『気分の落ち込みでEDになる?うつ症状で起きる勃起不全症、その報告・原因・対応に関して日本性機能学会専門医が解説』

気分の落ち込みでEDになります。

  • 気分の落ち込みなど、情緒的な問題は勃起不全の原因になる
  • 日本、アメリカ、フィンランドなど世界中からこうした報告がされている
  • これらの報告では、こうした うつ症状が強いほどEDが発生しやすいと発表している
  • これは心理ストレスが脳の代謝を低下させる事で性欲をブロックしている事が原因
  • まずは うつ症状の原因を確認し、これの解決をもってEDも共に改善するかを確認すべき


『気分の落ち込み』 など、情緒的な問題はEDの原因になります。


抑うつ気分といって 『気分が落ち込んでいると表現されるような憂うつな気分』 はうつ病の中核症状の1つですが、 実はうつ病の診断には至らなくても、こうした気分の落ち込みなどの 『うつ症状』 自体が、 勃起不全症を引き起こす心理的要素として、そのリスクファクターに内包されています。


何故にこうした、気分の有り様がペニスの機能に悪影響を与えるのでしょうか? 本稿ではこうした 『気分の落ち込み』 によるEDに関して日本性機能学会専門医が、 その報告・原因・対応のそれぞれに関し、分りやすく解説をさせて頂いております。 宜しければご一読くださいませ。


<当ページの項目リスト>

  1. 【気分の落ち込みが強いと、EDになり易いという報告】
  2. 【気分の落ち込みがEDを起こす原因とは?】
  3. 【気分の落ち込みによるEDにはどう対応すべきか?】

1.【気分の落ち込みが強いと、EDになり易いという報告】

気分の落ち込みなど情緒的な問題でEDが発症すると世界中で報告されています

気分の落ち込みなどの情緒的な問題、すなわち 『うつ症状』 が強くなると、EDになり易くなるという報告は 日本、アメリカ、フィンランドなど、世界中から発信されています。


これらの研究では 『気分の落ち込み』 などのうつ症状が強い人は、 その症状と 『勃起機能の低下』 ならびに 『EDの発生率』 との間に有意な相関関係があったと報告しています。


これは気分の落ち込みなどの情緒的問題が強いと、勃起機能が低下したり、EDが発生しやすくなるという 統計的な結果を示しているものです。


また一部の研究では、逆にEDがある事で、 気分の落ち込みなどのうつ症状が出やすくなると報告しているものも有り、 このように『気分の落ち込み』 など心の有り様は、 『勃起不全の発症』 と密接な関係性が有ります。


それでは、何故に気分、つまり心の有り様が、 肉体の機能である勃起に悪影響を与えるのでしょうか?


2.【気分の落ち込みがEDを起こす原因とは?】

脳における性欲の減少がEDの原因になる。

なぜ、気分の落ち込みなどのうつ症状、つまり情緒的問題が強いと、勃起機能が低下したり、EDが発生したりするのでしょうか? これは本質的には、脳内において性欲がこうしたネガティブな気分によって押さえ込まれてしまう事が原因となります。


人間の 『性欲』 の発生は脳の視床下部という部位が中心的役割を果たしています。 著しい気分の落ち込みなど、大きな心理的ストレスは脳内の代謝機能を低下させる事で、 視床下部における性欲の発生をブロックしてしまいます。


勃起という生理現象は、脳における性欲の発生を、そのシステムの起点としている為、 うつ症状によって性欲が押さえ込まれてしまう状況自体が、 勃起機能の低下や、勃起不全発症の原因となってしまうのです。


3.【気分の落ち込みによるEDにはどう対応すべきか?】

うつ症状によるEDへの対応

気分の落ち込みによってEDが発症したと思われた場合、どのように対応をすべきでしょうか?


まず最初の対応としては、気分の落ち込みなどの 『うつ症状』 の原因をしっかりと同定し、 それを解決する、もしくは緩和する事で、勃起不全の症状も一緒に良くなるかを確認すべきです。 もし気分の落ち込みの原因に全く心当たりが無い場合は、この段階でメンタルヘルスの受診を検討すべきです。


続いての対応として、うつ症状の原因の解決によって気分の落ち込みなどが良くなっているにも関わらず、EDの症状が継続してしまう場合は、 他に糖尿病や高血圧など器質的な原因が隠れていないか、健康診断などを活用してチェックをしましょう。 気分の落ち込みによってEDが発生していると思っていても、実は隠れた糖尿病や高血圧などがEDの主因である場合も有ります。


一方、気分の落ち込みの原因が解決、もしくは緩和できない内容であったり (人間関係にある原因がある場合、解決出来ない事も多いです)、 また器質的な原因が見つからない上に、メンタルヘルスに受診してもペニスの症状に改善が見られない場合などは、 EDクリニックにおけるバイアグラなどPDE5阻害薬の処方をもって対応すべきかと存じます。



(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2020-08-11)


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