腎臓の慢性的な機能障害は男性ホルモン:テストステロンの低下を招き、結果として男性の性機能障害を引き起こし得ます。



腎不全による男性ホルモン:テストステロンの分泌低下

ばいあぐらは新宿ライフクリニック。


【腎不全と男性ホルモン:テストステロンの低下】
慢性腎臓病:つまり慢性的な腎不全の患者さんは本邦にて約1300万人いるとされており、 その内、治療が必要な方が約600万人弱、また透析を導入されている方は約27万人いるとされています。 また男性性機能障害の内、EDの患者さんは本邦に1000万人近く存在するとされています。
このように莫大な罹患数である腎不全は、腎臓という局所的な臓器の障害を主体とする疾患ですが、 腎臓は実は非常に多機能な臓器であり、それを反映して、その障害は非常に多彩な症状を引き起こします。 精巣で生産される男性ホルモン:テストステロンと腎臓の間には、 一見関係性がなさそうにも思われますが、 実は腎臓の障害である腎不全は男性ホルモン:テストステロンの分泌低下を来す事が有ります。 このように腎臓の障害である腎不全は、尿の生成障害だけで無く、ホルモンなどの内分泌障害、貧血、 骨代謝異常、免疫障害、糖・脂質代謝異常など、数多くの全身症状を示します。
腎不全の内分泌障害によるテストステロンの低下は、 結果として男性の性機能障害を引き起こし得ますが、 腎不全によって性機能障害が引き起こされる原因は、テストステロンの低下単独では無く、 他にも複数の原因たる因子が有ります。
本稿では、この腎不全によるテストステロンの低下に関して、そのロジックや対策を中心に詳述しております。


【腎不全のホルモン分泌障害】
上述のように腎不全は男性ホルモン:テストステロンの分泌低下など、 ホルモンの分泌障害、つまり内分泌障害を引き起こします。
腎不全による内分泌障害は男性ホルモン:テストステロンの低下だけでは無く、 エリスロポエチンの低下やインタクト副甲状腺ホルモンの上昇なども見られます。
エリスロポエチンとは、赤血球の造血を促すホルモンで、 これは主に腎臓の傍糸球体細胞と言う所で生産されています。 これが腎不全が慢性化すると傍糸球体細胞の機能が障害されるようになり、 結果として腎不全は貧血を引き起こします。
また副甲状腺ホルモンとは、主に血中のカルシウム濃度を上げる作用と骨吸収の促進作用が有り、 このホルモンは肝臓および腎臓にて代謝されるホルモンなので、 腎不全の慢性化による機能障害の進展に従い、その血中濃度は上昇して行きます。 その結果、腎不全に伴う骨代謝異常が引き起こされます。
このように腎不全によって様々な内分泌障害が引き起こされます。 それでは今回の主題である男性ホルモン:テストステロンの分泌低下は腎不全において、 どのようなロジックで発生しているのでしょうか?


【腎不全による男性ホルモン:テストステロンの分泌低下のロジック】
腎不全が男性ホルモン:テストステロンの分泌低下を引き起こすロジックに関しては、 いくつかのものが想定されています。 これらは、結果的に精巣のライディッヒ細胞のテストステロン産生を低下させる事で、 男性ホルモン:テストステロンの血中濃度を低下させます。
そのロジックとしては、視床下部-下垂体-性腺系の異常によるものと、 プロラクチンというホルモンの血中濃度上昇によるものなどが想定されています。
視床下部-下垂体-性腺系の異常によるものの説明としては、 腎不全においてはLH-RH負荷試験におけるLH分泌の低反応が認められる事が多いという事なので、 下垂体機能障害によるテストステロン上位ホルモンの分泌異常が発生している可能性が有ると言うもので、 こうした上位性ホルモンの分泌障害が腎不全に伴う低テストステロンの原因である可能性が有ります。
またプロラクチンの血中濃度上昇によるものの説明としては、 腎不全では尿毒症性毒素によってプロラクチンの分泌抑制障害が発生しており、 その結果、血中濃度が上昇したプロラクチンがLHの受容体と結合してしまう事で、 LHの作用障害が引き起こされると言うもので、 こうしたプロラクチンによる上位性ホルモンの作用障害が、 腎不全に伴う低テストステロンの原因である可能性が有ります。


【腎不全による性機能障害の対策】
腎不全によるEDなどの性機能障害の発生に関しては、 男性ホルモン:テストステロンの分泌低下だけでは説明がつかない事も有ります。 テストステロン以外の腎不全における性機能障害の発生要因としては、 腎不全などの慢性重症疾患の存在自体がED発症に結びつくという体質性勃起不全や、 腎不全に伴う慢性的貧血による循環障害がEDを発症させていると言うものや、 腎不全の一大発症因子である糖尿病による神経障害・血流障害からEDが発生していると言うもの等が有ります。
腎不全による性機能障害の対策としては、 まず明確に低テストステロン値を示すEDの発症に関しては、 テストステロン補充療法の検討は非常に合理的です。 実際に低テストステロン値を示す透析患者に関して、 テストステロン補充療法によるインポテンスの改善が報告されています。 しかし、伏在する他のED因子が存在する事の方がむしろ多数派なので、 決定的治療方法とも言いきれない所が有ります。
他、エリスロポエチン投与による腎性貧血の改善によって、 腎不全患者のEDの改善が報告されている事も有るので、 貧血の補正も性機能障害の改善上は望ましい可能性が有ります。
また、プロラクチン分泌を抑制する作用のある薬剤:ブロモクリプチンによって、 プロラクチン値の正常化とテストステロン濃度の上昇を伴う性機能の改善が報告されており、 明確な高プロラクチン血症を伴うケースでは一考の余地が有ります。
上述した原因に対しての治療方法とは違って来ますが、 局所的血管拡張薬であるPDE5阻害薬も、腎不全に合併したEDには効果的とされています。 しかし、厚生労働省に認可されているPDE5阻害薬の内で腎不全に投与可能な製剤はほぼバイアグラのみです。 またバイアグラ も注意しながら用量調整をする必要が有りますので、専門家による処方判断が望ましいです。


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