前立腺肥大症とシアリスという薬剤には良い意味合いで、深い関係性が有ります。
前立腺肥大症とは、男性の下腹部にある前立腺という器官が肥大する事で、主におしっこが出にくくなる病気です。 基本的に進行性の疾患なので、症状は段々と増悪します。
一方のシアリスは保険外つまり、自由診療下にEDに対して処方される勃起不全の改善薬で、 長時間薬効が特徴の製剤です。
本稿では、このシアリスと前立腺肥大症の深く、好ましい関係に関して、 日本性機能学会専門医が解説しております。
宜しければご一読下さいませ。
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前立腺肥大症による排尿の障害は、更にEDを続発させてしまう事が有りますが、 シアリスはこうした二次的に発症する勃起不全もよく改善させる事から、 シアリスと前立腺肥大症と間には深い関係性が示唆されています。
シアリスはペニスにて、血管を広げる物質である一酸化窒素をダイレクトに手助けする事で、 インポテンツを改善するので、 前立腺肥大症によって二次的に発生するEDなどは、とても良い適応と言えます。
ただし、こうした前立腺肥大症によるインポテンツの改善は、シアリスの薬効がある間に限定されます。
薬効が切れれば、様々な影響に応じて、またインポテンツが引き起こされます。
とは言え、EDを永続的に治療する方法は今のところ有りませんので、
これは現代医学の技術上の限界と言えます。
シアリスはEDだけでなく、前立腺肥大症自体の増悪を防ぐ作用が有ります。 つまりシアリスと前立腺肥大症の間には、EDを介した二次的な関係だけでなく、 ダイレクトな関係性もあるという事なんです。
シアリスの手助けによって、体内で一酸化窒素が活性化すると、EDの改善だけでなく、 前立腺組織の増殖を抑える効果も見られる、 すなわち本剤によって前立腺の肥大を抑制する事ができると報告されています。
ただし、長期にわたって前立腺が肥大しないようにするには、継続的にシアリスを服用する必要が有りますが、 勃起改善薬である本剤を毎日飲むケースは多くは無いと思われます。 そこで、勃起改善するほどの力は無いものの、前立腺肥大症またはその症状を抑える事が出来る薬剤として、 『ザルティア』 という製剤が生まれました。これは言わば、低用量版のシアリスになります。
以上、シアリスは前立腺肥大症とは、二次的な好影響、またダイレクトな改善作用など、
多層に及ぶ深い関係性があると言えます。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2020-03-17)
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