セチリスタットはオルリスタットよりも痩せる効果が高いと報告されております。


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オブリーンはゼニカルよりも減量効果が高いという報告

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【オブリーンと肥満症】
オブリーンは、同じリパーゼ阻害薬で既に海外を中心に処方されているゼニカルに比較して、 より高い減量効果が報告されています。 また脂肪便などの合併症に関してはより少なくなっているとも説明されており、 高い効果と安全性を両立させた理想的なウェイトコントローラーである可能性が有ります。
オブリーンは武田薬品工業株式会社から販売が予定されている、 リパーゼ阻害薬という系統の薬剤です。有効成分名はセチリスタットと言います。 これはどんな薬かと言うと、端的には食事中の油などの脂質分の体への吸収を阻害する事で、 これらの脂質分を便中に逃がす作用が主体です。 オブリーンの薬品上のカテゴリーは処方箋医薬品の肥満症治療剤になります。 つまり薬局や通販での販売が出来ないお薬で、医師の診断のもとに処方する事が可能です。
肥満は病的なレベルでなくとも、今や臨床上では、身体形状の個性では無く、 「万病のもと」として取り扱われる、準疾患状態と言えます。 肥満は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心血管疾患、 脳血管疾患、睡眠時無呼吸症候群、関節症などの整形外科的疾患、 腫瘍などの悪性疾患、肥満関連腎臓病、月経異常、妊娠合併症、脂肪肝、 高尿酸血症、痛風など非常に広範な病気の発生に深い関連が有るとされています。
しかし、肥満は準疾患状態と認識されておりながら、その治療に関して、特に本邦においては、 安全性が高く、かつ効果が顕著なものは希薄な状態が長く続いておりました。 海外ではゼニカル(オルリスタット)というオブリーンよりかなり前に開発されたリパーゼ阻害薬が、 肥満症治療目的に処方されておりましたが、本邦ではゼニカルは厚生労働省によって採用される事がなかった為、 日本においては使用が難しい状況でした。
しかしオブリーンは国内の製剤会社による日本製のリパーゼ阻害薬です。 今後は適応要件を満たす方は、今までより遥かに容易に、リパーゼ阻害薬を入手する事が出来るようになります。
本項ではオブリーンのゼニカルに勝る減量効果に関する報告を中心に、 今までのゼニカルなどのリパーゼ阻害薬の問題点、 オブリーンによる減量効果を利用したダイエットに関して記載しております。ご参照くださいませ。


【オブリーン、ゼニカルによる体重減少効果に関する報告】
これは海外における報告であり、2型糖尿病でかつBMIが平均で34以上と言う、 かなりの肥満状態にある患者さん600名を、 ①偽薬(プラセボ)、②オブリーン:セチリスタット40mg、③オブリーン:セチリスタット80mg、 ④オブリーン:セチリスタット120mg、⑤ゼニカル:オルリスタット120㎎をそれぞれ一日3回投与するという、 6種類の群にランダムに配置し、その体重減少効果などを統計的に検討したものです。
この研究の結果として、ゼニカルもオブリーンもプラセボに比較して、 明らかな減量効果を示し、またオブリーンの減量効果には用量依存的な傾向が見られたとの事でした。 特にオブリーンの120㎎投与群は同じくゼニカルの120㎎投与群に比較してより高い減量効果をしめしたと、 報告されており、12週間、一日3回の投与でゼニカル120mgが平均で3.78kg減量したのに対して、 オブリーン120mgは平均4.32kg減量したとの事でした。


【リパーゼ阻害薬の今までの使用上の問題点】
ゼニカルも今回、ご紹介させていただいた報告によれば、 オブリーンには及ばないものの、明かな体重減少効果、 ならびに糖尿病の改善効果が確認されましたが、 本邦においてはゼニカルが使用し難い幾つかの理由が有ります。
その理由の一つは上記したように本邦ではゼニカルが厚生労働省によって、 承認を得る事が出来なかったという背景に起因しております。
正式な承認を得ていない薬剤を本邦で入手するのは難しくあり、 その入手方法に関して、一つは保険外診療のクリニックなどで輸入された薬剤を処方してもらう事ですが、 これは非常に高価になるばかりか、副作用による実害が発生しても未承認薬なので、 あらゆる処方箋医薬品の適応下使用に付随する医薬品副作用救済制度などの救済措置が 適応外になってしまう事など複数の問題が潜在しております。
またゼニカルの入手方法に関しては、インターネットを利用した通信販売なども存在しますが、 本質的にはこれは個人輸入で、本物かどうかも検証出来ないものを口に入れる事になり、 効果が見られない事や健康被害の発生が高いレベルで危惧されます。 基本的に個人輸入の形態をとっている場合は、 なんらかの問題が発生した場合には輸入した本人である使用者に責任が発生すると言われております。
またゼニカルが使用しにくい理由は他には、脂肪便の高頻度発生に有ります。 脂肪便は食物中に含有されていた油などの脂質分が肛門を介してリリースされれる状況において、 油の排出が顕著な状態を指しますが、 これは通常の排便、放屁とは感覚が違う為に、 ともすれば便失禁になってしまう恐れが有ります。 オブリーンに関しては脂肪便の発生はゼニカルに比較して低頻度とされている為、 脂質含有量が高度な食事の場合には十分な注意が必要ですが、 それに該当しない状況においてはレギュラーユースし易い薬剤と言えます。


【オブリーンを利用したダイエット】
オブリーンの使用は120㎎の錠剤を一日食事の直後に三回服用するだけですが、 本剤にアレルギーを示す方、妊婦さん、小児、慢性吸収不良症候群・または胆汁うっ滞の患者さんに、 本剤は使用する事は出来ません。
オブリーンは上記の報告の通り、高度な安全性と高い減量効果を両立させたクオリティの高い減量薬です。 しかし人間の肥満に関連する因子には脂質以外にも糖質などが有ります。 オブリーンを飲んでいても大量の糖質を毎日摂取していたり、 極端に運動量が少ない状況においてはその減量効果が見られない事も十分に考えられます。
オブリーンを利用した減量効果を十分に発揮するには、 やはり糖質などの摂取量を適正化したり、 ある程度の運動を取り入れる事もとても大切です。 しかし、オブリーンの示す脂質の吸収制限による減量効果は上記にて紹介した報告上も、 非常にインパクトのあるものです。 正式なオブリーンの販売が非常に待ち遠しくあります(本稿は2013/12/3時点の記事になります。)。
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)


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