『EDを予防するための食事とは? 勃起不全症の予防のための代表的な三つの食生活に関して日本性機能学会専門医が解説』

日本性機能学会専門医が解説するEDを予防する食生活

  • EDを予防するための食事は 『足し算』 でなく 『引き算』 で考えるべき
  • 塩分を控えめにして高血圧を予防する事、
  • 炭水化物を控えめにして糖尿病を予防する事、
  • トータルカロリーを抑えた、バランスの良い食事で肥満を予防する事、
  • 以上が勃起不全症の予防のための代表的な三つの食生活です。

EDを予防するための食事と言うと、 皆さんは 「うなぎ」 を食べた方が良い、もしくは 「しじみ」 を食べた方が良いなど、 食事への 『足し算』 で考える人の方が多いのではないでしょうか?


しかし日本性機能学会専門医の目線から、勃起不全症の予防のための食生活を語る場合、 食事は足し算でなく 『引き算』 で考える事の方が圧倒的に多いです。


戦争中ならいざ知らず、現在の飽食日本では、脂質などの栄養や、 亜鉛などの微量元素の不足によって、EDなど性機能障害を引き起こすケースはとてもまれで、 むしろ栄養過多による弊害の方が圧倒的に多いと言えます


こちらのページでは、こうしたEDを予防するための食事というテーマを軸に、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が、勃起不全症の予防のための代表的な三つの食生活について解説をさせて頂いております。
宜しければご一読下さいませ。


<当ページのもくじ>

  1. 【塩分は控えめに】
  2. 【炭水化物を控えめに】
  3. 【トータルカロリーを抑えめに】

1.【塩分は控えめに】

塩分は控えめに

EDを予防するための三つの食生活に関して、まず最初の解説は 『塩分は控えめに』 です。


実は高血圧は、EDの数多いリスクファクターの中でも最大多数派の原因になります。 当新宿ライフクリニックでも高血圧合併のEDでご来院になられる方はとても多いです。


過剰な塩分は高血圧を発症させる直接的な要因になるので、 日々の塩分を控えめにした食生活は高血圧の発症予防になり、 ひいては勃起不全症の予防のためにも、とても重要と言えます。


どのくらい塩分を控えた食事が、高血圧の発症予防になるのかと言うと、 男性で塩分一日7.5g未満、女性で塩分一日6.5g未満の食事が、高血圧の予防に望ましいとされています。


また他の減塩の工夫としては、
・外食は味を良くする事でリピーターを確保するため、ほとんどが塩分過剰です。外食を避けましょう。
・ご自宅の醤油・味噌などの調味料は全て減塩のものに切り替えましょう。
・塩蔵品である干物・漬物などは取らないようにしましょう。塩蔵品は保存食に多いです。


減塩以外にも、禁煙・節酒・太られている方の減量も、高血圧の発症予防に良いとされています
みなさまも毎日の食事を塩分控えめに調整して、高血圧、ED、どちらも予防しちゃいましょう!


2.【炭水化物を控えめに】

炭水化物は控えめに

EDを予防するための三つの食生活に関して、続いての解説は 『炭水化物を控えめに』 です。


炭水化物、特に単純糖質の継続した過剰摂取は、糖尿病を引き起こす直接的な要因になります。 また糖尿病も高血圧同様、EDの主要なリスクファクターの一つで、 特に進展した糖尿病は、難治性のEDを引き起こすとも言われています。


一方、炭水化物を控えめにした日々の食生活は、糖尿病の発症予防になるので、 ひいては勃起不全症の予防にもなり得ます。


こうした糖尿病、そしてEDの予防のための食事は、栄養の割合がとても大切で、 炭水化物に関しては摂取する全体のカロリーの40~60%程度に抑える事が望ましいとされています。 例えば、ラーメン、パン、うどん、そば、牛丼などの一品ものの食事の場合、その内訳は90%以上が炭水化物になります。 つまり、これら一般的とされる外食は、炭水化物の摂取過剰から糖尿病になる方向に働きやすい事がわかりますね。


炭水化物は全体のカロリーの40~60%程度、タンパク質は20%程度、残りを不飽和脂肪酸による脂質でとり、また食物繊維・ビタミンをしっかりとるのが、 糖尿病予防に理想的な食事の割合になります。


具体的には、サラダのついた焼き魚定食などで、小鉢などにお皿が分かれているような食事が、栄養の割合を調整しやすいものと思われます。 こうした食事内容の上で、お米など炭水化物を少し減らしてもらい、食事内容を糖尿病予防、そしてED予防に理想的なものに近づけていきましょう。


その他、糖尿病の予防には、日々の持久力運動なども、とても大切です。
毎日の炭水化物を控えめにして、糖尿病、EDともに予防をしていきましょう!


3.【トータルカロリーを抑えめに】

トータルカロリーは抑えめにしましょう

EDを予防するための三つの食生活に関して、最後の解説は 『トータルカロリーを抑えめに』 です。


継続する、カロリー過剰な食生活は肥満症を招きますが、この肥満もまたEDの代表的なリスクファクターの一つになります。 また、肥満が二次的に引き起こす睡眠時無呼吸症候群や上記の糖尿病、高血圧もEDのリスクファクターになるので、 肥満症は、EDの原因が連鎖して、複数の因子によって形成される難治性の勃起不全症を作り上げてしまう危険性も有ります。


つまりトータルカロリーを控えめにした日々の食生活は、 直接的また間接的に複数の疾患の予防になり、 その上で、勃起不全症の予防にもなるという事なのです。


この肥満そしてEDの予防にとって望ましい一日の食事のカロリーは、身長と体格によって変わります。
【理想体重(㎏)】=[身長(m)]の二乗×22
【ED予防に望ましい一日の食事のカロリー(kcal)】=理想体重(㎏)×25(太っている方の場合)or30(標準体型の方の場合)
一例をあげると、私の場合、身長1.78m(178cm)で、すこし太っているので、一日の食事のカロリーは1.78mの二乗×22×25≒1700kcal。 この1700kcalを朝・昼・晩の三回に分けると、1700÷3≒560kcalになるので、 一回の食事におけるカロリーの目安は500~600kcalくらいになります。


『ぶりの照り焼き定食』のカロリーが約650kcalくらいなので、 これにサラダを付けて、ごはんを少々減らすと栄養バランスとカロリーが、 肥満症ならびに勃起不全症の予防にとって丁度良い食事になりそうです。


一方、牛丼などは、909kcalもあり、また炭水化物が90%以上もあるので、 トータルカロリーも抑えられていませんし、 上記2.【炭水化物を控えめに】にあるような、控えめの炭水化物の食事にもなっていません。 つまり 牛丼は実は 『EDになりやすい食事』 とも言えます。


みなさまも、毎日取るトータルカロリーは控えめにして、 肥満もEDも一緒に予防してしまいましょう!



以上、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が、 EDを予防するための食事に関して解説をさせて頂きました。 まとめますと、勃起不全症の予防のための食生活とは、 塩分が控えめである事、炭水化物が控えめである事、 栄養バランスが良く、トータルカロリーが控えめである事、 以上の条件を満たすものが理想的です。


つまり基本的に外食は、EDを予防する食事にはなり得ません。 ただ現在は新型コロナウィルス流行によって、ステイホームが一般化して来ているので、 自炊にて、勃起不全症の予防のための食生活にチャレンジする事も、 以前に比べてやりやすいかも知れません。 是非とも、トライしてみて下さい。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2021-08-03)

日本性機能学会専門医証
※日本性機能学会について詳しくはこちら
新宿ライフクリニック院内看板
※新宿ライフクリニックについて詳しくはこちら



 ―このページの内容に関連した記事―