催淫薬/媚薬とED治療薬の誤解



媚薬/催淫薬の医学的な側面


【催淫薬と性欲】
催淫薬とは、性欲を促進させる薬剤です。

性欲とは、性行動すなわち生殖へと駆り立てる本能的欲求です。
思春期において、男性では男性ホルモンであるテストステロンの分泌増大、 女性ではエストロゲンの分泌増大とともに性欲が生じます。
人間の性中枢がこれらの性ホルモンの増大を感受し、性的欲望を生み出し、 視覚、嗅覚、聴覚、触覚、そしてイマジネーションで増大されます。
人間の性中枢は、間脳の最低部にある視床下部とされ、各感覚野からの情報の入力がなされます。

このような情動のシステムを刺激するものが、催淫薬になると思われます。

性欲の低下は、EDの原因となるので、性欲を惹起する催淫薬は、 EDを改善する可能性がござます。
ED治療に使用されるバイアグラ・レビトラ・シアリスなどのPDE5阻害薬は、 陰茎を勃起させる効果はあっても性欲を増進する薬剤ではないので、これらは催淫薬には該当しません。


【性ステロイドホルモンと催淫作用】
男性ホルモンである テストステロン、 女性であればエストロゲン などのホルモン製剤の投与は、催淫薬的に性欲の増進につながるのでしょうか?
これらが性欲の増進につながる可能性は僅かにございますが、直接的な効果はそれほど高いとも思われません。

性欲の形成には、感覚情報の入力は非常に大きな役割を演じます。
生理医学的にも、性ホルモンの分泌亢進と性欲の亢進は必ずしも一致していません。
逆に、男性更年期障害にて、テストステロンの分泌が低下した状態でも、 また、女性の閉経後にてエストロゲンの分泌が低下した状態でも、性欲は持続するとされています。
つまり、これらの性ステロイドホルモンは、性欲を形成する一因子であったとしても、 総合的かつ絶対的因子ではありません。

性ステロイドホルモン製剤は、催淫薬として使用するには危険な要素が多い薬剤です。
これら性ステロイドホルモンに感受性を示す悪性腫瘍等もあるので、 正規の医療機関で、正しい目的に対して正しく使用すべきと考えます。


【その他薬剤】
パーキンソン病治療薬など、中枢神経に作用する薬剤が候補に挙げられます。
パーキンソン病のうちドーパミン作動薬は、副作用として性欲亢進が明記されております。 これらは催淫薬的に作用する可能性はあります。

また、抗うつ薬のモノアミン再取り込阻害薬や降圧薬のβ遮断薬の一部にも副作用として性欲亢進の記載があることから、 催淫薬的に作用する可能性がございます。
しかし、ホルモン製剤同様これらは高血圧、うつ病、パーキンソン病に対する治療薬であって、 催淫薬として開発されたものではありません。
安易な使用は、健康被害につながる恐れがございます。
危険なため、個人輸入やインターネット通販から入手し、自己判断でのこれらの使用は絶対になさらないようお願い申し上げます。

薬局売薬である ヨヒンビン が性行動の亢進作用があるとも言われていますが、その評価は定かでは有りません。


【今後の可能性】
いわゆる媚薬と呼ばれる薬剤で、充分な化学的根拠をもって製薬会社が開発し、明確に効果的であるものは、 現在のところ、皆無と言っていいと思われます。
今まで何種かの候補薬剤が存在し、臨床治験まで行われた薬剤もございましたが、 副作用の問題や治療効果が得られなかったとして、市販には至っておりません。

医療現場での使用用途を考えた場合、性機能障害のうち性欲障害における治療薬になります。
男性だけではなく女性にも適応が有ると考えられ、臨床現場では、新薬の登場が期待されています。

もし、こうした薬剤が開発された場合は、性犯罪に使用される可能性があるため、厳重な管理が必要とされるでしょう。


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