ペニスに挿入する人工物の長期的な使用に伴う障害が報告されております。



陰茎プロステーシスの長期化に伴う合併症

シルデナフィルは新宿ライフクリニック。


【陰茎プロステーシスと長期的合併症】
昨今、陰茎プロステーシスの長期症例において、デバイスのペニスからの瘻孔を伴う脱出や、 それに伴う重症感染、デバイスの動作不良など種々の合併症が確認されています。
陰茎プロステーシスとは、詳しくは後述しますが、ペニスに人工物を手術的に挿入する事によって、 人工的にペニスに勃起状態を引き起こすED/勃起不全治療の技術で、 その挿入されるデバイスには様々なものが有ります。
しかし陰茎プロステーシスは侵襲性が有る程度想定される、人工物の移植手術である事や、 その保険外診療の手術という高額なコスト面と、 実際のED/勃起不全の改善効果のバランスなどが主因となって、 バイアグラ、レビトラ、シアリスなどの革命的なED/勃起不全治療薬が出現して以降は、 段々と陰茎プロステーシスの移植によるED/勃起不全の手術的治療は施行されなくなって来ました。
陰茎プロステーシスの移植は過去においては、 海綿体注射や、他のED/勃起不全治療が奏功しない場合の最後の砦的な治療方法でしたが、 ED/勃起不全が、血管内皮機能障害の表現系の一つとして、 糖尿病、高血圧、脂質異常症などの動脈硬化性疾患の制御や、 一酸化窒素などの血管拡張物質をコントロールするPDE5阻害薬などの使用による、 次世代の治療にシフトしてからは、その施行頻度は更に低下して来たと言えます。
そうした意味合いで、 本質的な陰茎プロステーシスの現存する主な問題としては、 これから同手術を施行するというフェーズの問題では無く、 過去において陰茎プロステーシスをED/勃起不全の手術治療として挿入した人達が、 現在も一定数存在していて、 移植されたデバイスの経年劣化や、 移植されたデバイス周辺の結合組織の経年的ストレス、 また被移植患者自体の高齢化によって、 様々な合併症を発症しつつあるという事です。
また陰茎プロステーシスはその移植・挿入に当って、被移植患者の海綿体平滑筋の一部を破壊しているために、 いよいよ経年劣化が著しい、もしくは難治性の感染の発生などを原因として、 陰茎プロステーシスとそれを構成するサブユニットなどを抜去した後は、 当然、重症のED/勃起不全になる為、陰茎プロステーシスを抜去するならするで、 出現する問題が有ります。
本項では、陰茎プロステーシスの説明ならびに、 その経年的な問題、そして被移植患者の今後、合併症の対策などに関して記載させて頂いております。 ご参照くださいませ。


【陰茎プロステーシスとは】
ED/勃起不全の手術治療目的で挿入される陰茎プロステーシスには、 様々なデバイスが有ります。 代表的にはインフレータブルタイプが有り、 これは、シリンダー、リザーバー、ポンプの三部で構成されており、 リザーバー内の充填液をポンプで押し出す事によって、ペニス内のシリンダーが膨らみ、 被移植患者が能動的にペニスを勃起状態にする事が出来るシステムです。 すなわち、その手術とは最低3つのデバイスとそれぞれをつなぐチューブの移植手術です。
一方、インフレータブルタイプに対してノン・インフレータブルタイプのデバイスも有り、 これは人工物をペニスに単独で移植するタイプのデバイスで、インフレータブルタイプのように、 ふくらます事が出来ません。 生理的な勃起をよりモディファイトしているのはインフレータブルタイプですが、 ノン・インフレータブルタイプの利点としては、手術侵襲がインフレータブルタイプに比較して少ない事と、 コスト面が比較的安い事、また外来手術も可能な所です。
陰茎プロステーシスの移植手術は、ペニスの海綿体平滑筋を破壊して上記のデバイスを挿入する事になるので、 基本的に、一回この手術を受けた場合は、このデバイスを抜去しても海綿体平滑筋は回復しないので、 抜去後は重症のED/勃起不全を合併症として引き起こします。
また陰茎プロステーシスは人体にとっては異物であり、こうした異物の挿入は異物周辺に感染合併症を起こしやすく、 またそれは化膿しやすいです。


【陰茎プロステーシスの長期化に伴う合併症の発生】
陰茎プロステーシスは人工物なので、挿入後の年数が重なれば重なる程、 やはり、それに伴う合併症は出現しやすくなります。
まず、陰茎プロステーシスを移植されるED/勃起不全の患者層は、 その時点における他のED/勃起不全治療に奏功しない、すなわち重症のED/勃起不全であり、 その年齢層は平均的に高めになります。 すなわちこうしたデバイスを挿入して長期化しているという事は、 被移植患者も高齢化している事が多く、 患者自身の経年的な肉体の老化、免疫能の低下が関連している事もあり、 その合併症はより出現し易くなっています。
上述の通り、陰茎プロステーシスには感染が合併症としてベーシカルに発生しやすくなりますが、 被移植患者の老化に伴う免疫能の低下によって、こうした感染合併症イベントはさらに増加する傾向が有ります。
また挿入された陰茎プロステーシスの周辺の組織は絶えず人工物によるストレスにさらされており、 それに非移植患者の肉体の老化が重なると陰茎プロステーシス周辺の組織にダメージが蓄積して、 結果として、瘻孔形成を合併症として発生し、挿入した陰茎プロステーシスの脱出がみられる事が有ります。 また陰茎、ならびに陰茎周囲の瘻孔は、より上述の感染合併症を増加させます。
また挿入された陰茎プロステーシスには挿入された期間に伴った瘢痕組織、 結合組織の増生などの人体側からの影響も出現し得ます。 こうした影響で特にインフレータブルタイプは個々のデバイスの機能的連携が障害化して、 陰茎プロステーシス自体の機能不全を合併症として引き起こす事が有ります。


【陰茎プロステーシスの今後】
陰茎プロステーシスの移植手術頻度に関しては、 こうした長期的な挿入に伴う合併症の顕在化なども有り、 今後、さらに低下して行く可能性が高いです。
特に低強度体外衝撃波療法やPDE5阻害薬の長期持続投与などによる、 ED/勃起不全の慢性治療が段々とその姿を示し始めている現状においては、 既に陰茎プロステーシスの移植は過去のED/勃起不全の治療方法と目されているとも言えます。
しかしバイアグラなどの投薬治療と違う点として、 すでに陰茎プロステーシスを施行されている方がいて、 その施行されているという影響は、時流と関係なく今後も継続して行き、 状況によっては、どこかで対応する必要のある事象が、今回の報告のように発生しうると言う所です。
合併症の発生に対する対策としては、基本的に陰茎プロステーシスを挿入して長期経過している症例は、 状態が安定していても、挿入してもらった泌尿器科に定期的に状態を確認をしてもらい、 今後予測される合併症の発生や、合併症が発生した時の対応に関して、 具体的な指示を頂いておくと、 特に感染などの合併症は、 比較的軽度の段階で、 医療的介入が出来る可能性が有ります。


written by バルデナフィル処方なら新宿ライフクリニック.