加齢

老化は明確なED発症原因として認識されています。



ED発症の危険因子」

 

加齢は勃起不全のリスクファクターの一つでもあります。


<当ページの項目リスト>

  1. 【ED発症と加齢】
  2. 【加齢によるED発症の報告】
  3. 【なぜに発症しやすくなるのか】
  4. 【予防は出来るのか】
  5. 【高齢化社会において】

1.【ED発症と加齢】

ED発症は加齢現象の一つで、老化とともに勃起不全の有病率は上昇する傾向があります。 加齢は日本性機能学会で認識されている14個のED発症リスクファクターに含まれており、 生理的な動脈硬化や男性ホルモンの分泌低下、 また弾性繊維の減少などの組織学的な変化を介してED発症に関わるとされています。


加齢による身体機能への影響は、人類史上未曾有の高齢化社会に突入しつつある本邦、 日本にとって国民的な大きいテーマの一つです。 現在総人口の33%強を占める65歳以上の人口層は50年後には全体の人口減少も相まって、 50%近くにつまり国民の半分が高齢者という状況になると推測されています。 労働人口の減少など国益に影響する話が高齢化社会のディスカッションの中心になりがちですが、 増大する高齢者人口における加齢的影響で発症する疾患も実は大きな問題です。


こうした加齢の影響によって発症する無数の疾患の中に、 今回のテーマの主体たるED/勃起不全が入ってきます。 詳しくは後述しますが、加齢はED発症の一番強力な原因因子で、発症する年代の差はあれども、 基本的には老化によるEDは男性誰しもが迎える事になる不可避な疾患の一つと言えます。
主観的に中学生の性機能をもつ80歳の男性はほぼいないと皆さんも思われると存じますが、 その80歳から中学生の間には何段にも及ぶグラデーションがあり、 我々男性は加齢に応じてED発症のそのグラデーションを一つ一つ進んでいきます。 当新宿ライフクリニックでは、 比較的安い価格で 正規の勃起改善薬を処方させて頂いているのですが その中には70歳代.80歳代のED患者さんもいて、 ほぼ日常的にこうしたご年配の方にED診療をさせて頂いている状況です。


人によっては年配の方がED発症を回避するもしくは性機能を維持する事は必要なのか? と疑問に思われるかも知れません。 しかし、実は性機能は男性ホルモンなどの分泌を介して、肉体や認知機能の維持に関連するとされており、 加齢に抵抗して性機能を維持する事は医学的に非常に大きい意味を持つと認識され始めています。 また生きがいのような生活の支えを医学的な表現でQOL=quality of life=「生活の質」と表現しますが、 加齢によるEDの発症を先延ばしにして性機能を維持する事は実はこのQOLにとても良い影響を及ぼすとされ、 老化によって勃起不全が発症した場合のQOLの大きな低下に関しては先行する多数の報告でも発表されています。


つまり加齢によるED発症を回避する事は、身体機能面においても、また生きがいのような精神面においても、 両面的に非常に重要であり、一方ご年配の人口がどんどん増加するという事は、 日本における加齢によるED発症という問題が相対的に大きくなって行くという事でもあります。


本稿ではこうした事を踏まえてED発症と加齢をメインテーマに、 その報告、メカニズム、また予防などに関して記載しております。 どうぞご参照くださいませ。


2.【加齢によるED発症の報告】

さて冒頭より加齢によるED発症に関して記載させて頂いておりますが、 老化が勃起不全の原因になるという明確な根拠はあるのでしょうか?


まずマサチューセッツ加齢研究という非常に影響力の大きい有名な研究報告があるのですが、 その報告によると老化は明確にED発症に関連し、 また加齢とともにEDの有病率自体も並行して上昇すると報告されています。 このマサチューセッツ男性加齢研究はアメリカでの検討になりますが、 同様な日本人の調査でも老化とともにEDの有病率が上昇する事が報告されています。


またこの日本人とアメリカ人の地域住民を対象にしたEDにおける加齢影響を比較検討した報告があるのですが、 日本人もアメリカ人も老化による有病率の上昇がある事は一緒だったのですが、 なんと性機能の低下つまりED発症などに関してはアメリカ人よりも日本人の方が著しく、 日本人の70歳代では71%もの人が中等度ないしは完全EDであったと報告されており、 日本人の方がアメリカ人よりもED発症における加齢影響は強いという内容が示唆されました。


その他、わが国での検討では企業従事者とその家族に対する調査や人間ドックのデータを解析した調査、 また慢性疾患のために通院中の患者さんに対する調査など、 いくつもの研究調査にて加齢がED発症に及ぼす影響が報告されています。


このように加齢は明確にED発症のリスクファクターとして認識されるものです。


3.【なぜに発症しやすくなるのか】

上記に加齢がED発症のリスクファクターたる根拠となる研究報告をご紹介させて頂きました。 それでは何故に老化によって勃起不全が発症しやすくなるのでしょうか?


まず、動脈硬化に関してですが、動脈硬化は糖尿病や高血圧による疾患性のもの以外にも、 加齢によるある意味自然な生理的動脈硬化が有ります。 勃起という生理現象は陰茎の海綿体に血液が集まる事で発生していますが、 その血液を送る血管が動脈硬化によって狭窄したり閉塞したりすると血液がうまく送れなくなるので、 結果的にEDを引き起こすようになります。加齢にはこうした状況が生理的に発生するので、 動脈硬化は加齢に伴うEDが発症する一因となります。


次に、男性ホルモンに関してですが、 男性ホルモンは男性の体内で分泌される事で性欲や勃起機能などをコントロールしており、 この男性ホルモンの分泌低下はED発症の内分泌的な原因となります。 しかしこの男性ホルモンは20歳代くらいから加齢に伴う生理的な分泌低下が始まるとされており、 老化が進行するに従い男性ホルモンが性機能を維持するに足りないレベルまで低下すると、 結果として加齢によるED発症を引き起こす原因となります。


次に弾性繊維の低下などの組織学的な変化ですが、 加齢の進行に伴い皮膚にしわなどが増える事はみなさんもご存じと思われますが、 これの原因の一つに弾性繊維のボリュームの低下があります。 この弾性繊維などの組織学的な変化は皮膚のしわだけでなく、 ペニスに血液を留めておく陰茎海綿体白膜のシステムにも悪影響を及ぼし、 結果として加齢によるED発症引き起こす原因となります。


最後に他のED発症リスクファクターに関してですが、高血圧、糖尿病、肥満、運動不足、前立腺肥大症、 慢性腎臓病などのEDリスクファクターはそれぞれ加齢に応じて増加する傾向にあると報告されています。 つまり老化によりこれらのリスクファクターが顕在化する事でEDに至るのは、 加齢による二次的な影響で勃起不全が発生する事と同じであり、 これもまた加齢によるED発症ロジックの一つとして認識されています。


4.【予防は出来るのか】

上記に加齢によるED発症のロジックに関して記載させて頂きました。 それでは老化によるEDの発症は予防できるのでしょうか?


加齢は誰しも避けられないものです。冒頭でも述べた通り発症タイミングの差異はあれども、 男性はいずれ老化を原因としたEDを発症します。 しかし工夫次第で加齢を原因としたED発症を遅らせる事は可能です。 加齢によるEDは完全な予防は出来ませんが、 その様々な工夫によってその発症を遅らせる事はEDの予防策としてとらえて良いものだと思われます。


上記の3.【なぜに発症しやすくなるのか】を参照しますと、 加齢によるED発症のロジックは大きく4種あると記載しております。
一つが目が生理的な動脈硬化、二つ目が生理的な男性ホルモンの分泌低下、 三つめが弾性繊維の低下など組織学的な変化、 そして四つめが加齢にともなって発症し易くなる他のリスクファクターです。
正直、加齢によってある意味自然に発生する動脈硬化や男性ホルモンの分泌低下、 また弾性繊維の低下などは回避する事は難しいです。 しかし四つ目の加齢にともなって発症し易くなる膨大な数の他のリスクファクターに関しては、 前向きな介入が可能です。


例えば高血圧なら、日ごろから減塩、運動を心がけ、 かつ適正な体重を維持する事でその発症を予防する事が可能であり、 結果としてEDの大きな影響因子である高血圧の発生を未然に防げます。
また肥満・運動不足はそれぞれ独立したEDのリスクファクターなので、 高血圧を予防するアクションは3つの加齢に伴うED発症リスクを削減する事になり、 非常に有意義です。


このように四つめの「加齢に伴い発症し易くなる他のリスクファクター」 の予防のためのアクションは、老化によるED発症の明確な予防策になります。 同様に加齢に伴って顕在化し易くなる他のリスクファクターの一つである糖尿病であれば、 摂取カロリーの適正化、肥満の予防、運動習慣の導入がその回避上有用です。 肥満の予防と運動習慣の導入に関しては高血圧の予防と重複してますね。


つまりまとめて行くと、 適切な食事・運動・体重は加齢による顕在化し易くなる他のリスクファクターの予防を介して、 老化によるED発症予防に良い影響を与えるという事になります。


5.【高齢化社会において】

以上 EDと加齢に関して、研究報告、発症のロジック、また予防策に関して概説させて頂きました。


新宿ライフクリニックでED外来をしているとよくお伺いする言葉として、 「年だからしょうがないと思っている」「いい年してED発症に関して受診するのが気恥ずかしい」 といったものが有ります。
ここには大きな誤解が有ります。「加齢に伴って性機能をあきらめなければいけない」、 もしくは「加齢に応じて発症するEDは受け入れざるを得ない」、 明確に述べますがこうした発想は大きな誤解であり、逆に言えば現在は高齢者ほど性機能は大切です。


冒頭でも述べましたが加齢によるEDの発症は生活の質=QOLを大きく下げてしまい、 生活のはりを無くしてしまうと研究報告されています。 また、加齢に抵抗して性機能を維持する事は肉体や精神の機能保持に大きな意味を持つとも報告されています。


高齢化社会の主役は高齢者です。これはいずれは国民の多数派となる人口層です。 加齢人口が生活の質をキープし、肉体や精神機能を保持する事で労働人口の低下を減速させる事が出来ます。 日本人の加齢人口層は今までの奥ゆかしい日本的な性概念を改める必要があります。 ひいてはそれが高齢化社会における社会的実害を軽減させる可能性が期待されています。


海外の加齢人口はもっと性機能に貪欲であり、開放的です。 国際的に見ても日本人はやはり性に関して一歩引いている所が強く、 加齢に従いその傾向は強くなるようですが、 本邦、日本においてはそうした意識の変革が必要です。


当新宿ライフクリニックでは勃起改善薬の処方を受ける患者さんとして、 60歳代以上の方は特に珍しくなく、中には80代後半の方もいます。 加齢によるEDを発症してもあきらめる必要はありません。 是非とも当新宿ライフクリニックにご相談にいらして下さい。 当院は東京はJR新宿駅 南口から徒歩1分にあります。