女性化症候群の臨床像

女性化症候群の原因

【女性化症候群とは】
女性化症候群feminizing syndromeとは、女性化乳房など、 後天的に男性の体が女性化していく疾患の総称です。
女性化症候群の代表的な症状は、女性化乳房、陰毛・体毛の減少、精巣の萎縮などが挙げら、 その多くは、勃起不全：EDを併発します。

【女性化乳房とは】
女性化乳房とは、男性の胸部が女性の乳房のように膨らんでしまう状態です。
片側性に発生する事もありますが、多くは両側性に発生します。
脂肪組織のみの増加による男性胸部の乳房様変化は、本疾患には属さず、 偽性女性化乳房として、本疾患から区別されます。
女性化乳房は、脂肪組織の発達ではなく、男性胸部における乳腺の発達が主体となります。
本疾患は様々な原因で発生しますが、代表的には クラインフェルター症候群、 クッシング症候群、先端巨大症などの内分泌の異常疾患に伴う場合、 または、ジキタリス、スピノロラクトンなどの薬剤の副作用による場合、 特に、エストロゲン などのホルモン製剤の投与によるものが原因として多いとされています

【女性化乳房の治療】
本人が美容的に女性化乳房を気にしており、 原因治療や原因薬剤の中止をするも、状態の改善が2年以上認められない場合において、 外科手術的に、胸部の発達した乳腺を切除する事が有ります。

【性ステロイドホルモンが関連した女性化症候群】
女性化症候群の発症は、頻度的に、 前立腺癌における抗アンドロゲン療法やエストロゲンの投与、 精巣機能障害によるアンドロゲン産生の減少、エストロゲン産生腫瘍などの性ステロイドホルモンの増加や、 性ステロイドホルモンの分泌障害・産生腫瘍などが、原因とすることが多くなります。
特に、エストロゲンが女性ホルモンの代表的な性ステロイドホルモンであるため、 エストロゲンが関連して発症する女性化症候群が多いとされています。

ホルモン製剤としてエストロゲンが投与された場合、血中アンドロゲン値を低下させる生理作用を示します。
このような生理学的な効果がある為、女性化症候群を引き起こしやすくなります。

一方、血中アンドロゲンの低下は、男性更年期障害症状として勃起不全：EDを良く発症します。

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