プロペシアはある種の前立腺癌腫瘍マーカーを本来の値より下げてしまう事が有ります。



プロペシアと腫瘍マーカーの関連

プロペシアは新宿ライフクリニック。


【プロペシアと腫瘍マーカー】
プロペシアは、男性型脱毛症:AGAの専用薬で、 本邦においてはAGA用の薬剤として唯一、公式に認可されている、優れた男性型脱毛治療薬です。
プロペシアは、前立腺癌の中心的な腫瘍マーカーであるPSA:前立腺特異抗原を、 本来の値よりも低下させてしまう傾向が有り、早期癌の見逃しの原因になる可能性が有ります。
早期発見に非常に有用なスクリーニング項目が、腫瘍マーカーであるPSA:前立腺特異抗原の測定です。 この腫瘍マーカーは、早期前立腺癌の発見に有用であるだけで無く、 前立腺癌の増殖に伴い指数関数的に値が増加するとされているので、 本疾患の治療指標にも有用な検査項目と言えます。

プロペシア自体が前立腺癌の発生に関わるという報告は有りませんが、 その薬物動態によって、同疾患の腫瘍マーカーであるPSAを本来より低値に示させてしまう傾向が有り、 プロペシア内服中においては、検査項目としての前立腺癌の腫瘍マーカーには充分な注意を払う必要が有ります。 因みにこのPSAを低下させてしまう傾向は、2番目に出たAGA治療薬である ザガーロにもある傾向です。

本稿ではこのプロペシアと腫瘍マーカーであるPSAの説明や関連、そして対策に関して記述しております。


【PSA:前立腺特異抗原とは?】
PSA:前立腺特異抗原とは上述したように、 主に前立腺癌の健診的検出つまりスクリーニングに使用される、いわゆる腫瘍マーカーです。
PSAの基準値は4.0ng/ml以下で、この値を上回ると高値として認知されます。
この腫瘍マーカーは、前立腺癌の他、前立腺肥大症、急性前立腺炎などの疾患、また、 前立腺生検や前立腺触診などの手技、射精などの生理現象によっても値が上昇します。
つまり、この腫瘍マーカーは高値が、全て癌を示しているのでなく、PSA高値であった場合には、 前立腺癌の可能性を持って次の検査に移行する為の指標として使用されています。
PSAは、特異性は比較的低いですが、感度が非常に高いので、 スクリーニングに適した検査項目と言えます。

腫瘍マーカーであるPSA:前立腺特異抗原が高値になるメカニズムは、 前立腺を構成する細胞が、腫瘍や処置によって破壊される事によって、 前立腺管内のPSAが、循環血液中に流出する事で発生するとされています。
プロペシアによって腫瘍マーカーであるPSAは本来の値より低値化しますが、 男性ホルモン:アンドロゲンの影響を受けると、PSAの血中濃度は、逆に上昇する傾向が有ります。


【プロペシアによる腫瘍マーカー:PSAの低下機序とその変化】
プロペシアはそのカテゴリーを5α還元酵素阻害薬と言い、 主に、男性ホルモン:アンドロゲンの主体であるテストステロンの、ジヒドロテストステロンへの変換を阻害します。 このジヒドロテストステロンは、 前立腺上皮細胞内の粗面小胞体上におけるPSAの産生促進因子であるため、 プロペシアはジヒドロテストステロンを低下させる事で、結果として、 腫瘍マーカーであるPSAの産生を低下させてしまいます。

本邦での研究によると、プロペシアを半年服用すると、 腫瘍マーカーであるPSAの値は本来の値のほぼ半分になると言われています。 そして、プロペシアの服用を中断すると約1~2カ月で本来のPSA値の8割に戻るとされており、 おおよそ服用中断から3カ月でプロペシア投与前のPSA値に復帰すると報告されています。

プロペシアによる前立腺癌腫瘍マーカーPSAの低下、ロペシア中断後の検査値の回復に関しては、 その期間を変動させる因子も想定されています。 主要なものは、もともとの前立腺の大きさ、 腫瘍マーカー測定時の誤差(射精、検査手技、疾患の影響など)、 プロペシアに対する服用者の感受性などが影響するとされています。


【プロペシアによる前立腺癌腫瘍マーカーの変化の対策】
プロペシア服用による前立腺癌腫瘍マーカーの本来の値からの低下に対する対策ですが、 上述の報告を参考にすると、 プロペシア服用半年経過している場合は、PSAは腫瘍マーカーとして得られた値を2倍して、 評価する事が望ましいと思われます。 この補正方法は、海外においてもプロペシアの様々な臨床試験から推奨されています。

また、前立腺癌のスクリーニング目的として腫瘍マーカーであるPSAを測定する場合は必ず、 検診担当医師にプロペシア服用について言及するべきです。 情報を提示されていなければ、 検診担当医師も、腫瘍マーカーとしてのPSAの潜在的な上昇を見逃してしまう可能性が有ります。

前立腺癌の病状経過を確認されているなど、本疾患の腫瘍マーカーを頻回に計測する状況においては、 プロペシアは、本疾患発生に関与する可能性の非常に希薄な薬剤ですが、 プロペシアの服用自体が前立腺癌の経過を誤って確認させてしまう阻害因子にもなり兼ねませんので (例えプロペシアを飲んでいるという前提でデータをフォローされていたとしても)、 やはり、プロペシア服薬の中止が望ましいと思われます。

written by れびとら処方なら新宿ライフクリニック.


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