タバコ

喫煙はED発症の明確な原因の一つです



ED発症のリスクファクター」

 

タバコは血管運動と動脈硬化に悪影響を及ぼす勃起不全の危険因子です。


<当ページの項目リスト>

  1. 【タバコはED発症のリスクファクター】
  2. 【調査報告】
  3. 【タバコがED発症の原因となるロジック】
  4. 【禁煙の効果】
  5. 【勃起不全の予防】

1.【タバコはED発症のリスクファクター】

ED発症とタバコの関係性はとても深く、 実は喫煙は日本性機能学会の診療ガイドライン上も勃起不全の代表的な発症リスクファクターとして記載されています。 タバコは海綿体や陰茎の血管内皮機能障害や動脈硬化を引き起こし、 直接的なEDの発症・増悪因子として作用するばかりか、 朝立ちつまり夜間勃起現象の低下にもつながると報告されています。 一方、タバコの長期中断つまり禁煙は明確なED改善効果があると報告している研究もあります。


タバコはネイティブアメリカンの風習として始まり、 今や世界中で行われる嗜好習慣の一つとして完全に定着しています。 しかし医学技術の発達に伴い、タバコの健康被害はどんどん明確になってきており、 現在は癌、心筋梗塞、脳梗塞、呼吸不全など様々な疾患にまたがって、 その発症原因の一つとして認識されています。 そして、こうしたタバコ関連疾患の中に本章のテーマたるEDが含まれています。
ED発症を含めた喫煙の害がこれだけ啓蒙され、社会的にも分煙化が進んでいるにも関わらず、 日本のタバコを嗜好する人口は現在も男女合わせて2084万人も存在し、 これは日本人の6人に1人に相当する数です。 また男性のみの場合が1562万人になるので、これは日本人男性の4人に1人に相当し、 これは日本人男性のED発症人口1130万人をはるかに凌駕する人数です。


このタバコはEDの発症・増悪に明確に関連すると報告されており、 日本の性機能診療をけん引する日本性機能学会が刊行する診療ガイドラインにも、 代表的なED発症リスクファクター14個の中に内包されています。 我々、新宿ライフクリニックの外来においても EDとして受診される方の中にかなりの頻度でタバコを吸われる方がいらっしゃるのが確認されております。
しかし実際、患者さんと話しているとタバコがEDの発症原因にとなる事を知っている人は実の所非常に少なく、 診療上その可能性について触れると皆さんかなり驚かれるようです。


タバコの長期中断つまり禁煙はEDを改善させる効果がある事を報告している研究もありますので、 この発症リスクファクターをみなさんに詳細に啓蒙する事は、 勃起不全専門クリニックである当新宿ライフクリニックにとって、 とても意義のあるものと思われました。 そこで本稿ではこのタバコとEDの関連性について、またその発症のロジック、 禁煙の効果などに関して記載させて頂いております。 宜しければご参照くださいませ。


2.【調査報告】

タバコがEDの発症原因・増悪原因になると冒頭から記載させて頂いておりますが、 これはどのような根拠に基づいての事でしょうか?


これは複数の研究報告に基づいて判断されています。 まずマサチューセッツ男性加齢研究と言う、 男性における加齢現象を詳細に見た非常に重要かつ影響力の強い研究があるのですが、 この研究報告にて約9年間のフォロー上、 タバコを吸う人ではなんと吸わない人の2倍に及ぶ中等度から高度のED発症が確認されたとの事でした。


また他の研究ですが、海綿体動脈というのは勃起を引き起こす上で非常に大切な動脈なのですが、 これが狭窄したり閉塞したりすると結果として難治性のEDを発症します。 タバコはこの研究によると海綿体動脈の動脈硬化などによる閉塞性病変と用量相関関係にある、 つまり吸えば吸うほど海綿体動脈の閉塞性病変の程度が増悪すると報告されています。 また別の研究ではタバコと朝立ちつまり夜間勃起現象の低下にもこの用量相関関係があると報告されています。 また各国で施行されているタバコを吸う人と吸わない人のED発症におけるオッズ比の報告では、 最大2.3のオッズ比を示したとの事でした。


このようにタバコはたくさんの種類のたくさんの報告で多角的にEDの発症・増悪因子として認識されており、 こうした研究成果の積み重ねがタバコをしてリスクファクターへの登録につながったものと思われます。


3.【タバコがED発症の原因となるロジック】

上記にタバコがED発症の原因となると報告している多数の研究結果を記載させて頂きました。 それではどういったロジックでこれは引き起こされるのでしょうか?


まず第一に言える事はタバコが血管内皮機能を直接的に阻害する事によってEDを発症・増悪させるという事です。 勃起という生理現象は、性欲の発生に従った陰茎血管の弛緩拡張が引き起こされる事で始まります。 実は血管が広がったり、縮んだりする「血管運動」は様々な身体機能に関連しており、 そしてこの血管運動は内皮という血管の内側の組織が主体となってコントロールしてます。 タバコはこの勃起に重要な血管内皮に直接的な機能障害を引き起こすため、 EDの発症・増悪に関わるとされています。


続いて第二に言える事は、タバコが動脈硬化の発症・増悪因子である事です。 勃起の成立のためには、陰茎に血液を集める必要があるのですが、 この供給にかかわる血管が動脈硬化を起こして、血液の通りが悪くなったらどうでしょうか? 当然、陰茎には血液の集まりが悪くなるので、海綿体は膨らまず、結果としてEDの発症に至ります。 つまりタバコは動脈硬化の進展を介する事でも本疾患の発症に関わって来ます。


以上、大きく2重のロジックをもってタバコはED発症に関連しているのです。


4.【禁煙の効果】

タバコがEDの発症増悪因子になるという研究報告とそのロジックに関して記載させて頂きました。 それではタバコの長期中断つまり禁煙には改善効果があるのでしょうか?


ある研究では重度のタバコ習慣の方が1ヶ月中断すると、陰茎の膨張度と高度が速やかに改善する、 つまりEDが明確に改善する事を報告しています。 その一方で前出のマサチューセッツ男性加齢研究においては、 タバコの長期中断者と継続者との間で比較した所、 EDの発症率には顕著な差が出なかったとも報告されています。
いろんな解釈が出来ますが、先行する重度のタバコ習慣の方のED研究の場合、 重度の重度のタバコ習慣によって血管内皮機能が大きく障害されていたのが、 その短期的中断によって速やかに改善され、結果としてEDの直截な改善に作用したのだと思われます。


しかしマサチューセッツ男性加齢研究の場合はベースが長期的検討になるので、 長期のタバコ習慣によって作られた慢性所見たる動脈硬化がED発症の母体にあったと仮定すると、 一回発生した動脈硬化はなかなか改善し難い、 また動脈硬化を引き起こす原因はタバコ以外にも多数あるので タバコの長期中断による明確な改善効果の差を示しきれなかったのではないかと推測されます。


ガイドラインにある通り、ロジカルには心筋梗塞や脳梗塞同様にタバコは明確なED発症原因です。 マサチューセッツ男性加齢研究でも血管内皮機能などの測定を因子を加えて、 多角的にこれを検討した場合は、 おそらくタバコの長期中断によるEDの改善効果が確認されたのではないかと推測される所です。 ED患者さんで喫煙習慣のある方は、禁煙にチャレンジされる事をお勧め致します。


5.【勃起不全の予防】

以上、タバコとEDに関して、研究・発症ロジック・喫煙の長期中断の効果などに関して概説させて頂きました。


実はEDの発症は男性すべてにとって不可避とも言えます。 主観で80歳で中学生レベルの性機能を保持している人はほぼいないと、 みなさんも感じられていると思われますが、 実はタバコ以上にEDに対して最も強い影響力をもつ発症リスクファクターとして加齢が有ります。 このリスクファクターとしての加齢はその進行度の違いはあったとしても、 結果的には男性すべてに等しく影響するものです。 ゆえにEDの発症は男性によって不可避な疾患とも言えるのです。


しかしED発症の他のリスクファクターを避ける事でその発症を遅らせる事は十分に可能です。 加齢は不可避ですが、他のリスクファクターには回避できるものも有り、 タバコはある意味、その中でも最も回避しやすいED発症リスクファクターと言えます。 職場のストレスからうつ症状を引き起こし、それが原因となってEDになったとしても、 職場のストレスを回避・改善するためには、自分の行動だけでは及ばない事の方が多い様な気がします。 しかしタバコ習慣の中止は自分の行動だけで行う事が出来ます。


タバコという習慣をやめる事は大変な事かも知れません。 ですがその決定は余人の介在しない自分だけの決定で行う事が出来るのです。 タバコの習慣はED以外にも心筋梗塞や脳梗塞、また各種癌の発症原因になります。 禁煙はこれら重大疾病発症の予防になり、EDの改善にもプラスです。 禁煙にチャレンジする事は非常に大きな意義がいくつも有ります。


新宿ライフクリニックは新宿エリアのトップクラスのED治療施設として、 その外来では、ED発症とタバコの関連など様々な情報提供が可能です。 東京は新宿駅近辺にいらっしゃる時はどうぞ新宿ライフクリニックにご来院くださいませ。 スタッフ一同お待ちしております。