ドパミン受容体作動薬によるインポテンツ改善作用の検討



ドパミン受容体作動薬:カベルゴリンによるED/勃起不全治療の可能性

ばいあぐらは新宿ライフクリニック。


【カベルゴリン:ドパミン受容体作動薬とED】
カベルゴリンは、ドパミン受容体作動薬の一種で、ドパミン受容体に結合し薬理作用を示します。
EDを改善する可能性が指摘されています。
このカベルゴリンは、元来、パーキンソン病や高プロラクチン血症のコントロールの為の薬剤です。
添付文書上には、副作用として病的性欲亢進の記載があり、 本剤の性欲亢進作用は、以前より認知されていました。

本項では、カベルゴリンのED療効果の可能性に関して検討しています。


【カベルゴリン:ドパミン受容体作動薬とは】
本邦で使用可能なドパミン受容体作動薬は、6種類で、ブロモクリプチン、ペリゴルド、タリペキソール、 カベルゴリン、プラミペキソール、ロピニロールになります。
これらのドパミン受容体作動薬は、ドパミン受容体のD1もしくはD2受容体を介してドパミン様に作用します。
ドパミンとは、本来は、運動・ホルモン・意欲・学習などに関連する生理活性物質です。

本項の主役であるカベルゴリンは、D2受容体作用が主体の薬剤です。
カベルゴリンのみならず、いずれのドパミン受容体作動薬も、副作用として、 病的性欲亢進もしくはリビドーの亢進が、添付文書上に記載されています。
カベルゴリンは、本邦ではファイザー製薬がカバサール®と言う商標名で販売しています。
このカベルゴリンは処方箋医薬品なので、処方箋なしで購入する事はできません。
原則、医師の診断の元に処方されます。

カベルゴリンは、ドパミン受容体作動薬の麦角アルカロイド誘導体であり、  本来の適応は、(1)パーキンソン病、(2)高プロラクチン血症に伴う排卵障害、 外科的切除を必要としない下垂体腺腫による高プロラクチン血症、(3)産褥性乳汁分泌抑制とされています。
ただし(1)に関しては他の非麦角の製剤にて治療効果が不十分な場合が適応です。

服用禁忌は、本剤に対するアレルギーなどの過敏症、心臓の弁疾患を指摘されているもの、 妊娠中毒症の患者、産褥期高血圧の患者等とされます。

副作用に収載されている項目は多数ございますが、高頻度なのは、消化器症状、血圧の上昇等です。
また、上記のパーキンソン病の適応にも少し記述しましたが、カベルゴリン等の麦角系ドパミン受容体作動薬は、 非麦角系の製剤に比較し、心臓弁膜症、線維症の発生報告が多く、服用中は、 定期的に心臓の超音波検査等を施行する必要があるとされています。

カベルゴリンによるED改善効果は、高プロラクチン血症の改善によるか、 本剤の副作用項目の一つである性欲の異常亢進に伴うものと思われます。
本剤は、他のドパミン受容体作動薬に比較して、プロラクチンを低下させる薬理作用が強いとも報告されており、 その影響なのか定かでは有りませんが、性機能障害を改善させる作用が、同系種の他剤に比較して、 より強力であるとも言われています。


【カベルゴリンのEDに対する作用】
ドパミン受容体作動薬であるカベルゴリンのEDに対する効果は、未だ臨床研究の域を出ていません。
その作用機序は、主に二通り想定されています。
一つは、高プロラクチン血症に伴うEDに対しての作用であり、 もう一つは、高プロラクチン血症では無い状態での作用です。

高プロラクチン血症は、 もともと内分泌性EDの発症因子の一つとして知られており、 カベルゴリンは、この高プロラクチン血症を改善させる作用があるので、 それに伴うEDを改善する可能性が有ります。

一方、高プロラクチン血症を来していないEDに対しては、視床下部のドパミン神経系に作用する事により性欲を賦活して、 性欲が不足していたために発症したEDを改善しうるというものです。
しかし、このドパミンの性欲賦活作用も、プロラクチンの減少によって生じる可能性が指摘されており、 高プロラクチン血症であっても無くても、ED改善作用は、 プロラクチンの減少が関連している可能性が有ります。


【バイアグラ等のED薬との比較】
それではED/勃起不全改善の専用薬であるバイアグラ、 レビトラなどのPDE5阻害薬とカベルゴリン:ドパミン受容体作動薬のED/勃起不全に対する、 改善作用を比較検討してみましょう。
PDE5阻害薬は、性欲の高まりを切っ掛けとし、作用いたします。 局所性の高い血管拡張薬と言え、動脈硬化をベースとした血流障害によるEDから、 ストレスやプレッシャーによって発生するEDまで、広範囲のインポテンツに有効です。
逆に、効果発現に性欲の高まりが必要なため、性欲低下が原因となるEDには、 あまり効果的な薬剤とは言えません。

次に、カベルゴリン:ドパミン受容体作動薬ですが、PDE5阻害薬とは逆に、性欲障害を原因としたEDに、 効果的である可能性が有ります。
しかし、多くのEDの原因である血流障害などに対しては、ほぼ効果が期待できません。

また、継続使用においては、定期的な心臓の検査が必要など、注意項目が多い薬剤で、 ライフドラッグ としての継続使用には、問題の多い薬剤と言えます。
厚生労働省による治療適応が認可されていないことも、大きなデメリットと言えるでしょう。

これに対して、バイアグラ等のいわゆるED治療薬は、厚生労働省から認可されており、 治療実績もございます。
軽度の性欲低下から生じた勃起機能障害であれば、十二分な効果が得られます。
正しい使用を守れば、安全性も確保されております。
これらを鑑みると、現状ではバイアグラ、 レビトラなどのPDE5阻害薬の使用が、第一選択役となります。


【注意事項】
カベルゴリンは、本邦では、ED治療や性欲亢進の為の薬剤として厚生労働省によって認可されておりません。
一部の通販サイト等にてED治療薬として販売されていますが、 通販による処方箋医薬品の売買は、薬事法違反に該当し、また、”本物”が送られてくるかといった問題もございます。 常用薬が有る場合は、その飲み合わせの確認といった問題も生じます。 自己判断による本薬の服用は危険です。
服用に当っては、医師の指示を仰いでください。


ドパミン受容体作動薬以外にも、勃起を助ける可能性のある薬剤が有ります。
別項にて詳述しておりますので、ご参照下さい。
詳しくはコチラ→勃起を助ける可能性のある薬剤


written by しありす処方なら新宿ライフクリニック.

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