SSRIパキシルとバイアグラの併用は早漏治療に効果的



早漏症治療のSSRIパキシルのバイアグラの上乗せ効果

EFFICACY OF SILDENAFIL AS ADJUVANT THERAPY OF SELECTIVE SEROTONIN REUPTAKE INHIBITOR IN ALLEVIATING PREMATURE EJACULATION.
Urology. 2003 Jan;61(1):197-200.


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男性の性の問題を語る上で、射精機能は重要な問題であり、射精に問題を抱えている場合、生活の質を損ねかねません。
早漏症は、最も一般的な男性性機能障害の1つで、早漏症の有病率は、30%に及ぶとも報告されています。
早漏症は、十分な射精のコントロールができない状態とされ、男女ともに、性行為セックスの満足感に多大な影響を及ぼす問題です。 早漏症治療の目的は、射精をコントロールできる割合を増加させることにあります。
ここでは、バイアグラシルデナフィル)を、 ベースとなる一般的な早漏症治療に追加投与した場合に、早漏症が改善されるか否かが検討されています。
慢性疾患や常用薬がある者、勃起不全EDを有しているものを除外した138名(平均年齢28.7歳)にて、検討されています。

被験者に対し、“最近3カ月で、早漏と感じたことは何度ありあすか?”という質問を行っています。
そして、この質問に対する答えにより早漏症を0~8までのグレード分けを行っています。
0:早漏はない
2:時々
4:およそ2回に1回
6:ほぼ毎回
8:常に早漏症
この質問の答えが、グレード4またはそれ以上の場合(2回に1回以上は早漏を自覚)、本試験に登録されることとなっています。
また、女性膣内での射精までの所要時間は、0~3でグレード分けされています。
0:5分以上
1:3~5分
2:1~3分
3:1分以内
グレード2以上の場合(膣内に挿入後3分以内に射精に至る)、本試験に登録されています。
心因療法、行動療法などのカウンセリングを行い、リラックスの仕方、勃起、射精、膣内挿入によらない性的な愛撫法のレクチャーは、試験期間を通じて、全ての被験者に行っております。

第一の早漏症治療として、性行為セックス20分前のリドカイン外用液の陰茎への塗布を行っています。
これにて満足が得られない場合(早漏グレード4以上)は、SSRI(セロトニン選択的再吸収阻害剤)のパキシル(パロキセチン)20mgを朝1回服用を30日間継続し、その後、性行為7時間前にSSRI(パキシル:パロキセチン)の服用を指示しています。
さらに、これにても、満足が得られない場合(早漏症グレード4以上)は、バイアグラ(シルデナフィル)25mgを性行為セックス1時間前に併用服用としています。 満足が得られない場合は、バイアグラ(シルデナフィル)を、25mgから50mg~100mgと必要に応じ増量しています。
被験者には、早漏と女性膣内射精所要時間を、各治療ごとに評価してもらっています。具体的に、ストップウォッチなどで他者が計測しているのでなく、 あくまで自己申告であり、問診にて行われています。

被験者の治療前の平均早漏グレードは5.67、女性膣内射精所要時間グレードは2.9です。
31名の被験者が、リドカインの外用療法の身で早漏症の改善を実感し、平均早漏グレードは2.0、つまり早漏を時々自覚する程度に改善し、女性膣内射精所要時間グレードは0.13(多くの方が5分以上挿入が可能)に改善しています。
残り100名の被験者は、SSRI(パキシル;パロキセチン)療法に移行しています。 SSRI(パキシル;パロキセチン)に移行した42%は、早漏症グレードが2.5(時々早漏を自覚程度)に、女性膣内射精所要時間が0.28(多くの方が5分以上挿入が可能)に改善しています。
SSRI(パキシル;パロキセチン)により満足できなかった、残りの58名の被験者は、バイアグラ(シルデナフィル)の併用療法へ移行しています。
59名(97%)の早漏症被験者で、早漏症グレードが1.78(早漏を自覚するのは時々以下)へ、 女性膣内射精所要時間グレードは0.16(多くの方が5分以上挿入が可能)に改善しています。
138名の被験者のうち2名は、これらの治療法によっても、満足な早漏症の改善が認められていません。 トータルでは、98%の被験者において、早漏症の改善が認められています。
各治療法による早漏および女性膣内射精所要時間改善した場合は、その改善度合いは、概ね良好です。 各治療により早漏症が改善しない場合は、早漏症や女性膣内射精所要時間グレードなどが、特別悪いというわけでなく、各グレードと改善度等に相関は認められていません。

早漏症の定義は様々であり、決まった診断基準と言うものがありません。 概ね、女性膣内に挿入してから射精までに要する時間が1分以内とされています。 射精までの時間が1分以上であっても、たとえば2分であれば、満足感が得られているかと言えばそうではなく、早漏症でないとも言えません。
この報告では、早漏症をさらに女性膣内に挿入から射精までの所要時間を、1分以下~5分以上と細分化しているところは評価できると言えます。
また、ストップウォッチなどを使用して正確さを求めるのでなく、簡便な問診票を使用して、被験者の負担を低下させています。 正確さは損なわれますが、早漏症は、主観的な問題も多く含まれているため、これで良いのだと思われます。

早漏症は、古くは心因療法、行動療法が行われ、薬物療法としては、α遮断薬やリドカイン外用などの局所麻酔薬、SSRI(選択的セロトニン再吸収阻害剤)が有効とされています。
この報告では、段階的な薬物療法を行っています。心因療法、行動療法は、各治療群で共通です。
今回のの報告では、バイアグラ(シルデナフィル)とSSRI(パキシル:パロキセチン)の併用療法は、 リドカインによる局所麻酔やSSRI(パキシル:パロキセチン)単独による早漏症治療より効果的であったとしています。
他の報告にも、バイアグラ(シルデナフィル)により、女性膣内射精所要時間の延長効果が指摘されていますが、 今回の被験者は、良好な勃起機能を有しています。 つまり、良好な勃起機能を有していても、バイアグラ(シルデナフィル)は、早漏症に効果があることを示しています。
Balon等によって報告されたのは、射精までの所要時間は、勃起時間に関係するとしており、 バイアグラ(シルデナフィル)により勃起の質が改善すると、早漏改善効果が出現するのかもしれません。
また、バイアグラ(シルデナフィル)が有効である事は、心因性早漏症に対するプラセボ効果様の作用であり、実際の一次性早漏症には効果がないのかもしれません。

バイアグラ(シルデナフィル)の中心的な作用は、サイクリックGMPの分解を抑制することから始まる勃起改善効果です。 射精反射にも、影響を与えている可能性もございます。
フォスフォジエステラーゼと一酸化窒素NOは、脳内にも存在する事が知られ、様々な機能が指摘されています。
内側視索前野における一酸化窒素NOの活動は、交感神経の緊張を低減する事により、射精を抑制することが示唆されています。

この報告に対して指摘すべきことがございます。 一つは、プラセボ(偽薬)を対象として扱っていないため、バイアグラ(シルデナフィル)やSSRI(パキシル:パロキセチン)の効果であったのか、それとも心因カウンセリングや行動指導が奏功したのか、判断がつきません。 加えて、可能であれば、バイアグラ(シルデナフィル)単独での効果も検討していただきたかったところです。 ED治療薬自体に早漏症改善効果が指摘されており、バイアグラ(シルデナフィル)とSSRI(パキシル:パロキセチン)の併用による早漏改善効果は、そのほとんどがバイアグラ(シルデナフィル)に因るとした報告もございます。

当院では、早漏症治療には、レビトラバルデナフィル)の使用をお勧めしております。 ED治療薬の中で、レビトラが最も早漏症に効果があったとする報告があるためです。


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