生殖堤と性分化



生殖堤と発生


【生殖堤とは】
生殖堤genital ridgeとは、胎生4週の胎児の背側腸管と中腎の間に出来る左右対称性の縦に走る隆起です。
生殖堤は、間葉組織と体腔上皮で形成され、最終的に原始生殖索を形成して、原始生殖細胞を取り込み、 性腺の原基である未分化性腺を形成するに至ります。
つまり生殖堤とは、性腺を分化する上で非常に重要な組織になります。


【生殖堤が形成する原始生殖索とは】
生殖堤が形成する原始生殖索とは、 内部の間葉に向かって伸長した細胞索で、性染色体の核型がXYの場合には、 Y染色体にある精巣決定因子によって原始生殖索はどんどんと増殖を重ねて行って、 最終的には原始生殖細胞を取り込んで精巣の原基である、 精巣索を形成します。 性染色体の核型がXXの場合には原始生殖索は増殖はなされず、だんだんと退化し、最終的には消失します。


【生殖堤が原始生殖索に分化して取り込む原始生殖細胞とは】
生殖堤が原始生殖索に分化して取り込む原始生殖細胞とは、 男性そして女性の配偶子を形成する精祖細胞や卵原細胞の元になる細胞になります。 原始生殖細胞は胎児の胎生第三週の末に出現して、胎生第5週始め頃に生殖堤に到達します。 精祖細胞は精母細胞形成・精子形成の過程を経て精子になり、 卵原細胞も二回の減数分裂の果てに卵子になります。


【生殖堤の障害】
胎生期において生殖堤など性腺の形成段階に障害がある場合には、 最終的に性ホルモン分泌不全から男性更年期障害やEDなどの原因になる場合があります。


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