ルリッシュ症候群とEDの関係


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EDから考えるルリッシュ症候群などの慢性動脈閉塞

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【ルリッシュ症候群とは】
ルリッシュ症候群Leriche syndromeは動脈硬化や血栓による慢性の大動脈の閉塞が主体の疾患で、 こうしたルリッシュ症候群のような動脈硬化や血栓が原因となる慢性動脈閉塞症は勃起不全:EDを発症します。
ルリッシュ症候群の原因たる動脈硬化は糖尿病や高血圧、コレステロール高値などの脂質異常症、 喫煙などによって進行します。
ルリッシュ症候群に現れるような動脈硬化や血栓などが原因となるEDを器質的EDと呼びます。
この器質的EDに対極的なものがストレスなどが原因となって発症する心因性ED(機能的ED)になります。


【ルリッシュ症候群:動脈閉塞による勃起障害の機序】
ルリッシュ症候群などの動脈硬化や血栓等により発症する疾患が勃起不全/EDを引き起こすメカニズムを説明するに当り、 勃起の機構に関して簡単に御説明いたします。
勃起は、まず海綿体神経に興奮が伝達され、 海綿体神経の末端からアセチルコリンが分泌される事から始まります。 アセチルコリンは海綿体内の血管平滑筋を弛緩させ、その結果、動脈が弛緩拡張し、海綿体への血流が増加します。 血流が増加すると海綿体は血液を吸って膨張し、白膜内で膨張した海綿体は静脈を圧迫することで、 海綿体から体循環への返血をブロックします。 こうして海綿体には血液が蓄積し、陰茎が硬度とサイズを増大させます。
このように陰茎の勃起には動脈の血行が非常に重要であり、 こうした動脈の血行を阻害するのが、ルリッシュ症候群の原因たる動脈硬化であり、血栓になります。


【ルリッシュ症候群の原因たる動脈硬化そして血栓とは】
ルリッシュ症候群の原因たる動脈硬化とは粥腫形成、動脈壁の硝子様肥厚、 筋性動脈中膜の石灰化などを原因とする動脈壁の肥厚や弾力性の低下、また内腔の狭小化の事です。 一方、ルリッシュ症候群の別の原因たる血栓とは血液においてフィブリノゲンがフィブリンになり、 血球成分がこれに混在する事で血液が流動性を失い、 血管内で凝固を始める状態になります。つまりルリッシュ症候群のそれぞれの原因、動脈硬化にしても血栓にしても動脈内の血行を悪化させ、 器質的EDなどの血行障害が原因となる疾患を発症させます。


【ルリッシュ症候群の本態】
ルリッシュ症候群はまたの名を大動脈分岐部慢性閉塞症と言い、 その本態は動脈硬化ならびに血栓による腹部大動脈下部から総腸骨動脈領域に慢性閉塞をきたす疾患です。 こうしたルリッシュ症候群の動脈硬化は上記したように糖尿病や高血圧、 コレステロール高値などの脂質異常症、喫煙などによって進行します。 一方ルリッシュ症候群の血栓症は大動脈炎症候群などが引き起こしている事が多いとされています。 ルリッシュ症候群の主要な症状は上記した勃起不全:EDの他にも間欠性跛行、 また下肢の委縮や疼痛等が有ります。 ルリッシュ症候群の診断は血管造影などの画像検査が主体であり、 またルリッシュ症候群の治療は人工血管を使用した手術的なものが主体になります。 状況によってはカテーテルを使用した血管内治療も検討されます。 本疾患によるED/勃起不全にはバイアグラなどの勃起改善薬が奏功する事も多くあります。


【ルリッシュ症候群の血栓形成の一大原因である大動脈炎症候群とは】
ルリッシュ症候群において血栓形成の一大原因となる大動脈炎症候群とは、 大血管の炎症性肉芽腫の発生が主病態であり、比較的若年女性に発症しやすい疾患です。 その病状は大動脈炎が発症する部位によって変動します。 大動脈炎症候群が腹部大動脈下部から総腸骨動脈領域に発生し血栓形成による内腔の閉塞が発生すれば、 ルリッシュ症候群が発症します。


【器質性ED:ルリッシュ症候群などの動脈硬化性疾患以外の原因】
器質的EDはルリッシュ症候群などの動脈硬化性疾患以外にも、自律神経の障害などで発症します。 上記、勃起のシステム上で神経末端からアセチルコリンを分泌するのは海綿体神経の副交感神経成分であり、 副交感神経は交感神経とともに自律神経を構成する神経です。 こうした自律神経の障害は勃起の指令を伝達するシステムの障害を引き起こし、 器質的EDの原因になります。


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