【偽造ED治療薬とは?】
偽造ED治療薬(Counterfeit of ED curative medicine)は、
バイアグラ、レビトラ、シアリスの模造品を、主に指します。
インターネット通信販売を通じて購入可能な場合が多く、我が国に限らず、
世界的に勃起薬の偽物の流通が横行しており、社会問題になっております。
流通量は、正規処方量をはるかに上回るとされております。
一説では、その流通量は、正規品の2.5倍以上に上るとしています。
実際に、偽物を服用した事による健康被害、死亡例や入院例が認められており、
そのほとんどは、インターネットを利用した個人輸入代行によって通販、購入したものとされています。
勃起の悩みは、非常にプライバシー性が高く、医療機関に相談しにくいこともあり、
そうした消費者心理をついて、インターネット通販という匿名性の高い偽物ビジネスが成長し、
正規の受診形態による勃起治療薬の処方量を、凌駕している状況が生まれています。
背景には、一般病院でのバイアグラ、レビトラ、シアリスの処方が煩雑だったり、
プライバシー配慮に欠けていたりとユーザーにとっての問題が内在している事が関連していると思われます。
【違法性と問題点】
勃起薬は処方箋医薬品であるため、本来、医師の診察を受けなければ処方できない医薬品になります。
つまり、本邦では、インターネットなどの通販などの販売自体が違法になります。
厚生労働省の発表によると、日本人向けのインターネット薬局は、 95%のサイトに、無免許営業、虚偽内容記載などの複数の違法性があるとしており、 インターネットで流通している勃起薬の約60%が偽物とされています。
また、インターネットサイトにて偽造ED治療薬を販売していても、 個人輸入代行業を名乗り、ユーザーの住所に海外から薬品を直接届ければ、 ユーザーの個人責任にとなり、違法性を還元可能です。 この事も、インターネット通販が凄まじく増加した要素の一つです。
インターネットサイトで通販、購入可能なED治療薬が、残念ながらこれは偽物が殆どを占めています。
違法通販業者が、すでに違法である為、わざわざ高価な正規品を仕入れ、
皆様に提供、販売するメリットがございません。
安価に手に入る偽物を販売し、より大きな収益を上げようとするのが自然でしょう。
正規の手段で処方されるものと同じであれば、問題はもう少し小さくなった可能性も有りますが、
これら偽物は、重度の健康被害を引き起こすリスクがあります。
商用のインターネットサイトは1980年くらいから始まり、2000年代になり爆発的に増加して行きました。 現在は、インターネットサイトによる通販などの商用利用は、 既存の小売業を圧排する程の隆盛を誇っています。 インターネットと郵便事業とクレジットカード決済の組み合わせによる、 利便性と秘匿性が深く関連しており、特に対面販売で購入しにくいものは、 インターネットでの購入が主体となりつつあると言えます。
利便性を求めることは、一般的な物販に限らず、健康や生命に関与する薬剤の処方、
医療機関にも求められています。
混雑していて、長い待ち時間が有り、診察料等の付加的な請求がかかる医療機関に対して、
フラストレーションが高まってきています。
医療機関における正規の勃起薬の入手に対して、
患者がフラストレーションを感じているという事は、正に検討すべき懸案であり、
これを改善するアプローチが無いと、真に偽物追放のアクションが進展して行かない可能性が有ります。
この様な状況が、インターネットサイト通販による、偽物医薬品販売を助長して来たとも捉えられます。
【効果と死亡例を含む健康被害】
リピータ-を獲得する為に、全く効果のない品を販売するのではなく、
少量の正規品の勃起改善薬を混合するケースが、多く見受けられます。
正規品の有効成分を40~50%含有した、または、類似化合物が含有されている偽物が、
良く出回っているようです。
この為、仮に勃起改善効果が有ったとしても、偽物である可能性は否定できません。
インターネット個人輸入代行によるバイアグラ、レビトラ、シアリスの通販は違法ですが、
ある意味、問題が販売業者の違法性だけであれば、
ユーザーにとっては、海賊版DVDの如く、大きな問題はなかったのかも知れません。
重大な問題は、正規品成分以外の混合物が含有されている事です。
純度が低い医薬品が流通し、不純物によって健康被害が引き起こされる事が問題になります。
正規品に似せた色を付けるために、発色のいいインクなどが混入されているケースがございます。
また、健康被害を生じる薬物が検出される事も多数ございます。
カフェインなどはまだ良い方ですが、中には、糖尿病用の血糖降下剤が混在されており、
重症低血糖による緊急搬送例が発生しています。
恐ろしい事に、合成覚醒剤であるアンフェタミンが混合されているケースもあり、
ご本人が知らないうちに、「麻薬及び向精神薬取締法」に該当する薬剤を服用している事も有ります。
薬物依存を生じさせ、頻回に購入させることを目的としていると想像されます。
不衛生な製造現場である事が多く、
黄色ブドウ球菌や緑膿菌など病原性のある菌が検出される場合があるとも、報告されています。
その他にも、勃起薬の使用が不適応な疾患、臓器状態、服薬内容、年齢などが検討されていないので、
服薬の可否が判断できず、服用方法に関しても正しいインフォメーションが無いため、
服用量等、使用方法の過誤による薬害が発生し得る場合がございます。
それでは実際、どのような健康被害の報告が出ているのでしょうか?
軽度なものに関しては無数に有り、また、重度なものでは死亡被害も報告されています。
被害報告は留まる事がなく、死亡例を含んだ重症被害の集団発症等、続々と報告されています。
シンガポールでは、偽造勃起不全治療薬によって死亡者1例、昏睡症例2例、
重症例89例が報告されております。
この被害者数は、因果関係が特定できたものだけであって、無数の疑い例が存在します。
また、この報告以降も死亡者の発生が継続しているとの事です。
奈良県薬務局からは、偽造勃起不全治療薬を使用した方が、間質性肺炎で死亡例が報告されています。 また、同局では、偽造勃起不全治療薬との因果関係を否定できない脳血栓症の発生など、 複数の報告をしております。
日本では、偽造ED治療薬による健康被害報告自体が少なく(報告に至らないだけで被害は多数存在すると見積もられています)、
関連の可能性のある死亡事例などは散見されるに過ぎません。
バイアグラ、レビトラ、シアリスなどの正規のED治療薬を販売している各社のホームページ上でも、
こうした健康被害の実例を紹介し、偽造品の危険性をユーザーに啓蒙しておりますが、健康被害数の増加に歯止めが利きません。
【広告の掲載】
違法なインターネット通販業者は、みなさんに偽造ED治療薬を信用させようと色々な文言や方法を使用します。
それは「本物である」、「海外のED治療薬のジェネリック医薬品である」と言った語句も使いますし、
本拠地はさておき、サーバーの所在国、製品発送元国、支払先国などに、
日本やアメリカなど信頼を抱きやすい国をあえて選択している、インターネット通販業者がいます。
つまり、インターネット通販会社のホームページ情報から、販売物が正規品かどうかを判断する事は不可能です。
2010年に厚生労働省の偽造医薬品に関する広告監視指導の一環として、 インターネット上で薬事違反を、直接プロバイダー等へ情報掲載中止の対応要請が出来るようになりました。 しかし、こうした業者や不正サイトのサーバーが海外にある事が多く、日本の法律が及ばなかったり、 摘発がしにくく、思うような取り締まりが出来ておりません。
以下に、バイアグラの正規の開発・販売元のファイザー社、レビトラの正規の開発・販売元のバイエル社、 シアリスの正規の開発元のイーライリリー社、またシアリスの正規の販売元の日本新薬社の4社合同による、 個人輸入代行によるバイアグラ・レビトラ・シアリスの偽造品販売調査をベースに、 世界的現状などを私見を交えて詳述しております。 ご参照下さい。
【4社合同調査】
今回、ファイザー、バイエル、イーライリリー、日本新薬の合同で、
個人輸入代行によるバイアグラ、レビトラ、シアリスの偽造品レポートが発表されました。
日本とタイの調査会社を使用して、約20に及ぶ代表的なインターネット個人輸入代行サイトで通販可能な
勃起薬の偽造品を調査したものです。
バイアグラの偽造品に関しては、
有効成分であるシルデナフィルクエン酸塩を、少量だけ含有している不正規品が散見されたとの事です。
外見上は、不正規品は正規品と見分けはつかないものが多いとの事でした。
レビトラの偽造品に関しては、有効成分であるバルデナフィル塩酸塩水和物を含有している不正規品は無く、 勃起改善効果を有すると思われる製剤は無かったとの事です。
シアリスの偽造品に関しては、有効成分であるタダラフィルを含有している不正規品は全く無く、 その代りに、目的不明のエフェドリン(気管支拡張薬の一種)が混入されているものや、 バイアグラの不正規品同様に、シルデナフィルクエン酸塩を少量だけ含有している不正規品が見られたとの事です。
いずれの不正規品に対しても言える事は、錠剤だけで真贋を鑑定するのは、プロであっても難しく、
その反面、その錠剤をパックしたシートなどに関しては、正規品に比較して非常に粗悪なものが多いとの事でした。
また、いずれの偽造品も、有意な勃起改善効果が期待されるものは非常に少なく、
逆に、混入物による望まぬ効果や、副作用が出現する可能性が指摘されています。
これらの偽造品を扱う個人輸入代行業者のホームページは、発送元の住所、 サーバー所在国、代金支払先の国は、いずれも、実際に偽造品を生産している国とは違う場合多く、 日本や米国と記載されていても、アフリカや東南アジアである事が多いと報告されています。 アジアの片隅の薄暗い不衛生な倉庫で作られた偽造品が、正規品の2.5倍以上も流通しているのは、 極めて異常な事態と言えます。
【偽造医薬品の世界における傾向】
ED治療薬のみならず、偽造医薬品による死亡・健康被害は、世界的にも大きな問題となっており、
ナイジェリアでは、偽造された咳止めシロップによって罪のない子供たちが100人以上亡くなられています。
有害な溶媒で希釈された事が原因とされていますが、こうした事例が、偽造品バイアグラ、レビトラ、
シアリスでは発生しないとは誰も保障できません。
偽造医薬品とは、カウンターフィット薬とも呼ばれ、
「故意に、または、詐欺の目的をもって、内容や出所・期限に関して偽表示された医薬品」
とWHOなどによって定義されています。
偽造医薬品は、コピー商品による版権の侵害し、
正規の製薬企業に大きな収益上のダメ―ジを与え、新薬の開発などへの投資が抑制させます。
その結果、より良い治療薬を望む患者さんや私たちの健康を、間接的に危うくする可能性が有ります。
また、直接的に健康を害す可能性があります。
つまり、偽造医薬品が有益な状況は全くないとも言えます。
インターネット通販の利便性・匿名性に流され、利用することは、
最終的には自分たち、そして自分の家族や友人など大切な人たち、すべての健康を危うくしかねません。
偽造医薬品は、現在、世界の医薬品供給量の約1割を占めていると報告されております。
この不正医薬品の割合は、発展途上国になるほど、大きくなる傾向が有ります。
また、生産元も発展途上国である事が多く、一部の地域を中心に、
需要と供給の循環サイクルを形成している事が有ります。
偽造医薬品の販売額は、世界全体で390億ドルと推定されており、
これも世界の製薬取引の約1割強に相当する額です。
超巨大な闇のビジネスとされています。
【今、考えなければいけない事】
違法に個人輸入や通販を行う業者も悪では有りますが、需要が有るからこそ、このような業者が存在します。
消費者の意識自体にも、解決すべき問題が内在している可能性が有ります。
つまり、入手の簡便性と健康被害について、どのように受け止めるか、今一度考え直す必要がございます。
経済学的に、健康被害リスクと入手の簡便性に焦点を当てて分析した報告が有ります。
需要と供給価格と購入量を経済学的に分析した結果、
日本人は、その入手簡便性ばかりに注目し、健康被害を軽んじている傾向が示唆されています。
つまり、健康被害が発生するリスクよりも、入手の簡便性を優先している方が多いことになります。
合併症等で、健康被害リスクを評価する必要がある場合ほど、検査が必要になったりと、
入手簡便性がより悪くなります。
しかし、死亡例も報告されているため、健康被害リスクを再考する必要があると考えます。
亡くなられた方も、まさかインターネット通販で手に入れた偽造勃起不全治療薬で死亡するとは、
夢にも思わなかったに違いありません。
この思ってもいない事態が続出しているのが現状です。
健康被害リスクを過小評価せず、正規ルートによる処方をお考え下さい。
【今後の対策】
これら、ED治療薬は正規の専門クリニック、病院にて処方箋医薬品として処方して頂くのが、
一番確実な偽物ED治療薬の回避方法になります。
一般病院における利便やプライバシーの問題、また、インターネットサイトにおける安全の問題、
このどちらにも介入しなければ、偽造ED治療薬による健康被害を無くす事は出来ないと思われます。
ED専門クリニックの中には、当院のように、
ファイザー社などの偽造ED治療薬撲滅キャンペーンに協力しているクリニックも有ります。
その協力内容は、まさに一般病院における利便・プライバシーの問題を解決した、
正規のED治療薬の処方です。
医療機関における、バイアグラ・レビトラ・シアリスの入手簡便性が悪いと感じることが、
インターネット通販等を利用する理由の一つになります。
よって、この入手簡便性の改善こそは、健康被害を削減させる要の対策となる可能性が有ります。
また、正規の勃起不全治療薬の入手が簡便になれば、
偽造品による健康被害リスクの過小評価を是正する事が出来るかも知れません。
一般病院の長大な待ち時間、さらに、その後の院外薬局での長大な待ち時間、
こうした一般的にイメージできる時間の浪費が入手簡便性の悪さとして挙げられ、
また、インポテンスという非常にプライバシー性の高い悩みに対して、
病院側からの配慮が欠落している事も、入手簡便性の悪さに内包されている問題と言えます。
当院のようなED治療専門施設は、このような工夫や努力を重ねて、 安全性を維持しつつ、利便性の高さ・プライバシー保護を実現しております。 安心して、フラストレーション無く、正規品を手にする事が出来ます。 延いては、こうしたED専門クリニックの啓蒙が偽造ED治療薬の健康被害を、 削減しうる可能性が有ると思われます。
WHOは、近年、国際的な偽造医薬品対策タスクフォースを立ち上げ、不正規医薬品の撲滅に乗り出して来ています。
個人輸入代行等によるバイアグラ、レビトラ、
シアリスの偽造品対策も、段々と進んできています。
しかし、残念ながら、体制で進められる対策には、どうしても限界が有ります。
我々の「食の安全」ならぬ「医療の安全」を確保し、健康被害を防ぐ為にも、
一人一人がこうした偽造医薬品ビジネスを利用しないように注意をする事が、大切だとも思われます。
written by 新宿でバイアグラなら新宿ライフクリニック.