膣内での射精の障害がカウンセリングなどの総合的アプローチで改善したと報告されています。


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セックスセラピーによる膣内射精障害の治療

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【膣内射精障害とセックスセラピー】
膣内射精障害、つまり自慰行為などでは射精に至れるも、 性交において女性の膣内で射精が出来ないという射精障害が有り、 これをセックスセラピーつまり、カウンセリング、自慰行為の指導、メンタルヘルス的アプローチなどで、 改善に成功したという報告が有ります。
膣内射精障害は上記のとおりオナニーなどでは射精に至るのに、 セックスでは射精に至れないという状態で、 これは男性が原因となる不妊症である男性不妊の一つの原因として現在認識されています。
膣内射精障害はなんらかの器質的な障害によって発生するというよりも、 長年の自慰行為による習慣的なものが原因であったり、 または心理的なものが原因であったりするケースの方が多く、 自慰行為では射精に至れるという意味合いにおいて、 射精機構などの生理学的な機能は問題ない事が多い傾向が有ります。
男性の射精機構は本質的に生物学的には、 女性の膣内で機能するべく存在していますが、 頻回に加えられる射精に至る為の刺激が、 本来のセックスと乖離したもので、またそれが長期的に継続する事で、 肉体と精神が後天的にそれを反復学習して行きます。 その結果、本来あるべき射精に至る為の刺激、 つまり通常のセックスによるペニスへの刺激が、 射精に至る刺激となり得ない状況、膣内射精障害が発生し得ます。
逆に言えば、器質的な障害のもとに発生しているのでは無く、 その機構自体は健全である事が多いので、 その病態の発生システムにフォーカスした薬剤や治療で効果の高いものは希薄であり、 膣内射精障害は治療が難行する事が多い傾向が有ります。
日本人は国際的にもセックス離れが非常に進行している民族であり、 こうした性交頻度の希薄さ自体がセックスに不慣れな男性を作り上げる大きな土壌であり、 個人におけるセックスに不慣れな時間の長期化に応じて、 膣内射精障害の患者が増加していくという構造的な問題も有ります。
膣内射精障害の治療に関して、関連学会でも様々なアプローチで加療を検討している状況ですが、 いまだ画一的な治療方法の成立には至らない現状です。
本稿ではセックスセラピーとは何か、 またセックスセラピーによる膣内射精障害治療の報告、 そして膣内射精障害の今後に関して記載しております。 ご参照くださいませ。


【セックスセラピーとは】
セックスセラピーとは、現在、明確な定義や体系が固まっているものでは無いと思われますが、 共通認識としては、セックスにおける問題を、心理的、 かつ指導的に解決していくカウンセリングベースの治療体系の事で大きく間違いは無いと思われます。
今回は膣内射精障害におけるセックスセラピーを中心に記載させて頂いておりますが、 女性の性交痛に関して、また男性の早漏、遅漏に関してなど、 セックスセラピーの応用範囲はとても広範と言えます。
またセックスセラピーの内容も、対象とする障害に合わせて非常に可変的であり、 また集学的です。 セックスセラピーは介入と指導の連鎖で状況を好転させるものなので、 その結果は一朝一夕に出るものでは無く、 結果をだすのに、ある程度の期間が必要になる事がほとんどです。
膣内射精障害だけでなく、膣内射精障害以外の性交障害に対してもそうですが、 まずは現状の深い把握の為にも、時間をかけた詳細な聞き取りがセックスセラピーの基本にあります。
その上で明らかにオナニーの習慣的影響によって発生している、 膣内射精障害に対しては、昨今ではマスターベーターを利用したオナニーの指導によって、 膣内の感覚に、本人がしている自慰行為の刺激の質を近づけていくアプローチがおこなわれています。
時間をかけて刺激の質を調整していく過程においては、 妻への気持ちや挙児・妊娠に対するプレッシャーなど、 心理面の調整の必要性が顕在化する事も有ります。 あるいは症例によってはこうした心理面が、 むしろ主体である場合も少なくありません。 こうした状況に対しては、 認知行動療法などのメンタルヘルス的なアプローチが検討される事が多く有ります。
また膣内射精障害の原因が性交途中で発生する、 ED:勃起不全である事も有り、 こうした状況は「中折れ」とも表現される事が有りますが、 こうした状態にはセックスセラピーよりも、 バイアグラ、レビトラ、シアリスなどの、 PDE5阻害薬が効果的である事が多いとされています。


【セックスセラピーによる膣内射精障害治療の報告】
症例はオナニーの経験が無く、 42歳にいたるまで性交の機会が無かった挙児希望の男性で、 夢精が定期的に確認されるなど、射精機構の機能上の問題は無いとの事でした。
この報告によると、セックスセラピーとして、 上記いたしました詳細なカウンセリング、 マスターベーターによる自慰行為の指導、 そして妻に対する責任転嫁などの心理的問題を認知行動療法にて調整し、 その結果、セックスセラピーのアプローチ開始から10か月で膣内射精障害の治療に至ったとの事でした。
このようにオナニーの習慣的影響でなく、 性交経験の長期的な希薄さも膣内射精障害の原因と成り得、 またその治療には長い時間と根気を要する事が多いと言えます。


【膣内射精障害の今後】
日本人のセックス離れの現状は上記した通りですが、 更なる問題は、この傾向が今後も進行する可能性が高いと言う可能性です。
とくに昨今の若年者におけるセックス離れは、 特に都市部を中心として既に顕在化している問題とも言え、 少子高齢化という構造的問題を抱える本邦においては、 解決を急ぐべき社会的問題でもあります。
日本における性教育の形骸化は以前からの傾向ですが、 ネット情報の氾濫する現代日本においては、 性教育が教育機関で施行される年齢にはすでに、 歪曲された性に関する情報を子供たちが所持してしまっている可能性はとても高く、 これがさらに性教育の形骸化を更に促進させている可能性が危惧されます。
北欧の性教育などは、非常に先進的ではあるものの、 我々日本人からすると奇異に見える部分、 また風土、気風的に相いれない部分も有るかと思われ、 そのシステムのみをそのまま輸入し、本邦にて使用する事は若干難しいとも思われます。 しかし日本人のセックス離れは、社会として対策に乗り出すべきレベルにあると思われ、 その解決には教育的アプローチが不可欠と思われます。
各国の性教育を深く検討し、 それを日本人の現状や心情に合わせてオーダーメイド的に調整し、 正しい性の有り様を若年者に啓蒙する。 これは性機能障害が少子高齢化に悪影響を及ぼそうとしている現状の日本において、 どうしても必要な教育のパラダイムシフトの一つなのかも知れません。
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)


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