シルデナフィルは新宿ライフクリニック。
【アルファブロッカーとは】
高血圧も前立腺肥大も、莫大な数の患者が存在する多数派疾患であり、
前立腺肥大症の患者は400万人以上、高血圧に至っては4000万人以上も患者が存在するとされています。
アルファブロッカーは、主に前立腺肥大の内尿道圧の低下による排尿障害の改善と、
血管平滑筋の収縮を抑制する事による末梢血管抵抗の減少から降圧作用を示す薬剤です。
降圧薬としてのアルファーブロッカーは、心拍数や心拍出量に対する影響が少ないなど、
ルーチンのコントローラーとして優秀な側面が多く、高血圧にも前立腺肥大にも、処方例が多い薬剤です。
アルファブロッカーは、α遮断薬ともいわれ、
アドレナリン作動性神経の興奮を抑制する事を主務とする薬剤です。
その作用は、αアドレナリン受容体を遮断する事によって発現します。
このαアドレナリン受容体には、α1受容体ならびにα2受容体が有り、
さらにα1受容体はα1Aやα1D受容体に分かれます。
これらの受容体のどれを優先的に遮断するかは、薬剤によって異なる傾向が有り、
それを反映して、その効果や副作用の発現内容に差が出現する事が有ります。
アルファブロッカーは性機能障害、特に射精障害を引き起こす危険性が有り、
挙児希望の男性への投与は、不妊症の発生を考えると、難しい薬剤とも言えます。
高血圧も前立腺肥大も性機能障害の特にEDを引き起こす可能性が有り、
EDも不妊症の発生に関連する事が有りますので、アルファブロッカーの投与が望ましいケースも有ります。
最近の報告では、アルファブロッカーの種類により、射精障害などの性機能障害の発生頻度が異なるとされています。
【アルファブロッカーと射精障害】
アルファブロッカーには、射精障害などの副作用を引き起こす可能性が有り、
男性不妊症の発生に関連する可能性も有ります。
本邦の発表では、性機能障害全体の約6%が薬剤性であるとする報告も有ります。
生活習慣病などの爆発的増加などから、複数種の薬剤を常用している人口も増加しており、
それに伴い、薬剤性の性機能障害の発生頻度も上昇傾向にあると推測されます。
性機能障害を引き起こす可能性のある薬剤は無数に上りますが、
薬剤によって引き起こされる性機能障害は、ED、性欲の減退、射精障害が代表的です。
海外での報告によると、アルファーブロッカーであるプラゾシン(ミニプレス)は、
EDを発症し得ると認知されていましたが、
その後の研究報告では、EDや性欲減退を引き起こす事は無いと報告されております。
逆に、EDの原因たる前立腺肥大や高血圧に対する治療が、
EDの改善に繋がったとする報告も有ります。
アルファブロッカーによる射精障害は、0.4%~30%発生すると海外から報告されています。
本邦で前立腺肥大症用として頻用されるアルファブロッカーは、シロドシン(ユリーフ)、
タムスロシン(ハルナール)、ナフトピジル(フリバス)が有りますが、
副作用としての射精障害はこの並び順で多いと報告されています。
シロドシン(ユリーフ)が、最もα1A受容体阻害作用を示すことから、
α1A受容体が射精障害に関与している事が、推測されています。
本邦における研究発表で、アルファーブロッカーであるシロドシン(ユリーフ)とナフトピジル(フリバス)の性機能への影響の違いを、
多施設無作為比較試験にて検討したものが有ります。
この報告によると、α1A受容体に親和性の高いシロドシン(ユリーフ)は、
α1D受容体に親和性の高いナフトピジル(フリバス)に比較して、有意に射精障害の発生、
射精までの時間の延長、オルガズムの低下を認めています。
これらアルファーブロッカーの製剤間での射精障害の発生率は違いを考慮し、使い分けることで、
ニーズと副作用発生を調整できる可能性を示しています。
α1A受容体阻害作用が強いナフトピジル(フリバス)は、尿意の過敏性を抑制し、
α1D受容体阻害作用が強いシロドシン(ユリーフ)は、排尿障害に有効と、やや薬効が異なるものの、
挙児希望の場合は、極力α1D受容体に親和性の高い薬剤を選択するのが望ましいという事になります。
男性不妊症は、少子高齢化に悩まされる本邦にとって国家レベルで重要なテーマになります。
一方、高血圧や前立腺肥大は国民の多数が罹患している国民病です。
アルファブロッカーのような優秀な薬剤の使い分けの根拠になり得るような研究は、
現状に非常にアップデートされた、歓迎すべきものであり、
新宿ライフクリニックは本テーマの続報を期待します。
【アルファ―ブロッカーのED改善効果】
高血圧と前立腺肥大症は、EDの発症要因とみなされており、
高血圧に関しては、血管内皮機能の障害や動脈硬化の進行に伴う血流障害から、
前立腺肥大に関しては、主に排尿障害から自律神経機能障害を引き起こす事で、
それぞれEDを二次的に発症させ得ます。
1130万人ものED患者がいると推定されており、患者数が多い背景には、
EDの原因となりうる高血圧や前立腺肥大のような原因疾患の存在が有るとも言えます。
そんな中で、EDの大きな原因因子たる高血圧、
前立腺肥大に伴う排尿障害、そのどちらのコントロールにも作用するアルファ―ブロッカーは、
これら疾患でEDを発症している患者にとっては、非常に望ましい薬剤のようにも思われます。
しかし、非常に事態を複雑にしているのは、アルファ―ブロッカーは勃起機能に対して好影響を与える場合もありますが、
その一方で、EDの原因薬剤として文献上報告されている一面もある事です。
排尿障害を有する前立腺肥大患者に対して、
半年以上アルファ―ブロッカーであるタムスロシン(ハルナール)を投与して、
その勃起機能の経過をIIEF5(国際勃起機能スコア)にて確認し、
統計的な有意差が投与群と非投与群との間で存在するかを検証した報告がございます。
排尿状態が明らかに改善した症例に関しては、
そうでない症例に比較して、有意にIIEF5の各スコアが改善が確認されています。
つまり、アルファ―ブロッカーによって前立腺肥大に伴う排尿障害が良く改善すると、
それに伴い勃起機能も改善する可能性が有るという事が示唆されます。
勃起という生理現象は、自律神経が大きく関与しています。
排尿も、勃起機能同様に自律神経への依存度が高い生理現象です。
前立腺肥大に伴う排尿障害(最近では下部尿路症状:LUTSとも呼称されます)は、
膀胱周囲の自律神経機能を障害する傾向が有り、
前立腺肥大による排尿障害に伴う勃起機能の低下もまた、
自律神経障害が、その本態の一つとして関わっていると考えられます。
恐らくは、アルファ―ブロッカーは、排尿障害自体を改善する事で膀胱周囲の自律神経機能を二次的に健全化し、
その影響がインポテンスの改善にも及ぶものと推測されます。
長期に考えた場合、アルファ―ブロッカーは降圧作用を有す事から、
血管内皮機能の改善することから、インポテンスの改善に関連すると思われます。
アルファ―ブロッカーは海外文献などで、インポテンスの原因薬剤として報告されている側面が有ります。 Prazosinなどによって報告されておりますが、勃起機能低下の機序に関しては不明瞭な所が多く、 インポテンスの発症には関与しない可能性が高いとする報告もございます。
アルファ―ブロッカーによる勃起機能へのプラスの効果は、
罹病背景に大きく依存した傾向があると思われ、罹病背景がまったく無い人が漫然と飲んで、
勃起機能に効果があるというものでは、本質的に異なる事がわかります。
前立腺肥大の有さない高血圧例において、アルファ―ブロッカーが勃起機能に対して、
どのような影響を及ぼすかの検証が必要と考えます。
あるいは、高血圧例に対してアルファ―ブロッカーを使用した場合、
副作用としての薬剤性EDが強調されてしまう可能性も有ります。
ED治療においては、バイアグラ、レビトラ、シアリスなどの安全性が高く、
有効な薬剤が存在しますが、逆に言うと、他の選択しに乏しく、
これらPDE5阻害薬に効果を示さない、副作用で服用できない等の患者さんに対する、
バイアグラ、レビトラ、シアリス以外の第二選択薬がありません。
故に、アルファーブロッカーのようなPDE5阻害薬とは異なった機序の薬剤の検証は、今後のED治療の洗練に、有意義と考えます。
新宿ライフクリニックは続報を期待します。
written by バルデナフィル処方なら新宿ライフクリニック.