『日本人のEDの傾向。日本人の勃起不全症が増加する2つの原因に関して日本性機能学会専門医が解説』

日本人のEDの傾向

  • 日本人は傾向として、EDの有病率が高い
  • 日本人は世界平均の2倍強のED有病率
  • 更にこの有病率は増加する可能性がある
  • その原因の一つは高齢化社会がどんどん進行して来ている事
  • もう一つの原因はうつ病など心理要的因が増えて来ている事

日本人は世界平均よりもEDの有病率が、かなり高い傾向があり、 さらにこの傾向は、より増加していく可能性が危惧されています。


現在、日本には1130万人の勃起不全症の患者さんがいると想定されており、 これは日本人男性の5人に1人で、 日本の総人口から見ると約8.93%になります。


一方、世界には3億2200万人のED患者さんがいると想定されていますが、 これは世界の総人口から見ると、 日本の半分以下、約4.18%ほどしか有りません。


つまり現在の状況として、 日本人は世界平均から見てEDの有病率がかなり高い傾向があり、
そして、その傾向は今後、より増加していく可能性が危惧されています。


何が原因となって、日本人の勃起不全症は、さらなる増加が危惧されているのでしょう?
こちらのページでは、その代表的な2つの原因に関して、 日本性機能学会専門医が詳細に解説しております。


宜しければご参照下さいませ。 


<当ページの項目リスト>

  1. 【高齢化社会の進行】
  2. 【心理的要素の増加】

1.【高齢化社会の進行】

高齢化社会の進行

日本人の元々高いED有病率傾向が更なる増加を来す、 その原因に関して、最初の解説は、 日本人における 『高齢化社会の進行』 についてです。


日本は、今や人類史上類の無いレベルの高齢化社会に突入しつつ有ります。 日本の高齢化率、すなわち65歳以上の人口率は27.3%で世界一です。 そして、こうした高齢化の傾向は今後さらに増悪すると予測されています。


また一方 『加齢』 はEDの複数あるリスクファクターの中でも、最も強力なものの一つです。 すなわち 『高齢化社会の進行』 は、そのまま社会全体のEDリスクファクターの増加につながり、 結果として、日本人における勃起不全症有病率の更なる増加の原因になり得ます。


そして社会的なED有病率の増加は、結果として出生率の低下につながり、 それがさらに少子高齢化を進めてしまうという、 連鎖した悪いスパイラルを生み出してしまう可能性が有ります。


2.【心理的要素の増加】

心理的要素の増加

今後、日本人の高頻度な勃起不全傾向が更なる増加を来すという、 その原因について、 続いての解説は、日本人における、EDの 『心理的要素の増加』 についてです。


『心理的要素』 もまた、上記の 『加齢』 同様にEDの複数あるリスクファクターの一つになり、 その心理的要素の中でも、特に大きなウェイトを占めるのが 『うつ症状』 です。


実は日本人のうつ病は、1993年から2014年の間に、なんと5.5倍もの増加を示しており、 その背景としては、日本人のタイトな労働環境があると言われています。


日本人の労働環境は国際的に見て、就業時間の長さ、長期休暇の少なさなどから、 特にストレス性が高いとされておりますが、こうした労働状況は今後、更に増悪傾向にあり、 これが心理的要素を背景としたED有病率増大の原因になる事が危惧されております。



以上、日本人の高いED有病率の傾向が、 『高齢化社会の進行』 また 『心理的要素の増加』 という二つの原因によって さらに増加する可能性がある事に関して解説させて頂きました。


こうした状況を改善させる一つのカギは、 『アクティブな高齢者を増やす』 事だと思われます。


性的にアクティブな高齢者の増加は、 出生率を改善させ、結果として少子高齢化を抑制させてくれる可能性が有ります。


また、労働上アクティブな高齢者の増加は、 就労人口の拡大から、タイトな労働環境を緩和させ、 結果としてうつ症状など心理的要素の削減に働く可能性が期待されます。



(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医・糖尿病専門医:須田隆興、最終確認日:2020-05-26)


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