バイアグラに関しては、厚生労働省が正式に認可し、国内で処方されているものにも、実はいくつかの種類が有ります。 それは、ファイザー株式会社の 『バイアグラ錠』 、 複数の会社が製造しているバイアグラの公式ジェネリック 『シルデナフィル錠』 シリーズ、 ファイザー株式会社の 『バイアグラODフィルム』 の3種類です。
バイアグラは最も有名な勃起不全治療剤であり、 いわばED治療薬の代名詞的な存在です。 他の勃起不全治療剤の名前は知らなくとも、バイアグラの名前だけは知っているという方も多いのではないかと思われます。
こんなにも有名なバイアグラなので、 海外製の無認可薬剤や、非合法に密造されたニセモノなど、様々な危険薬物が 『バイアグラのジェネリック』 という表現を冠して、一部のクリニックやインターネット通販上で扱われており、 日本性機能学会など、ED(勃起不全症)の研究を主体にした学究機関では、 これら危険薬物による日本人ユーザーの健康被害などが危惧されています。
その上、現在、厚生労働省認可のもと、正規に処方されているバイアグラにも、いくつかのバリエーションがあるような状況なので、 ユーザーにとってはますます正規品と偽造品を鑑別しにくい状況になっているのではないかと存じます。
そこで、こちらのページでは、現在、日本国内で厚生労働省が正式に認可し、 処方されている、バイアグラの3種類を、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が、 写真付きで解説をさせて頂いております。
現状、以下の解説に合致しないもので、バイアグラ、またはそれらのジェネリックを謳うものは、
ニセモノもしくは偽装品の可能性がありますので、くれぐれもご注意ください。
それではご一読下さいませ。
<当ページのもくじ>
こちらでは、厚生労働省認可の正規バイアグラ系統の3種類から、 ファイザー株式会社の 『バイアグラ錠』 を、まずは解説させて頂きます。
ファイザー株式会社のバイアグラ錠は日本では1999年から処方が開始されています。 その剤形は上記の写真のように、薄いブルーの菱形です。 この色は着色されているもので、有効成分であるシルデナフィルクエン酸塩は、もともと白色になります。
基本的にこれら勃起不全治療剤は、処方箋医薬品になるので、 医師を介して処方される薬剤になります。 ですので、通販や薬局、セックスグッズのショップなど、 医師が常駐していない施設から出されるバイアグラは、基本ニセモノと疑われて下さい。
実は、本物のバイアグラ錠とニセモノとの鑑別においては、薬剤を覆うシートの裏面の確認がとても重要です。
本物のシート裏面には
『バイアグラ®50mg、Pfizer VGR 50 バイアグラ®、ニトログリセリンなどの硝酸薬と本剤は併用できません』
という文字、製剤管理用のバーコードが表記され、また、その上部には製品のシリアル番号が打刻されています。
このシート裏面に何の記載もない、もしくは文字があっても英語などの外国語のみのものは、基本ニセモノと疑われて下さい。 また薬剤シートから出されていて、ビニールなどで自家分包、あるいは、その施設で作ったボトルなどに入っている薬剤も、 ニセモノの可能性が高いです。
ちなみに、厚生労働省認可、正規のファイザー株式会社 『バイアグラ錠』 は短時間作用で、勃起改善効果が高いという、 ある意味での 『分りやすさ』 が売りの勃起改善薬ですが、 現在は性能が同一でより安価なバイアグラ公式ジェネリック 『シルデナフィル錠』 シリーズ、 また性能や利便性が高い、ファイザー株式会社の 『バイアグラODフィルム』 が出ている状況なので、 現在、バイアグラ系統の中で、バイアグラ錠自体の処方量は段々と少なくなって来ております。
こちらでは、厚生労働省認可の正規バイアグラ系統の3種類から、 現在、複数の会社が製造しているバイアグラの公式ジェネリック 『シルデナフィル錠』 シリーズの解説をさせて頂きます。
シルデナフィル錠シリーズとは、2014年のファイザー株式会社 『バイアグラ錠』 の日本国内における正式な特許失効を受けて、複数の製薬会社が生産している、 バイアグラ錠の 『正規の後発医薬品(ジェネリック医薬品)』 の事になります。
シルデナフィル錠シリーズは、東和薬品から最初にリリースされ、現在は日本国内で10社以上から出されています。 厚生労働省認可の正規 『シルデナフィル錠』 シリーズは、 『ファイザー株式会社 バイアグラ錠』 と使用方法・効果・副作用など、 一切の性能が一緒ですが、卸値に開発費用が内包されていない為、その処方額はバイアグラ錠よりも安価になり、ユーザーにとってもお買い得です。
しかし、残念な事にバイアグラ錠の公式ジェネリックである、この 『シルデナフィル錠』 シリーズも、 それを偽るニセモノがインターネットや一部の施設にて処方されています。
この 『シルデナフィル錠』 シリーズはバイアグラ錠と違い様々な色や形のものが有るので、 錠剤自体の色や形から厚労省認可、正規のものを判別するのは難しいかと思われます。 そこで以下に、正規の 『シルデナフィル錠』 とそのニセモノを鑑別する簡便な方法を記載させて頂きます。
厚生労働省認可、正規のシルデナフィルシリーズとそのニセモノを判別するには、 まず 『記載されている名称』 の確認がとても重要です。 正規のシルデナフィルシリーズには、まず名称の頭にバイアグラの成分名である 『シルデナフィル』 、 そして名称末尾のカッコ内に 『生産企業名の略称』 (東和薬品なら「トーワ」、 陽心堂なら「YD」) が、必ず記載されています。 こうした名称ルールに則っていないもので、バイアグラのジェネリックもしくはシルデナフィルを名乗っているものは、 まずはニセモノを疑われて下さい。
また上記、ファイザー株式会社 『バイアグラ錠』 と一緒ですが、 ニセモノとの判別上は、薬剤シートの裏面の確認がとても重要です。 本物は 『ニトログリセリンなどの硝酸薬と本剤は併用できません』 という注意書き、 また製剤管理のバーコードなどが、上記の 『正しい名称』 と共に、必ず記載されています。 このシート裏面に何の記載もない、もしくは文字があっても英語などの外国語のみのものは、 基本ニセモノを疑われて下さい。
バイアグラの公式ジェネリック 『シルデナフィル錠』 シリーズは、厚生労働省認可、正規のものに関しては、 『ファイザー株式会社バイアグラ錠』 と性能は全く同じながら、処方価格はかなりリーズナブルになっているので、 現在、錠剤型バイアグラ系統の処方においては主流となっています。
こちらでは、厚生労働省認可、正規バイアグラ系統の3種類から、 バイアグラ系統の中では、最新の剤形である、ファイザー株式会社 『バイアグラODフィルム』 についての解説をさせて頂きます。
ファイザー株式会社 『バイアグラODフィルム』 は日本では2016年から処方が開始されている最新型のファイザー社バイアグラです。 錠剤型バイアグラの発売から17年経過したリニューアルになります。
写真のように薄いシートに製剤が入っております。 薬剤の本体は、ぺらぺらの薄いピンク色で、 こちらは、オブラートのようにお口で溶かせる素材となっています。 この薄い剤形は、お財布に挿入したりと、携帯の利便性を考えてのものになります。
最新の剤形という事もあって、今だニセモノは少ないですが、今後、増えていく可能性もあるので、 上記薬剤同様に、そのニセモノとの鑑別点を以下に記載させて頂きます。
厚生労働省認可 正規のファイザーバイアグラODフィルムの包装外観は、
上記写真のように紺色長方形で、中の製剤は薄いピンク色です。
バイアグラ錠同様に、ニセモノとの鑑別点で重要なのは、薬剤シートの裏面で、
本物のファイザーバイアグラODフィルムは
『服用直前に取り出す、ニトログリセリンなどの硝酸薬と本剤は併用できません、バイアグラODフィルム50mg』
という文字、薬剤管理のバーコードが記載されており、また上部には製品のシリアル番号と消費期限が打刻されています。
添付文書などの解説上では、バイアグラ錠と 『バイアグラODフィルム』 の記載内容は、ほぼ変わりませんが、 継続して使用してるユーザーからのご意見では 『バイアグラODフィルム』 は従来の錠剤型バイアグラ系統よりも、 薬効の出現が早い、また薬効自体が高いという評価も有ります。
現在 『バイアグラODフィルム』 は、従来の錠剤型バイアグラ系統より高性能であること、また携帯のしやすさ等の利便性から、 安値でまさるバイアグラの公式ジェネリック 『シルデナフィル錠』 シリーズを相手に、 互角の勝負を続けている状況です。
以上、バイアグラ正規のもの3種類、 ファイザー株式会社の 『バイアグラ錠』 、複数の会社が製造しているバイアグラの公式ジェネリックである 『シルデナフィル錠』 シリーズ、 ファイザー株式会社の 『バイアグラODフィルム』 の3種の厚生労働省認可バイアグラ系統を日本性機能学会専門医が解説させて頂きました。
ニセモノの薬剤は薬理の専門家が作製している訳ではないので、
時に大きな薬害が出る事が有ります。
ニセモノの勃起不全治療剤には、くれぐれもお気をつけ下さい。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2021-05-31)
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