ストレスはEDを引き起こします。
こうした心因性勃起不全症を引き起こす代表的なストレスは主に7種に分類されます。
それは 『仕事からのストレス』 『パートナーからのストレス』 『責任からのストレス』
『自信のなさからのストレス』 『過去のトラウマからのストレス』 『劣等感からのストレス』
『気質や恐怖心からのストレス』 の7種です。
慢性的には、ストレスは内因性オピオイドを介して脳の内分泌を抑制する事で、 精巣からの男性ホルモン分泌を低下させ、EDを引き起こします。
急性的には、ストレスは交感神経を介する海綿体平滑筋の緊張を増強する事で、 もしくは性行動中枢がストレスを感受する情動中枢からの悪影響を受ける事で、EDを引き起こします。
こうしたストレスによって引き起こされるEDは、心因性勃起不全症と呼ばれますが、
それでは、どのような種類のストレスがこうしたEDを引き起こしてしまうのでしょうか?
EDを回避するためにはどのようなストレスに気を付けるべきなのか?を皆様にご教示させて頂くべく、
こちらのページでは、新宿ライフクリニックの外来にて実際にお伺いした 『EDを引き起こしうるストレス』 を、
代表的な7種に分類して日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。
宜しければご一読下さいませ。
<当ページのもくじ>
どのようなストレスがEDを引き起こすのか?
心因性勃起不全症を引き起こす代表的な7種のストレスに関して、最初のご紹介は 『仕事からのストレス』 についてです。
仕事からのストレスの中でEDを発症しうるものとして、外来で良くお伺いするのは、 転職や配置転換など、業務内容の大きな変更、あるいは職場環境・人間関係の大きな変更に伴うストレスが有ります。
現在、我々の世界は新型コロナウィルス流行がとても大きな問題となっていますが、これに伴うテレワーク・在宅勤務の一般化も、 職場環境の大きな変化として、心因性勃起不全症を引き起こすストレスとなっているのが散見されています。
また、かって共同通信社が企業人に介入した調査上では、管理職の方が一般職よりもEDなどの性機能障害の発生は多く、 また管理職におけるED原因の半数近くが 『仕事上のストレス』 が原因と解答しています。
特徴的な違いとしては、一般職に比べて管理職のストレスは業務中だけでなく私的時間にも遷延しやすい事が見受けられ、 これがED発症に影響しているものと思われました。
どういったストレスが勃起不全症を引き起こしているのか?
心因性EDを発症させる代表的な7種のストレスに関して、続いてのご紹介は 『パートナーからのストレス』 についてです。
セックスの相手となるパートナーから与えられるストレスは、ダイレクトかつ改善の難しい勃起不全症を作り上げてしまう事が多いようです。 パートナーからのストレスで心因性EDを発症するものとして、外来で良くお伺いするのは、 『家族・カップル間の人間関係上の葛藤』、 あるいは 『パートナーからの暴言』 に伴うストレスが代表的です。
こうした人間関係上の葛藤や暴言自体の原因としては、 浮気などの相手の不貞に伴う憎しみの感情、 または普段からのコミュニケーション不足、 育児方針の食い違い、金銭問題などが外来で聴取されています。
どうしたストレスが心因性EDを招いてしまうのか?
勃起不全症を引き起こす代表的な7種のストレスに関して、続いてのご紹介は 『責任からのストレス』 についてです。
ご自身で自覚する 『責任感』 もまた心因性EDを引き起こすストレスとなり得ます。 責任からのストレスで勃起不全症を発症するものとして、外来で良くお伺いするのは、 子作りにおける 『不妊恐怖』 からのストレスです。 これは、ご自身が原因となって 「子供が出来なかったらどうしよう」 という責任感からのストレスになります。
また 『妊娠恐怖』 からのストレスも、EDを発症する 『責任からのストレス』 として、外来でお伺いする事が有ります。 これは上記の不妊恐怖とは逆の状況で、「相手を妊娠させてしまったらどうしよう」 という責任感からのストレスになります。
どういった種類のストレスが心因性勃起不全症を引き起こすのか?
EDを引き起こす代表的な7種のストレスに関して、続いてのご紹介は 『自信のなさからのストレス』 についてです。
性行為において 『自分の能力に自信がない』 事も、心因性勃起不全症を引き起こすストレスとなり得ます。 自信のなさからのストレスでEDを発症するもの、その中でも外来で良くお伺いするケースとしては、 新婚における緊張状態、または初回の性交などにおける経験不足、 過去の失恋の悪影響、などが有ります。
特に、過去の失恋は大きく自信を下げてしまうという悪影響が有り、 改善しにくい心因性勃起不全症を引き起こしてしまうケースが有るようです。
また20代前半で受診されるEDの方の内、その約半数が 『経験不足に伴う自信のなさ』 が、 ストレスの源泉となって、ED化している傾向が見受けられます。
どのようなストレスがEDを引き起こすのか?
心因性勃起不全症を引き起こす代表的な7種のストレスに関して、続いてのご紹介は 『過去のトラウマからのストレス』 についてです。
過去におけるトラウマ (心的外傷) も、EDを引き起こしうるストレスとなります。 こうした過去のトラウマからのストレスは、その内容が4.【自信のなさからのストレス】 に少々オーバーラップしてますが、 その特徴的な違いとしては、セックスの際、もしくはその直前に、過去のトラウマが記憶として回帰されてしまう所に有るようです。
心因性勃起不全症の原因になりうる、過去のトラウマからのストレスとして代表的なものは、 性犯罪被害の過去、初夜もしくは過去の性交の失敗経験、などによるストレスが有ります。
特に過去の性交の失敗経験によるストレスは、性交経験が少ない人の方が、 EDの発症に結びつきやすい傾向が有るようです。
どういったストレスが勃起不全症を引き起こしているのか?
心因性EDを発症させる代表的な7種のストレスに関して、続いてのご紹介は 『劣等感からのストレス』についてです。
『自分の身体への劣等感』 も、勃起不全症を引き起こすストレスになり得ます。 こうした身体への劣等感からのストレスも、その内容が4.【自信のなさからのストレス】 にオーバーラップしてますが、 特徴的な違いとしては、このケースでは 『自信のなさ』 あるいは 『劣等感』 の根拠が、能力や過去でなく、自分の体の構造的問題にある所です。
こうした心因性EDの原因になりうる 『劣等感からのストレス』 としては、 ペニスのサイズや包茎など、自分の性器への劣等感が主体になります。
同じ体の劣等感でも、顔の造作や体つきなどよりも、 性器への劣等感の方が勃起不全症の発症に影響しやすい傾向が有るようです。
どうしたストレスが心因性EDを招いてしまうのか?
勃起不全症を引き起こす代表的な7種のストレスに関して、最後のご紹介は 『気質や恐怖心からのストレス』 についてです。
心因性EDを引き起こす、気質からのストレスとして、外来でお伺いする代表的なものとしては、
『潔癖症』 が有ります。
特に人の触れたものに触れられないなどの 『過剰潔癖』 の方においては、
接触に対する拒否感がストレスとして勃起不全症の発症につながっていると考えられます。
一方、心因性EDを引き起こす恐怖心からのストレスとして、外来でお伺いする代表的なものとしては 『性病恐怖』 が有ります。 これは性病に対する恐怖心に伴うストレスが勃起不全症を発症させるというケースになりますが、 3.【責任からのストレス】の 『妊娠恐怖』 『不妊恐怖』 との特徴的な違いとしては、 これらは責任感という根拠から発した恐怖であるのに対して、 性病恐怖は、恐怖の根拠に具体性を欠く場合が多いように見受けられます。
以上、どのようなストレスがEDを引き起こすのか? 勃起不全症を引き起こす代表的な7種のストレスに関して、 新宿ライフクリニックの外来でお伺したものを分類させて頂き、 日本性機能学会専門医がそれらを解説をさせて頂きました。
ストレスによる心因性勃起不全においても、バイアグラ等の勃起改善薬の効果は良好です。
また、勃起改善薬を使用したセックス自体が実地でのリハビリテーションとなり、
それによる成功体験の蓄積自体が、心因性EDの根本治療にも働きます。
ストレスによるEDでお悩みの方、お近くの日本性機能学会専門医在籍施設へ是非ともご相談下さいませ。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2021-05-11)
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