PDE5阻害薬|ED/勃起不全治療薬



PDE5阻害薬は勃起不全/EDの治療薬になります。

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PDE5阻害薬とはホスホジエステラーゼ5阻害薬:phosphodiesterase 5 inhibitorと言い、 勃起不全/EDの治療薬になります。 ホスホジエステラーゼとはcAMP、cGMPなどの環状ヌクレオチドと呼ばれる物質のエステル結合を加水分解する酵素になります。 PDE5阻害薬とはそのうちホスホジエステラーゼ5の作用の阻害をする事により、 特異的にcGMPの濃度を高める事が出来ます。


cGMP(サイクリックジーエムピー)とは陰茎海綿体平滑筋に多くみられる一酸化窒素の細胞内のメッセンジャー分子で、 通常はグアニル酸シクラーゼよりGTPから合成され、ホスホジエステラーゼ5によって分解されます。 cGMPは増加する事によって血管拡張物質である一酸化窒素の効果を増大させて、 陰茎海綿体平滑筋を弛緩拡張させて、 勃起の最初のアクションである海綿体への動脈からの血液流入増加を発生させて、 勃起陰茎を形成します。
つまりPDE5阻害薬はcGMPの濃度を高める事によって勃起を促す薬品なのです。


PDE5阻害薬には現在、日本にて厚生労働省から正式に処方箋医薬品 (医師の手を介して処方する事が可能な医薬品の事です。)として認可されているものが三種あり、 シルデナフィル(【商】バイアグラ),バルデナフィル(【商】レビトラ),タダラフィル(【商】シアリス) がそれに当たります。


これらPDE5阻害薬は、インターネットで喧伝されるように、とくに心臓の機能を弱める薬剤ではありません。 しかし、心臓の血管を特異的に拡張させる硝酸剤(またの名をNO供与剤とも言います。通称はニトロ) との相性が良くなく、PDE5阻害薬と硝酸剤の併用は禁忌に相当します。 理由としては硝酸剤はcGMPを産生させる薬剤で、cGMPの分解抑制からcGMPを増加させる、 PDE5阻害薬と併用すると、過剰なcGMPの増加が出現して、 結果としてcGMP増加による血圧低下が強く表れてしまうからになります。 つまり、PDE5阻害薬は特に心機能を制限する薬剤では無いのです。 心筋梗塞や狭心症で使用される硝酸剤と併用すると血圧が異常に低下してしまう特性があるという事なのです。


また、これらPDE5阻害薬は投与された後に、チトクロームP450 3A4(またの名をCYP3A4) と言う酵素によって分解され、その効果を失って行きます。 このチトクロームP450 3A4は様々な薬剤の代謝に関連した酵素になるので、 PDE5阻害薬は、この酵素を介して相性の悪い薬剤がいくつか有ります。 抗真菌剤・抗生剤の一部やHIV(エイズ)の治療薬の一部等にこの酵素を阻害する作用の薬剤があり、 こうした薬剤との併用はPDE5阻害薬の作用を増強したり、延長させたりする事があります。 また、抗結核薬や抗痙攣薬の一部などには、この酵素を誘導する薬剤が有りますが、 この場合は逆に併用によってPDE5阻害薬の作用が減弱したり、短縮したりします。


また、これらPDE5阻害薬はcGMP増加を介して血圧を下げる効果があり、 基本的に降圧剤(血圧を下げる薬剤)との併用は禁忌ではありませんが、 血圧を下げすぎてしまう可能性があるので併用注意になる事があります。 高血圧のコントロールにおいては、年々その目標値が低下して行きますが、 行き過ぎた降圧はめまいや立ちくらみの原因になったりする事があるので、 PDE5阻害薬と降圧薬の併用には注意が必要です。


ホスホジエステラーゼ阻害薬で臨床上、実用化されているものにはPDE5阻害薬以外に、 PDE3阻害薬(ホスホジエステラーゼ3阻害薬)があります。 PDE3阻害薬は、PDE5阻害薬がcGMPの分解を阻害する事で、その濃度を上げるように、 cAMP(サイクリックAMP)の作用を阻害する事で、その濃度を上げます。 cAMPは増加する事により強心薬として作用し、 心不全などの治療において大きな成果をあげています。 つまり勃起改善薬の非常に近い親戚が心不全治療に有効であるという事です。


上記のごとく、勃起改善薬であるPDE5阻害薬は、基本的には有用で無害な薬剤ですが、 併用が危険な薬剤もあります。 勃起改善薬の偽造薬の通販が横行しており、被害者が増えてきていますが、 本質的な危険は、たとえ正規流通品でも薬事法・医師法を違反して、 専門医師を介さずにこうした薬剤が市井で使用されている事になります。 併用が危険な薬剤と知らずに勃起改善薬を使用してしまうような事故も発生する可能性があります。 これら勃起改善薬:PDE5阻害薬は是非、専門医師の手で処方して頂き、コントロールされるようにして下さい。 それが一番EDには効果的であり、かつ危険な事態を避ける事ができる唯一の方法になります。


written by シアリスを新宿で.新宿ライフクリニック(東京)


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