い効果が期待されています。
適度なカフェインが勃起不全の発症予防に役立つという、その効果には2つの可能性が有り、
一つはカフェインの血管拡張作用によるもの、
もう一つはカフェインの脳幹網様体賦活系への刺激作用によるものになります。
コーヒーと言えば代表的なカフェイン飲料ですね。
カフェインはアルカロイドという植物由来の薬理成分で、
眠気や倦怠感、血管拡張性の頭痛などを改善する作用が元々認められています。
アメリカにて3724人の男性を動員した研究では、 コーヒー2、3杯分のカフェインを取っていたグループは、EDを発症している人の割合が少なかったと報告されており、 また肥満や高血圧を持つ男性では、カフェインの摂取量が多いほど、EDの割合が少なかったとも報告されております。
こちらのページでは、
こうした、コーヒーなどに含まれるカフェインがEDに良い作用を示す、
すなわち勃起不全の発症予防に役立つという、その効果における2つの可能性に関して、
日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。
宜しければご一読くださいませ。
<当ページのもくじ>
コーヒーはEDへの良い効果が期待されています。
こうした適度なカフェインが勃起不全の発症予防に役立つ機構としては、
カフェインが持つ 『血管拡張作用』 が可能性として有ります。
カフェインは元々、末梢の血管平滑筋に作用して血管を拡張させる作用があり、 カフェインの製剤が実際に偏頭痛などに適応があるのは、こうした機構を利用してのものです。
コーヒーに含まれるカフェインがペニスの陰茎海綿体の血管平滑筋に作用して、こうした血管拡張作用を示す事は、 勃起にとっては良い影響を与える可能性が高く、 薬理的システム自体は違いますが、 実はバイアグラなどのPDE5阻害薬が作用目標としているのも、 この陰茎海綿体の血管平滑筋による血管拡張作用です。
このようにコーヒーに含まれるカフェインが持つ血管拡張作用は、 勃起不全の発症予防に役立つ可能性が有ります。
コーヒーは勃起不全の発症予防に良い影響を与えている可能性が有ります。
こうした適度なカフェインがEDに役立つ機構として、前述の血管拡張作用以外には、
カフェインが持つ 『脳幹網様体賦活系への刺激作用』 が可能性として有ります。
脳幹網様体賦活系とは、脳の中で、我々の覚醒の発現と維持に関わっている部分で、 コーヒーが含んでいるカフェインは、 この脳幹網様体賦活系を刺激する事で精神機能を亢進させ、 実際に我々の眠気や疲労感を取ってくれる作用が有ります。
この脳幹網様体賦活系は、こうした我々の覚醒に関わる以外に、実は自律神経系に対する下降性の作用も認められており、 自律神経こそは、まさに勃起をコントロールしている神経なので、 カフェインによる脳幹網様体賦活系への刺激作用が、 自律神経への作用を介して、勃起不全の発症予防に役立っている可能性が有ります。
以上、コーヒーがEDに良いという可能性に関して、 カフェインが勃起不全の発症予防に役立っていると思われる機構を2つに分け、 その可能性に関して解説をさせて頂きました。
こうしたコーヒーならびにカフェインによる、EDにとっての良い作用は、あくまで 『適度な』 量の摂取によるものです。
過量のコーヒーならびにカフェインの摂取は、耳鳴、動悸、不穏状態の発生、また胃潰瘍や緑内障の悪化を招く可能性も有り、危険です。
EDの予防を期待してコーヒーを飲む場合も、コーヒーは一日2から3杯くらいまでにしておきましょう。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2021-03-23)
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