歯周病とEDの意外な関係


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勃起機能に歯周病が及ぼす影響

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【歯周病とED】
歯周病は、昨今の報告によるとEDの発症に大きく関連していると、指摘されています。
歯周病に伴って生じる血管内皮障害が原因となって、インポテンス発症に至ると考えられています。
歯周病は、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病患者に、多く合併しているとされ、 歯周病自体が生活習慣病ともとらえられております。
日本人の成人の八割が罹患していると考えられていますので、単純に換算して、 数千万人が罹患していると考えられます。
海外の報告によると、勃起不全患者の53%が歯周病に罹患していたという報告があります。
歯周病は、我々の想像を遥かに超え、すさまじい数のEDの発症に関連している可能性も有ります。

歯周病が生活習慣病である事から、EDの発症予防、もしくは治療は、生活習慣の是正が必要です。
すなわち、歯科医師による治療だけでなく無く、 罹患者である患者本人の、日頃の自助努力が非常に大切です。

尚、歯周病に関連してEDを発症した場合も、バイアグラレビトラなどのED治療薬は、勃起改善効果を発揮します。

本項では、この歯周病と言う疾患の説明、また本疾患によるED/勃起不全の発症のシステム、 また、その治療方法等について詳述しております。


【歯周病とは】
歯周病とは、歯の周囲にある歯肉などの歯周組織における慢性的炎症です。
原因菌、本人の体調等の体の状況、習慣などの環境因子と、少なくとも3種類の因子が、 その発症に関連する多因性疾患とされます。

一例を挙げると、蓄積したプラークに細菌感染が生じ、且つ、感染者の免疫が低下しているなど感染が発症進展し易い状況が存在し、 その上で、ストレスや喫煙など感染を幇助する環境因子が存在するなど、 多因子条件下で発生いたします。

歯周病は、その病態により歯肉炎と歯周炎に分類されます。
歯肉炎とは、炎症が歯肉に限局している状態で、 さらに、歯肉増殖、プラーク性歯肉炎、非プラーク性歯肉炎に分類されます。
一方、歯周炎とは、その炎症が接合上皮の破壊によって歯肉だけでなく、 歯根などの歯の周囲全体に波及した状態で、慢性歯周炎、侵襲性歯周炎等に分類されます。
歯周炎は、歯肉炎の延長線上にある疾患です。
歯周炎は、おおよそ30歳以降に発症する事が多いとされています。

歯周病の症状は、まず、歯肉炎として歯肉に限定された発赤やハレが始まり、 進行した場合には、接合上皮が破壊されて歯周ポケットが出来ます。 さらに感染が進行し、歯周炎に至った場合、歯周ポケットから血や膿が出るようになり、 歯がグラグラするようになります。また口臭がひどくなります。 そして、最終段階では、歯が抜け落ちてしまいます。


【歯周病によるEDのメカニズム】
EDの多くの原因は、 糖尿病や高血圧などの動脈硬化性疾患による、血管内皮障害と血流障害が主体とされています。
血管内皮機能は、ペニスの海綿体平滑筋の緊張の調節に直接関連し、 勃起というシステム の起動段階に重要な役割を持ちます。
その為、血管内皮障害によってこの機能が阻害されると、EDが容易に発症します。 高血圧や糖尿病なども、この血管内皮障害を引き起こし、EDの発症原因になりますが、 歯周病もこの機能障害を引き起こします。

血管内皮障害を引き起こすメカニズムは、歯周病の進展によって歯周病菌が創部から身体内に侵入し、 血液の中を巡回することから始まります。
それによって、炎症性サイトカインなどの細胞障害物質が盛んに放出され、 血管内皮にダメージを発生させ、結果として機能障害を引き起こします。


【歯周病によるEDを防ぐために】
歯周病のコントロールが何より大事になりますが、 歯周病が生活習慣病である以上、歯科医師の治療だけでは達成し得ません。
歯科医師の治療に加えて、 患者個人の正しいブラッシング習慣などの導入、そして禁煙などの習慣の是正がとても大切です。
以下、歯周病の分類別治療方法に関して詳述します。

歯肉炎の治療に関しては、細菌感染の端緒となるプラークのコントロールが大切です。
プラークとは歯垢の事であり、この歯垢の中には1億以上の細菌が潜んでいると言われています。 歯肉炎の原因菌ですが、実は虫歯の病因でもあります。
プラークは自分では取りきれない事も多いので、時に歯科に受診して取り除いて貰う事も大切です。
その際に、ブラッシングの指導やブラッシング方法の矯正をしてもらうと、良いと思われます。

このプラークコントロールをベースに、 歯周ポケット内部の歯石の除去を進め、歯周組織の付着による歯周ポケットの閉鎖を促進させる必要が有ります。
こうした歯周ポケットの処置は、個人で全うするのは難しい為、歯科医師との連携が必要になります。


【歯周病によるその他の健康被害】
先行の海外での研究によると、歯周病の人は口腔内が健康な人に比較して、 3.29倍もEDを発症させやすいと報告されています。
しかし、この歯周病は、歯の脱落等の口腔内の障害やEDだけで無く、 その他、さまざまの疾患の発生や進展に関連するといわれています。
その一部をご紹介すると、肥満、糖尿病、また狭心症や心筋梗塞などの、 心血管疾患と濃厚な関係があるとされています。
また、低出性体重児の出生、早産の発生など、周産期にも悪影響を与えると言われており、 その悪影響はご自身だけで無く、お子さんにも及ぶ可能性がございます。
歯周病自体の炎症による直接的影響、また血中への歯周病菌の侵攻、 サイトカインなどの細胞障害物質の分泌増加などが因子として関連していると考えられています。


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