【自律神経障害による勃起不全/EDの発症】
自律神経障害はED/勃起不全を高率に合併します。
ブラッドバリー・エグルストン症候群Bradbury-Eggleston syndromeなどは、
自律神経障害を主徴の一つとする疾患で、ED/勃起不全を併発します。
陰茎はその勃起機構に自律神経の関わりが非常に濃厚であり、
自律神経障害を発症する疾患は、それ故にED/勃起不全を発症しやすい傾向があります。
発症機序は違いますが、
アンドラーデ症候群などはアミロイド沈着による自律神経の障害からED/勃起不全を併発します。
また糖尿病は微細血管障害より自律神経障害を引き起こしED/勃起不全を併発します。
【自律神経障害によるED/勃起不全発症のシステム①】
自律神経障害によるED/勃起不全の発症を説明するにあたり、
勃起のメカニズムを自律神経の作用を交えて説明いたします。
陰茎の勃起はまず中枢での興奮が、
陰茎海綿体神経などの自律神経を介して陰茎に伝わる事から始まります。
陰茎に興奮が到達する事で海綿体の血管平滑筋が弛緩し、
血管平滑筋が弛緩する事によって、動脈から海綿体への血流が増加します。
海綿体が血流の増加によって段々に膨らみ始めますと、
海綿体とともに白膜内にある静脈がだんだんに海綿体による外圧によって閉塞を始めます。
静脈が閉塞してくると、陰茎から体血流への返血がされなくなり、陰茎内に血液がストックされます。
こうして陰茎はサイズの増大と硬度の上昇を進め、最終的に勃起陰茎となります。
つまり自律神経は勃起の指令を陰茎に伝えるもっとも重要な任務が有ります。
【自律神経障害によるED/勃起不全発症のシステム②】
上記、勃起のシステム上で中心的役割を果たした陰茎海綿体神経は、
仙髄の勃起中枢からくる骨盤内臓神経で、
通称「勃起神経」から骨盤神経叢を経由して副交感神経成分を継承しており、
副交感神経、交感神経の節後繊維にて構成されています。
つまり陰茎海綿体神経は自律神経そのものと言えます。
中枢からの興奮を感受した陰茎海綿体神経は神経末端よりアセチルコリンを分泌させ、
これが血管作動性腸管ペプチドと連動して海綿体の血管平滑筋を弛緩させ、
勃起が始まります。
このように自律神経、特に副交感神経は勃起の始動に大切な役回りがあり、
この自律神経が特異的に障害される、ブラッドバリー・エグルストン症候群などは、
結果として自律神経障害によるED/勃起不全を示します。
【自律神経障害による勃起不全:ブラッドバリー・エグルストン症候群とは】
ブラッドバリー・エグルストン症候群は中年男性に多いとされる疾患であり、
慢性自律神経障害としてED/勃起不全以外にも起立性低血圧、膀胱直腸障害などが出現します。
病初期は起立性低血圧から発症する事が多く、
検査所見としては自律神経障害を判定する長時間心電図のCV-RRの低下やシェロング試験の陽性判定などが有ります。
中年期に発症する疾患として、
ED発症の因子はブラッドバリー・エグルストン症候群以外にも存在する可能性が多々あるので、
こうした中年期以降のED/勃起不全発症のケースにおいては、自律神経障害以外のED/勃起不全の器質的原因の精査ならびに鑑別が必須です。
とくに昨今、動脈硬化性によって発症するED/勃起不全は虚血性心疾患の警告疾患とされる側面もあり、
よりED/勃起不全の原因精査の重要性が増して来ています。
ちなみにバイアグラなどの勃起改善薬は本疾患のような自律神経障害ベースのED/勃起不全にも効果的である事が多いとされています。
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