【精巣上体結核とは】
精巣上体結核tuberculosis of epididymisとは男性の性器結核感染症の代表的疾患であり、
血行性に結核感染が精巣上体に移行し精巣上体結核が発症する場合と、
尿路系の結核感染から管腔性に結核感染が移行し精巣上体結核が発症する場合とが有ります。
精巣上体結核は進行すると精巣に結核感染が上行する場合があり、
精巣結核=結核性精巣炎を引き起こす事があります。
本疾患は時に精巣上体炎と鑑別が必要になります。
【精巣上体結核の精巣上体とは】
精巣上体結核の精巣上体とは精巣の後ろに付着している精巣付属器の一つになります。
精巣上体は内部に精巣上体管を内包していて、この精巣上体管は精子の通路である精路の一部になります。
精巣上体は精子の搬送だけでなく、精液の液体成分である精漿の一部の産生も行っています。
【精巣上体結核・精巣結核の「結核」とは】
精巣上体結核・精巣結核の「結核」とは、
結核菌の感染によって発生する感染症になります。
結核は初期感染においては基本的に肺に感染が発生し、
これを一次性結核と呼びます。
一次性結核は治癒した後で、結核菌が再度増殖して二次性結核になる場合があり、
精巣上体結核や精巣結核などの性器における結核はこの二次性結核である場合がほとんどになります。
こうした結核感染を孤立性臓器結核もしくは肺外結核とも称します。
精巣上体結核も精巣結核も結核菌の初期感染によって発症する事は非常にまれです。
【精巣結核とは】
精巣上体結核から精巣にさらに結核感染が上行する事があり、
この状態は精巣結核=結核性精巣炎tuberculous orchitisと呼ばれます。
精巣結核は精巣上体と精巣の境界がその腫瘤形成によって判別しにくくなります。
【精巣結核の精巣とは】
精巣とは一個13g前後ほどの臓器で、男性の陰嚢に包まれて一対に存在します。
精巣の周囲は白膜によって被覆されていて、白膜は精巣周囲を被覆するだけでなく、
精巣内部に入り込み、精巣内部を小葉の単位に区分します。
精巣は男性の性徴や機能を司る男性ホルモンのテストステロンを産生する内分泌臓器であり、
生殖における配偶子である精子を産生する性腺でもあります。
精巣結核は上述の通り、精巣後部の上縁から下縁にそって付着している精巣上体にまず感染が移行して、
その後精巣に至る場合がほとんどになります。
【精巣結核の理学所見】
精巣結核は精巣上体に結核が二次性の肺外結核として発症した後に発症する、いわば三次性の結核感染です。
感染が進行すると精巣と精巣上体の境界が結核による腫瘤でわかりにくくなります。
腫瘤は一塊となっており、理学所見上、体外から触れる事も多いとされています。
【精巣上体結核・精巣結核と男性不妊症】
精巣上体結核は精路の物理的閉塞から、精巣結核は精巣機能の障害から、
それぞれ男性不妊症の発生に関連する場合が有ります。
とくに長期慢性にこうした炎症状態が継続すると男性不妊症の発生頻度が上昇しやすくなります。
一方、ED:勃起不全のような陰茎の機能障害もまた、男性不妊の原因になる場合があります。
ちなみにいわゆる性器結核
とは、一般的に女性の子宮内膜における結核感染を示す事が多いとされています。
そうした性器結核は女性の不妊症の原因になる場合があり、
男性にとっての精巣結核・精巣上体結核と疾患のポジションが類似している事も一つの特徴になります。
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