ペニスを強く打つと勃起が収まらなくなる?


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股間への衝撃で勃起が収まらなくなる?

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【股間への衝撃と勃起が収まらない状態】
男性であれば、股間に衝撃を受け、悶絶するような苦しみを味わった事があるかと存じます。 実はああした股間への衝撃が、ペニス周囲の血管の破綻を引き起こし、 ペニスの海綿体内への異常な血流を発生させて、 結果として勃起が収まらなくなる状態を引き起こす事が有ります。
股間への衝撃は主に陰嚢への外力が大変な痛み・苦しみを生みますが、 こうした勃起が収まらない状態は主にペニスや会陰部への衝撃が原因です。
ペニス自体や会陰部つまり股間への大きな衝撃が有り、 その後、数日を経て、セックス、オナニーや夜間勃起(いわゆる、朝立ちの事)による、 ペニスへの血流増加を契機として、 勃起が収まらない状態になる事が有り、 これは完全勃起であるよりも不完全なものとして持続する事が圧倒的に多数派です。
この状態は不完全な勃起が多いので、 痛みなどの症状が希薄な上、セックスも可能である場合が多く、 発症直後、焦って医療機関に受診すると言うよりも、 何日かこの状態が継続しているのを見て、患者自身が怖くなって医療機関に受診するという形での、 加療契機が比較的多い模様です。
海外での陰茎外傷に関連した統計調査によると、 股間への衝撃を受けて平均41.8時間後に持続的な勃起状態になり、 発症から診断を受けるまでおおよその平均時間が8.3日と算出されているとの事です。
この股間への衝撃によって勃起が収まらなくなる状態は、 ペニスの海綿体周囲の血管において外的な大きい衝撃が海綿体近傍の血管の破たんを引き起こし、 海綿体内に異常な血液の乱流が発生してしまいます。 この異常な血液の乱流が継続する事で、結果として中途半端な勃起すなわち不完全勃起が引き続く事になります。
本稿ではこの股間への衝撃によって発生する勃起の収まらない状態に関して、 その本邦での発生事例や検査、治療に関して記載しております。 どうぞご参照くださいませ。


【本邦における衝撃を契機とした収まらない勃起の事例】
股間への衝撃で発生する収まらない勃起の事例は、 日本よりもむしろ海外での報告・研究発表が多く、 本邦においては比較的希少とも言えます。
本邦で発表されている、こうした事例としては、 高所からの降下時という事例が多い傾向が有り、 高所作業の多い土建業などが職業歴では比較的多めです。
股間への衝撃で発生した収まらない勃起の発症のタイミングとしては、 会陰部(股間)へ衝撃を受けた直後では無く、 受傷数日後に持続的な勃起が始まったというケースが多数派で、 これは、上述させて頂いた海外での統計調査と本邦での事例の内容が合致しています。


【衝撃を契機とした収まらない勃起の為の検査】
股間への衝撃で発生した収まらない勃起の診断をつける為に必要なものは、 問診としては、陰茎や会陰部を打った後にタイムラグをもって発生した、 不完全勃起状態の持続の確認と、 その発症のタイミングにおいて朝勃ちやセックスなど有る事が有ります
理学所見としては、血管破たん部つまり実際に衝撃を受けた局所部分である会陰部などを、 用手的に強く圧迫する事により、 持続していた勃起状態が少し収まる事を確認する理学所見:perineal compression signがとても有用で、 本理学所見サインは、こうした状態の補助診断用として使用されています。
本状態は画像での精査が確定診断上、非常に大切です。 画像上で海綿体への血液の乱流入が有る事を確認する事がこれらの検査の目的ですが、 それにはカラードプラ超音波検査が主に臨床現場で使用されています。 他のカラードプラ超音波検査以外の画像検査としては、 造影CT検査、血管造影検査もこうした状態の画像診断目的に施行されますが、 カラードプラ超音波検査は、血管造影検査に比較して感度100%、特異度73%とも報告されており、 また侵襲性がとても低い事、アプローチが容易である事から、 こうした状態の画像検査においては、とても有用な検査であるとされています。


【衝撃を契機とした収まらない勃起の治療】
股間への衝撃を契機とした収まらない勃起は、 その経過観察例の62%以上に自然軽快が認められるとされており、 海外文献上もまずは初期治療として経過観察をするようにとレコメンドしているものが有ります。
本状態は、不完全勃起が主体であるがゆえに、経過観察時間を入れる事が出来ます。 これが完全状態になるようであれば、 4時間以上の時間経過で海綿体の線維化など重症EDの原因になるような不可逆性の病態を引き起こすので、 猶予はありません。即診断、即治療のスピーディーな診療が必要になって来ます。
本状態は不完全勃起である限りは発症、診断からしっかりと経過観察時間を挟んで、 その上で、患者の希望や初期治療が難行した場合に、 治療処置として血管塞栓術が推奨され、 血管塞栓術で状態の再発を繰り返す場合には、 手術的に原因血管の結紮術を施行する事が検討されます。
因みに、こうした状態への血管塞栓術や原因血管の結紮術には、 治療に伴う合併症としてED/勃起不全の発生の可能性が有りますが、 血管塞栓術では非吸収性素材を使用した場合、ED/勃起不全の発生は約39%、 吸収素材を使用した場合約5%、結紮術を使用した場合は約50%と報告されています。
なお自然軽快を期待した経過観察に関しては、 報告によると自然軽快を果たした症例のほとんどが、 約一か月以内で収まらない勃起の通常状態のペニスへの改善を見せているので、 診断後は最低1か月は経過観察を置く事が望ましいと思われます。


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