睡眠時無呼吸症候群とEDの密接な関係

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とEDの意外な相関



睡眠時無呼吸症候群(SAS)とEDの関係


【睡眠時無呼吸症候群とは】
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome;SAS)とは、1976年にGuilleminaultによって報告されたのが始まりで、 「夜間睡眠中に、30回以上の無呼吸(口または鼻の呼吸による気流の停止が10秒以上停止)を認め、尚且つ、 REM睡眠およびnonREM睡眠でも、この無呼吸が認められる状態」と定義されています。

米国での報告では、有病率は男性4%、女性2%としてます。
睡眠呼吸障害では、有病率は男性24%、女性9%とする報告もございます。
(睡眠時無呼吸症候群と睡眠呼吸障は異なった疾患です。詳細は割愛いたします)
我が国における疾患有病率は、同程度かそれ以上とされておりましたが、最近の報告の中で、 22.3%が無呼吸低呼吸指数AHI15以上を示したとするものも有り、想像以上に有病率が高い可能性があり、 現在、日本国内でも患者が急増している疾患になります。
高度経済成長に応じて食生活が欧米化した日本では、国民の肥満化の進行が、 患者急増している一因となっています。

近年、この睡眠時無呼吸症候群を発症しているとEDを合併しやすい事がわかってきました。
また、睡眠時無呼吸症候群の原因の一つたる 肥満 自体も、独立したEDのリスクファクターになります。
肥満や生活習慣病は、それ自体がED発症リスクに関連しますので、 肥満中高年男性などの典型例では、 数多くのリスクファクターを有している可能性があります。

バイアグラシアリスレビトラなどの勃起不全治療薬を使用は、有効であると報告されています。
ただし、これら勃起不全治療薬は鼻づまりを引き起こす事があるので、注意が必要です。


【睡眠時無呼吸症候群によるEDの発症機序】
米国では、睡眠時無呼吸症候群患者の約70%弱に、EDが合併しているとも報告されており、 夜間の血中酸素濃度の低下が、EDの発症に大きく関連していると言う結果が出ております。
経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)で治療を行うことにより、EDが改善する傾向が明らかにされています。
また、重症の睡眠時無呼吸症候群の方が、経鼻的持続陽圧呼吸療法によるED改善効果が高いとされています。
血中酸素濃度の補正が、EDの改善に強く関連している可能性が示唆されます。


【症状】
自覚症状の中心は眠気ですが、勃起不全も自覚症状に含める事が出来ると考えます。
生活の質QOLを損なう可能性がござます。
集中力の欠如や夜間覚醒や体動異常、起床時頭痛、夜間頻尿などを自覚する場合もござます。

さらに、自覚症状も大切では有りますが、睡眠時無呼吸症候群の重要性は、高血圧や冠動脈疾患、心不全、脳卒中、 不整脈などを引き起こす可能性がある事です。
こちらは、生命予後に影響を与えます。
勿論、低酸素血症は、ありとあらゆる臓器に影響を及ぼすと考えられます。

睡眠中の変化は、ご本人では気付かない事ですので、ベッドパートナーからの症状の聴取も重要です。
睡眠中のいびきや無呼吸は、本疾患を疑わせます。

いびき、日中の眠気、肥満は3大徴候で有り、これを認める方は、本疾患可能性が高いので、専門医にご相談ください。


【原因】
肥満による上気道の閉塞が主な原因となりますが、顔面の形態異常、特に小顎症や下顎が後退している場合は、 仰臥位により上気道の狭小化が来たしやすいとされています。


【分類】
中枢性と閉塞性と、その混合型に分類されます。
一般的にマスメディア等で取り上げられる場合の多くは、閉塞性を指しています。

閉塞型は、上気道の閉塞によるもので、もともと顎が小さい事や肥満などで気道が狭窄することが原因です。
頻度的には、この閉塞型が多くを占めています。

中枢型は、呼吸中枢の障害によって換気運動自体が止まってしまう状態が該当します。
脳疾患や心疾患の合併例で認められる場合のあるタイプです。

混合型は、閉塞型と中枢型の両方の要素がある睡眠時無呼吸症候群になります。


【診断】
睡眠ポリグラフィーと呼ばれる、睡眠中のモニタリングが必要になります。
簡易的には、日中の眠気の指標であるEpworth Sleepiness Scale(ESS)が用いられ、 11点以上を示した場合、本症候群が疑われます。
睡眠ポリグラフィーによって無呼吸低呼吸指数AHIが5以上認めた場合、本邦のガイドラインでは、診断となります。 (本来は、睡眠呼吸障害に属します)
重症度は、この無呼吸低呼吸指数AHIでなされること多く、30以上あった場合、重症とされますが、 症状や、度の程度酸素飽和度の低下が認められるか、総合的に判断されます。


【治療】
治療法は、保存的療法と手術療法がございます。

上気道の狭窄を来たす扁桃肥大があれば、手術を優先します。
扁桃摘出術は、小児例で有効とされます。

多くの場合、治療の第一選択は、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)になります。
経鼻マスクを使用し、圧をかけて空気を送り込むことによって、上気道の閉塞を予防します。
導入可能となった患者における効果は劇的で、施行翌朝から熟眠感が得られます。
しかし、経鼻マスクからの送気によって、逆に寝つきが悪いなどの訴えが有る事も有ります。

軽症例では、減量を図る、側臥位で睡眠を取る、禁酒、睡眠薬の中止などを指導します。
専用のマウスピースの使用は、軽症~中等症例、非肥満例で有効とされ、保険適応もされています。

手術療法に、口蓋垂咽頭形成術が有りますが、効果が十分とは言えません。


【Epworth Sleepiness Scale(ESS)】
以下の問いに対して、
0点=眠ってしまうことはない。
1点=時に眠ってしまう。
2点=しばしば眠ってしまう。
3点=だいたいいつも眠ってしまう。
の点数を与え、総得点で評価いたします。
病的過眠領域は、合計点が11点以上とされています。

  • 1.座(すわ)って読書中
  • 2.テレビを見ているとき
  • 3.人の大勢いる場所(会議や劇場など)で座っているとき
  • 4.他の人の運転する車に、休憩なしで1時間以上乗っているとき
  • 5.午後に、横になって休憩をとっているとき
  • 6.座って人と話しているとき
  • 7.飲酒をせずに昼食後、静かに座っているとき
  • 8.自分で車を運転中に、渋滞や信号で数分間、止まっているとき

11~15点の方は、早い時期に専門医に診てもらうことを、お勧めします。
16~24点の方は、速やかに専門医に診てもらってください。
また、ESSは、あくまで簡易的なもので、これが正常であるからと言って、睡眠時無呼吸症候群が否定されるわけでは有りません。 実際に、ESSでは本疾患の80%以上の患者が見落とされる可能性があるとの報告もございます。


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