オーガズムと潮吹き


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オーガズム時の女性の潮吹きに関する医学的検証

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AVでは、しばしば、いわゆる女性の潮吹きが、場面として登場します。 ご覧になった事が有る方も、いらっしゃるともいます。
また、ご自身のセックスにおいて、経験された事があるかたもいるかもしれませんし、 経験のない方もいると思います。
潮吹きには、特別なテクニックが必要なのでしょうか?
また、潮吹き時は、女性は、オーガズムを得る事が出来てるのでしょうか?
医学的な検証がござます。

女性のセックス中の液体の噴出は(あえて潮吹きと記載しない理由が有ります)、 必ずしもオーガズムとは関係ないとされ、 一部の女性に見受けられる現象です。
その頻度ですが、報告により様々ですが、10-50%とされています。
また、その噴出する液体の量は、1mlから、多い場合は900mlに及ぶともされています。
このように差が生じているのは、方法や対象者の選別の差によると思われます。 セックス時に、噴出量を測定する等、データを得るのが容易でない事は、皆さんも想像できると思います。 よって、方法論的にも、女性の潮吹きに関する調査は、非常に困難で、限定的である事を付け加えておきます。

セックス中の液体の噴出は、様々な部位に由来し、同一のものでは有りません。 この現象は、男性のオーガズム時の射精に似てはいるものの、 これとは異なり、様々な現象、メカニズムが考えれらています。
女性が噴出しうる液体は、膣、膀胱、女性前立腺に由来するとされています。 MRIや超音波検査、内視鏡など、最近の検査技術の進歩により、 これらの現象の解剖学的および尿動態等含め、生理学的な理解が進んでいます。

セックスよる女性の液体分泌は、膣の湿潤(俗に言う愛液)、オーガズムに伴う噴出(いわゆる潮吹き)、 失禁の大きく3つに分けられます。 前二者は性的な反応で、後者は尿失禁です。
説明するにあたって、混乱を来しやすいので、ここでは、いわゆる潮吹きは、 すべて、オーガズムに伴う噴出を指し、膣の湿潤(愛液)と尿失禁とは、別に扱います。


膣の湿潤(愛液)
膣の湿潤は、セックスにおいて最も一般的でかつ重要なものです。
俗に言う愛液は、血漿を基にした浸出液で、膣壁から分泌され、 血管作動性腸ペプチドや神経ペプチドYによってコントロールされています。 成分や量は、性的絶頂の強さと持続時間によります。
女性の3~43%は、膣湿潤が十分でないとされ、特に閉経後に多いとされます。
これとは逆に、愛液が多過ぎる事は、なんら問題となる事は無く、特に、ペニスの挿入に伴って分泌されます。
この愛液ですが、膣周囲の筋肉の収縮により、勢い良く噴出される事も、 いわゆる潮吹き様の状態にもなり得ます。 このような女性は、恥骨尾骨筋が強く、オーガズムによる子宮収縮を得やすいタイプとされます。


潮吹き
潮吹きは、膀胱や女性前立腺、または、 その両方からの液体の噴出とされ、 性的な絶頂に達した時に生じる反応とされ、その量は一定しないとされています。
問診表や事例証拠から、その頻度は、かなりの高率に上るとしています。
一部の潮吹きのケースでは、オーガズムに伴う尿失禁と似ており、治療が必要な場合も有ります。

女性前立腺からは、オーガズムに伴い、やや白っぽい液体を少量噴出するとされます。 その量は、1~50ml程度と報告によって差がございます。 この液体中に前立腺酸性フォスファターゼが含まれていたことが、 女性前立腺からの噴出を考える切っ掛けとなっております。
女性の前立腺は、かつてはスキーン傍尿道腺と呼ばれていた外分泌腺で、 そのサイズや部位には、多彩なバリーションがあります。 報告によって様々ですが、1/2~2/3の女性に、女性前立腺が存在するとしてます。 MRIを用いた報告では、より多くの女性に前立腺を疑う組織が認められたとしています。 女性前立腺の重量は、2.6-5.2gであるとし、存在部位の多くは、 尿道の後半1/2の側面に位置し、尿道へ開口し分泌するとしています。
性成熟前の男性の前立腺と似通っており、腺、管、筋肉で構成され、やや管と繊維筋性組織が多く、 腺組織が少ないとされています。
男性前立腺のように、尿道に単一もしくは複数の開口部を持つのか、 それとも、尿道と並行して走行しているのかは、解っていません。 開口部は、尿道鏡で確認する事は出来ないとしています。

前立腺特異抗原(PSA)、前立腺酸性フォスファターゼ、フルクトースやグルコースの存在は、 女性前立腺からの分泌に特徴的です。
女性の前立腺の意義は不明です。 前立腺分泌液が、尿路感染症に対して、防御的に働くとする説もございます。 女性前立腺からは、膣やクリトリスの刺激によって、男性の精液の様な液体を、少量ですが、 分泌する事が可能です。

潮吹きは、希釈された尿で有ったとする報告がございます。
膀胱カテーテルを挿入し、その成分を調べた報告もあります。
それによると、尿素やクレアチニンといった尿に含有される成分が、 尿と比較すると低濃度である液体が得られ、前立腺に由来する成分は検出しなかったとしています。
反対に、前立腺由来のPSA等の成分が検出されたとの報告もあります。

このことから、オーガズム時に認められる、いわゆる潮吹きは、生化学的パラメーターによって、 3タイプに分かれます。
上手い日本語訳が見当たりませんので、わかり易く、伝わる事に重点を置くと、 前立腺由来(ejaculation)、膀胱由来(squrting)、その混合の3タイプになります。 ejaculationは、男性には射精と訳されますが、女性においては、その成分は、 女性前立腺からの液体成分が中心になり、squrtingは、希釈された尿に似たものと考えられます。

前立腺由来の潮吹き(ejaculation)は、ごく一部の女性に生じる、おそらくは、 最も一般的でない肉体反応現象の一つです。
この現象は、膣の潤いが無くなったり、尿として捉えられる場合もございます。
Master and Johnsonは、382例の女性を11年に渡り、7500回以上のセックスを観察してますが、 非典型的な現象であるとしています。
しかし、疑う事無い、明白な事実でもあります。
10-15分間に及ぶ膣前壁(いわゆるGスポット)を2本の指で強く刺激したり、 バイブレーターで刺激した結果、液体の噴出を得る事が出来たとする報告も有ります。
女性の潮吹きは、高い絶頂を得た、前立腺の反応も、その一つと言えます。
しかし、女性の前立腺は、男性と比較し、その重量は1/5~1/4と小さいため、 この器官が何十mlもの液体を産出するとは考えにくく、実際に、 男性の射精は2~5ml程度の液量で、そのうち前立腺液の割合は、25~30%(およそ1ml)です。
つまり、前立腺由来の潮吹き(ejaculation)は、ごく少量の液体の分泌に対してのみ使われるべきものです。

これに対して膀胱由来の潮吹き(squirting)は、オーガズムに伴ったコントロールのできない、 脈動的な経尿道的液体の噴出で有り、前立腺由来の場合と比較して、より液量が多いものです。
この現象は、2つの液体現象から成り立っております。
液体の由来は、膀胱であり、前立腺成分も含まれることが有り、つまり混合タイプですが、 現象としての差異は少なく、その場合、構成成分と液量が異なってきます。
AVなどでは、説得力のあるような描写が多く登場し、皆さんがイメージする潮吹きに、 もっとも近いのが、恐らくこれにあたりますが、膀胱由来の潮吹き(squirting)も、珍しケースであります。

膀胱由来の潮吹き(squirting)のメカニズムは不明な点が多く、十分な研究、 観察報告がございません。
潮吹きを正確に測定する難しさと、対象を如何に集めるかといった問題もございます。
排尿筋の収縮は、いわゆる潮吹きの理由に、最も相応しいかもしれません。 尿排出筋の過活動現象は認められないながらも、オーガズム時は、子宮筋が収縮するように、 排尿筋の収縮を抑制できなくなる可能性は否定できません。

なぜ尿が希釈されるかにつては、現在のところ、全く分かっていません。
血圧の上昇や腎糸球体のろ過の増加、アルドステロン産生の変化などが推測されています。 膀胱由来の潮吹き(squirting)は、尿とは組成が異なり、その違いは、 排尿から性行為開始までの間隔に依存しているとしています。 すなわち、薄まって、生化学的に異なる尿が貯留していると考えられています。 この仮説は、生化学的に異なる組成を持つこと、薄く、臭うことがなく、 尿と異なる臨床像にも一致します。

潮吹きは、オーガズムに伴う尿失禁と似通っているかもしれません。 膀胱由来の潮吹き(squirting)とオーガズムによる尿失禁は、似通った病態生理を持ち、 オーガズムが、そのきっかけになります。
しかし、厳密には、尿動態が異なる事から、異なった現象です。
性交中の尿動態やオーガズム中の排尿筋の活動が異なります。


尿失禁
セックス時の失禁は、女性のオーガズムのサインと考えられがちですが、 これは、間違った認識です。 噴出量が多い事は、性的な絶頂が高レベルにあるかも知れませんが、 尿失禁で有ることもございます。
女性の尿失禁の有病率は、20-45%とされています。
尿意切迫を基準にした過活動性膀胱の有病率は、33-41%との報告もあります。
セックスに伴う尿失禁は、性行為時の意に反する尿漏れであり、 ペニスの膣への挿入によるもの、 オーガズムに伴うものの、2タイプに分かれます。
尿失禁を有する女性中、セックスに伴い生じる率は、これも報告によって様々であり、 0.2~66%と、非常に差が多くなっています。 有病率の調査に関わる方法論や、尿失禁とセックスに伴う尿失禁は、関係が有るのかどうか等、 議論がされています。

圧迫性尿失禁を有す女性の9割、排尿筋の過活動を有する女性の3割は、 性行為に伴う失禁を有すとされています。
セックスに伴う尿失禁は、腹圧の増大やペニスの膣への挿入、奥深くへの挿入、高度な性的絶頂、 オーガズム、クリトリスへの刺激など、様々なシチュエーションで生じ得ます。 膣へのペニスの挿入に伴う尿失禁は、圧迫性尿失禁と関連し、オーガズムに関連した尿失禁は、 排尿筋の過活動に関連している事が多いとされていますが、依然としてはっきりしておりません。

オーガズムに伴う尿失禁の原因は、議論の多い所では有ります。
オーガズムに伴う尿失禁は、排尿筋の過活動だけでなく、 尿道括約筋の機能不全や子宮膣脱が関与している可能性も指摘され、 抗コリン作用の減弱と説明されています。
膀胱壁が厚く、抗ムスカリン作用に対する抵抗が弱いともされ、 これは、膀胱の過活動に伴い失禁してしまう女性の特徴とも共通しています。

性行為に伴う尿失禁と潮吹きは、尿動態的にも異なる事が示されています。
尿失禁の無い女性の潮吹きは、排尿筋やその他の尿動態に影響を与えるパラメーターに異常は認められず、 セックスによる尿失禁を認め、通常も尿失禁を認める女性では、常に、 これらのパラメーターに異常が見つかるとしています。

噴出された液体の生化学的な検査は、その起源を推測するのに、非常に有用な方法です。
過去には、潮吹きと尿失禁が同一のものと考えられていた時期もござましたが、 現在では、両者は、全くの別物であることが分かっています。

多くの健康的な女性に潮吹きが伴う場合は、尿失禁を考慮する必要はありませんが、 一部のケースでは、尿失禁に移行する場合もございます。
尿失禁の女性は、潮吹きを伴う事も有るとされます。

ペニス挿入による尿失禁は、手術により8割程度は改善できるとされます。 オーガズムに伴う尿失禁も、適切な薬物療法で、6割程度は改善可能とされます。 骨盤底筋群の筋力トレーニングが有効であることが示されています。 経膣的電気刺激療法も有効であるとされています。


曖昧な定義や多彩な現象や似通って入るが異なった出現様式などから、 未だに不明な点が多いのが現状です。
オーガズムに伴ういわゆる潮吹きや、それに対する誤った認識は、 性生活を困難にしたり、パートーナーとの関係を損なう可能性もございます。
潮吹きが、オーガズムに伴って生じる自然現象の一つであるとする誤った認識は、 女性にストレスを与え、性行為に対する負の感情を持つきっかけになったり、 場合によってはうつの原因にもなります。
実際に、女性にとっては潮吹きは、恥ずかしいと感じる一面が有り、匂いもまた、 恥ずかしく感じる要素です。
潮吹きは、究極的にエキサイティングでありますが、自制できるものであり、 満足感とカタルシスを伴うとされています。
男性側には、必ずしも、オーガズムに潮吹きを伴う必要は無い事、 女性側には、潮を吹かないからと言って、ご自身の肉体的に、劣等感を持つ必要が無い事を、 認識して頂きたいと思います。


医学的に、潮を吹かせるテクニックについて論じられた報告はございません。
私たちのクリニックのスタッフに、一人強者がいます。 その者によると、女性の潮吹きの頻度は、ほぼ100%との事です。 詳しく聞いてみると、膀胱由来の潮吹き(squirting)であると推測されます。 必ずしも約束できるものではございませんが、その方法の一部をご紹介いたします。

当然ながら十分な愛撫を行い、女性の性的興奮を高めておく必要がございます。
その後、女性を膝立ちさせ、口や手で愛撫を継続しつつ、 指で膣内のいわゆるGスポットの愛撫を行います。
これを続けることで、膣の密着感が増すと同時に、Gスポットが隆起してきます。
ここまで到達すると、潮吹きまで、もう一歩のところまで来ているとの事です。
しかし、やはりと言うか、最後に、女性に自制心が働くため、それを取り除いてあげなければ、 潮吹きに至らないとの事です。
最後の自制心を取り除くのは、パートナーとのリレーションシップとの事です。
自制心を取り除いてあげる一言が必要との事です。

テクニック、方法については、あくまで例ですので、前例に当てはめることはできません。
自己満足のみを追求する行為は、パートナーの求めるところでは無く、感情の高揚がが無ければ、 オーガズムも得難いとお考え下さい。
思いやりの気持ちが大切です。

また、この件に関するお問い合わせに対するお答えも一切行っておりません。
セックスは、パートナーとのコミュニケーションツールの一つと考えます。


女性のオーガズムに関する医学的検証は、他にもございます。
興味のある方は、他もご参照ください。


written by シアリス新宿なら新宿ライフクリニック.