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【ペロニー病とは】
ペロニー病Peyronie diseaseとは陰茎の変形が進行する後天的な疾患です。
ペロニー病はぺイロニー病、パイロニー病とも呼ばれ、本邦でのカタカナ表記の統一性がまだ有りません。
本邦での正式な病名では形成性陰茎硬化症もしくは陰茎硬化症と呼ばれます。
ペロニー病は東洋人に少なく、欧米人などの白人種に多いとされてきましたが、
日本人の発症率は従来考えられていたよりも多い可能性が指摘され始めています。
【ペロニー病発症の傾向】
ペロニー病の白人を対象にした報告では、その有病率は20%にも達するとする報告が有ります。
いままでペロニー病に関してアジア人を対象としている報告はなかったのですが、
最近になり、本邦におけるペロニー病の有病率の報告されました。
やはり、透析患者において本疾患の有病率は高く、
正常者が0.6%の有病率に対し、透析患者ではペロニー病の有病率が9.2%と報告されています。
さらに、本疾患でかつ透析をされている方は、
透析のみされている方に対して、ED/勃起不全が高率であることも指摘されています。
使用している透析液とペロニー病の発症の関連も指摘され、
酢酸(アセテート)透析液での、本疾患の有病率が高率であったとしています。
またアンジオテンシン関連の薬剤(アンジオテンシン変換酵素阻害剤など)を使用している場合、
本疾患の発症頻度は低かったとも報告されています。
【ペロニー病の発症機序】
ペロニー病は陰茎海綿体をとりまく白膜などの結合組織の増殖が進行して、
陰茎に結節もしくは板様の硬結を作り出す疾患で、この硬結が陰茎の勃起時に硬結側に陰茎を牽引し、
結果として陰茎が屈曲するので、ペロニー病が進行する事によって段々と性交が難しくなってきます。
またペロニー病の進行例では陰茎の勃起時に疼痛を伴うようになります。
本疾患は喫煙例、陰茎外傷例、前立腺癌手術例、血液透析施行例などに多く発生するとされており、
また年齢の上昇とともに本疾患の罹患率が上昇する傾向があり、
発症者のほとんどが40~60歳を中心とした中高年以上になります。
ちなみにセックスに伴う陰茎外傷を契機に発症する疾患としては、他にモンドール陰茎静脈炎などが有ります。
(詳しくはコチラ→モンドール陰茎静脈炎)
【ペロニー病の治療方法】
ペロニー病は進行性疾患の上、従来言われていた自然回復はほとんど見られないために、
治療介入が望ましい疾患になりますが、保存的な治療に有効なものが少なく、
一方、手術的治療にはデメリット発生の認識が必要になります。
保存的治療方法として有効性が認識されている主なものとしては、
Ca拮抗薬のベラパミルの硬結への直接注射やインターフェロンなどが有ります。
手術療法としてはグラフト法、プリケーション法、楔状切除術などがあり、陰茎の変形程度によって、
これらが選択されます。手術療法の適応は一年以上の罹患で、
半年以上の症状安定期があり、勃起機能が保全されていて、
陰茎の変形が性交の妨げになっている患者が対象になります。
これら手術法は術後陰茎の短縮が見られたり、変形が治りきらなかったり、
術後にED/勃起不全が発生したりする可能性があり、
ペロニー病の手術検討時にはこうしたデメリット発生の可能性について十分な説明と理解を必要とします。