睡眠の質とEDには深い関わり合いが有ります。 毎日の安定した睡眠は、人間の自律神経の安定には欠かせない要素で、 また、この自律神経こそは、脳からの勃起の指令をペニスに伝える、とても重要な神経でも有ります。
この睡眠が障害される事によっても、勃起不全症は発症する事がある訳ですが、
こちらのページでは、この睡眠の障害を 『不眠症』 と 『睡眠時無呼吸症候群』 に分けて、
EDの発症に、これら睡眠の障害がどう関わるのか、その関係性に関して
新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。
宜しければご一読下さいませ。
<当ページのもくじ>
睡眠とEDの関係について、こちらでは不眠症による勃起不全の発症に関して解説をさせて頂いております。
不眠症とは、睡眠の環境や機会が適切であるにもかかわらず、睡眠維持困難、入眠困難、早朝覚醒が持続し、 その結果日中に注意力・集中力・記憶力の低下や倦怠感、また焦燥感など、何らかの弊害がもたらされている状態を言います。 なんと日本人の5人に1人が 「睡眠で休養が取れていない」 「何らかの不眠がある」 と回答しており、実は不眠症は隠れた国民病とも言えます。
この不眠症などの睡眠の質の低下は、実は万病の元で、様々な疾患の発症に係わっています。 その中でもうつ病と不眠症は、うつ病の結果、不眠症になる事も、逆に不眠症の結果、うつ病になる事もあり、お互い双方向性の関係が有ります。 そして、うつ病による 『うつ症状』 こそは、心理的要素としてEDを発症させてしまう勃起不全症のリスクファクターでも有ります。 すなわち不眠症による慢性的な睡眠の質の低下は、うつ病を介してEDを二次的に発症させてしまう事があるのです。
一方、万病の元である不眠症の存在は、肥満・高血圧・糖尿病など生活習慣病の発症を招きやすくさせますが、 これら肥満・高血圧・糖尿病などもまた、EDを発症させる勃起不全症のリスクファクターですので、 実は不眠症による慢性的な睡眠の質の低下は、生活習慣病の発症を介した形でも、EDを二次的に発症させてしまう事が有るのです。
このように睡眠とEDとの間には密接な関係が有り、不眠症は多岐にわたる形で勃起不全の発症に二次的に関わっています。 不眠症でお悩みの方は、なにとぞ勃起不全も含めた万病の発症前に、睡眠の質の改善を検討していきましょう。
睡眠とEDの関係について、こちらでは睡眠時無呼吸症候群による勃起不全の発症に関して解説をさせて頂いております。
睡眠時無呼吸症候群とは、中高年男性でいびきをかく肥満者に多い病態で、 一晩7時間の睡眠中に呼吸が10秒以上停止する状態(無呼吸)が30回以上認められると、睡眠時無呼吸症候群の診断に到ります。
この睡眠時無呼吸症候群は、EDと深い関係があります。 実は、この睡眠時無呼吸症候群も前述のうつ症状や肥満などと同様に勃起不全症リスクファクターの一つなのです。
睡眠時無呼吸症候群には、朝立ち(夜間勃起現象)の阻害、男性ホルモンの分泌低下、交感神経の過剰興奮など、 EDを直接的に引き起こす様々な原因仮説が報告されています。
この睡眠時無呼吸症候群は、CPAP(シーパップ)と呼ばれる、睡眠中に体内に圧力で空気を送り込むシステムによって 日中の過度の眠気など睡眠時無呼吸症候群に伴う諸症状を改善させる事が出来るとされていますが、 実はこのCPAPは睡眠時無呼吸症候群を原因として発症したEDも改善させる事が出来るとされています。
このように睡眠とEDの間には密接な関係が有り、睡眠時無呼吸症候群は直接的に勃起不全の発症に関わります。 睡眠時無呼吸症候群はベッドを共にするパートナーの観察から判明するケースも多いです。 勃起不全症が有る上で、睡眠をとっても日中の眠気が取れない、またベッドパートナーからいびきと睡眠中の呼吸停止エピソードをお伺いになる事が有る方、 是非一度、病院にて睡眠中の呼吸状態をお調べ下さい、 ひょっとしたらご本人のEDは、睡眠時無呼吸症候群から来ているのかも知れません。
以上、睡眠とEDの関係を軸に、不眠症また睡眠時無呼吸症候群による勃起不全の発症に関して、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂きました。
文中でも申し上げましたが、睡眠の質の低下は、まさに万病の元です。
不眠症でお悩みの方の場合、まずは、寝室環境の適正化、定期的かつ適切な有酸素運動、就寝前のカフェイン・お酒・喫煙の回避など、
睡眠衛生指導に従った環境と習慣の改善を持って睡眠の質を良くしていきましょう。
一方、睡眠時無呼吸症候群が疑わしい方、こちらは、まずは病院にて、睡眠時無呼吸症候群を調べる検査を受けてみましょう。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2021-11-23)
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