レビトラは食べ物の影響を受けて、 その優れた勃起改善効果を減弱させてしまいます。 特に食べ物の脂質分が多いとレビトラはその傾向が強くなります。
当ライフクリニックは一日当たり70人、
年間延べ人数で約2万5千人近くのED患者さんをフォローしていますが、
その中でレビトラは一番人気の勃起改善薬です。
レビトラはドイツの巨大製薬メーカーである
バイエル社が開発したPDE5阻害薬と言うカテゴリーの勃起改善薬で、
日本ではバイエル薬品株式会社から正規薬剤卸業を経て、
ライフクリニックに納入され、最終的にみなさんED患者さんに処方されます。
レビトラの販売元であるバイエル社はドイツのレバークーゼンに本社がある1863創業の老舗製薬メーカーです。
バイエル社は老舗でありながら、現在も大きな力を持つ製薬会社であり、
その開発薬剤はいずれも高いクオリティを示してきました。
レビトラも同様で、本邦ではバイアグラの次に処方箋医薬品としてデビューした勃起改善薬ですが、
いまやバイアグラの国内販売シェアを凌駕している状況です。
そうした状況を生み出した一因としては、
レビトラがバイアグラと明確に違った優秀な薬剤個性があるからと思われ、
特にレビトラ20㎎はもっとも勃起改善効果に優れ、また即効性があり、
かつ副作用もマイルドと非常に高機能な薬剤です。
しかしそんなレビトラも食べ物の影響でその効果を減弱させてしまう傾向は否めず、
実はそうした傾向は先行して処方開始されているバイアグラの方が強い傾向がありますが、
レビトラもまた食べ物の内容や摂取のタイミングによってはその
優れた勃起改善効果
を発揮しきらない事が折々にあります。
保健所認可の正規ED治療施設である我々、ライフクリニックには、
毎日多くのED患者さんが来院されますが、
問診をしていると性行為の前にパートナーと食べ物を摂取するのはかなり一般性が高いようで、
「処方されたレビトラがあまり効きませんでした」という話を詳細にお伺いしていると、
やはり性行為の前に摂取された食べ物、その内容と食べたタイミングが、
レビトラ効果減弱の原因になっているケースが多い様です。
ちなみに食べ物の影響以外のレビトラが勃起改善効果を減弱するケースとしては
アルコールを使用されているケースや、
年齢・罹病背景にフィットしない低用量製剤を選択されているケースなどが代表的です。
「食べ物の摂取」と「性行為」はフロイトなど精神分析の権威が提唱する所では、
これらの存在は非常に近接的な関係らしく、
ライフクリニックで皆さまからお伺いしている性行為前の状況も勘案すると、
性行為前に食べ物をとる事は、性行為の一つの前提である可能性すら感じます。
そこで本稿ではレビトラと食べ物の影響に注目し、
どのような食べ物が、どのようなタイミングで、レビトラの効果形成上良くないのかなど、
皆さまに詳細な情報を提供させて頂きたいと存じます。
本稿では
と食べ物とレビトラに関して4項目にわたり記載しております。 どうぞ、ご閲覧ください。
冒頭よりレビトラが食べ物の影響で
その優れた勃起改善効果を減弱させやすい傾向あると記載させて頂きました。
こうした状況はライフクリニックにおけるED診療上、多くお伺いする内容の一つです。
前提としてバイアグラやレビトラなどの勃起改善薬は食べ物の中の脂肪分の影響で、
体内への吸収が低下してしまう傾向があります。
すなわちレビトラの効果を十全に発揮する為には、
直前に摂取する食べ物に関してその脂肪分の量を検討するか、
空腹のタイミングでレビトラを服用する必要があると言えます。
レビトラと食べ物の影響に関しては、
バイエル社が公表しているレビトラと食べ物に関する学術報告があり、
この報告は健康な成人男子24名に標準的な食べ物を食べてもらい、
その直後にレビトラ20㎎を飲んでもらい、その影響に関して検証しています。
この場合の標準的な食べ物とは、
食べ物のすべてのカロリーにおける脂肪分の割合が約30%に設定されたものとの事です。
この検証の結果、レビトラの血中濃度に対する食べ物の摂取の影響は、
食事を食べていない人と同等つまり、ほぼ影響を受けないという結果だったとの事です。
つまりレビトラの運用上、「標準的」な食べ物ならレビトラ服用の直前に摂取しても、
その勃起改善効果には大きな影響は無いという事を示唆しています。
しかし、ここで検討しておきたいのは脂肪分の割合が約30%というのは、
果たして現代日本の「標準的」な食べ物なのか?と言う点です。
例えば、某大手ハンバーガーチェーンの主力バーガーですが、
その脂肪分の割合は総カロリーの約53%に及び、
このレビトラで検討された「標準的」な食べ物の2倍弱の脂肪量です。
しかし、この某大手ハンバーガーチェーンの主力バーガーは、
本邦で極一般的に食べられているもので、
某大手ハンバーガーチェーンの店内では子供からお年寄りまで、
これを食べている光景が日常的に見られます。
また一方、食事制限が必要な生活習慣病である「糖尿病」の食事指導上では、
食べ物の脂肪分は総カロリーの25%以下にするように指示する事が主体です。
このようにバイエル社が検討した「標準的」な食べ物の脂肪分量と、
生活習慣病患者さんの食事指導上の脂肪分量の数値が近似しているという事実は、
果たしてバイエル社が検討した「標準的」な食べ物の脂肪分量30%の食事が、
現代日本の生活習慣病ではない一般の方にとっての「標準的」な食べ物として、
表現してよいのかどうかという疑問を提起させます。
「標準的」というニュアンスの取り方にもよって来ますが、
少なくとも現代日本人が普段一般的に食べている脂肪分量はもう少し多いように思われます。
前項にて脂肪分含有量が多い食べ物が、レビトラの効果を減弱させるとご紹介させて頂きましたが、
それではどのような食べ物が実際レビトラの作用に影響しやすいのでしょうか?
脂肪分が多く、レビトラの効果を減弱させやすいと思われる食べ物をご紹介させて頂きますと、
ドーナッツ、クロワッサン、デニッシュパン、ナッツ類全般、
焼肉、ステーキ、ハンバーグ、ハンバーガー、サラミソーセージ、ポテトチップ、
フライドポテト・とんかつ・エビフライ・唐揚げ等が代表的です。
現代日本は食べ物においては脂肪分礼賛状態で、
これら脂肪含有量が多い食べ物の人気が高いのは否めない事実です。
これらは何れも非常に美味しそう、
かつ非常に我々の生活の中で一般的と言える外食の食べ物ですが、
しかし、実のところ100年もさかのぼれば、
日本人の標準的な食事内容は米・汁物・菜のもの・お魚と言ったセットアップが標準でした。
こうした標準的な和食のセットアップは脂肪分はかなり低くく、
食生活の欧米化、また食事内容のバリエーションの増加によって、
我々日本人の食生活はここ100年ほどでかなり大きく変動しています。
上記した脂肪分が多くレビトラの効果を減弱させやすいと推測される食べ物は、
レビトラの運用上も望ましくありませんが、
生活習慣病の発症・増悪予防の観点からもその摂取をコントロールすべき食べ物たちです。
しかし一歩街に出て外食の看板を見てみれば、
これらの脂肪分過多の食べ物はそのメニュー内容のほとんどをしめていると言えます。
これは現代日本人の外食における明確な現状の一つです。
それでは逆にレビトラの運用を阻害し難い食べ物とはどのようなものになるのでしょうか?
それはずばり脂肪分が少ない食べ物です。
上記【どんな食べ物がレビトラの作用に影響しやすいの?】にも記載させて頂きましたが、
実は和定食のような食べ物は脂肪分が少なく、
比較的レビトラの効果を阻害しない可能性が高いです。
その内容は上記のとおり米・汁物・菜のもの・お魚といったセットアップの食べ物です。
こうした和定食の脂肪含有量はなんと8%程度と非常に低脂肪で、
先行してご紹介させて頂いた某大手ハンバーガーチェーンの主力バーガーより、
85%も脂肪含有量が少ない事になり、今更ながら和食のすばらしさに驚かされます。
ただし脂肪礼賛の現代日本、和定食も脂肪分が多いものが、
そのメニューには増えてきているのも否めません。
和定食でも天ぷら、すき焼き、とんかつ・唐揚げ、生姜焼き等はかなりの脂肪含有量になりますので、
レビトラの作用に悪影響を与える可能性があります。
ご注意下さいませ。
以上、レビトラの効果的運用に悪い食べ物や、またその逆に影響の少ない食べ物、
またレビトラが食べ物の影響を受けやすい理由など解説させて頂きました。
冒頭でも述べましたが、精神分析上、食べ物の摂取と性行為には非常に近接した関係性があり、
それはライフクリニックにおけるED診療上でも感じる所です。
こうした「食べ物」と「性行為」の近接性は、
これらがどちらも本能的行為がゆえになのでしょうか?
こうした「食べ物」と「性行為」の近接性の影響なのか、
初めてレビトラを処方する方へ、その詳細な用法を説明している際に、
「レビトラはなるべく空腹で使用してくださいね」という指示をさせて頂く事が多いのですが、
この指導にはショックを受ける人も多くいらっしゃるようです。
また「レビトラが段々と効かなくなって来たけど、薬物耐性がついたのかなあ?」
という外来でのご相談を頂く事が多いのですが、その内容を詳細に伺ってみると、
レビトラを処方された最初の内は空腹で使用していたが、
徐々にレビトラ使用前に脂肪分に富ん食べ物を食べるようになっていたというケースが、
割と多い傾向です。
ちなみにシアリスはレビトラに比較して、
より高い比率の脂肪含有の食べ物でも薬物血中濃度が変化しないと報告されています。
だたこれはあくまでも相対的なお話しで、結局食べ物の脂肪含有量がどんどん上がれば、
現行で出ている勃起改善薬は何れも薬剤吸収上の問題が出てくる可能性があります。
性行為と食べ物のその存在における近接的関係を考えると、
今後、新規で創薬される勃起改善薬は、
食事への耐性を中核テーマの一つとしてとらえる必要性が高いように思われます。
そうした新規の勃起改善薬のデビューにおいては、
ライフクリニックから、
必ず詳細なインフォメーションをさせて頂きますのでよろしくお願い申し上げます!
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)