大豆の食べ過ぎはインポテンスの原因になるのでしょうか？

大豆とED/勃起不全の関係性について

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【大豆とED/勃起不全】
大豆などに含有される植物エストロゲンの大量摂取は、 ED/勃起不全を発症する危険因子：リスクファクターになり得るという報告が文献上に有ります。
大豆は納豆として、枝豆として、その他様々な形で日本人の食生活に 使用されており、我々の日常において欠かす事の出来ない食材です。 日本人は国際的にも大豆を良く食する民族として認識されており、 大豆を使用した日本料理は上記の枝豆、納豆以外にも非常に多彩です。
また大豆は栄養価に優れ、生活習慣病などの食事指導においても摂取を推奨されている側面が有り、 医療上も大きな存在感を示している食材です。
食材である他、節分など日本人の宗教的イベントにも用いられ、 我々にとって非常になじみ深い食材と言えます。
しかし、ごく少数ですが、 大豆の効能にはネガティブな報告がされている文献も存在しており、 大豆に含有される植物エストロゲンの大量摂取によるED/勃起不全リスクの上昇などはその内の一つです。
本稿では大豆などに含有される植物エストロゲンの説明、 また植物エストロゲンによるED/勃起不全リスク上昇のロジックの考察などに関して記載しております。 ぜひご参照くださいませ。

【植物エストロゲンとは】
大豆などに含まれ、ED/勃起不全リスクを上げ得るとされる植物エストロゲンとは、 いったい何なのでしょうか？
これはゲニステインと言って、大豆などのマメ科の植物に多く含有されるイソフラボンの一種であり、 ゲニステインはフィトエストロゲンとも植物エストロゲンとも呼称されます。
一方、エストロゲンはもともとは人間の卵胞ホルモンの事を示す言葉であり、 生理や妊娠、出産など女性の生殖機能に大きい影響を持つ、いわゆる女性ホルモンの事になります。
植物エストロゲンとは人間のエストロゲン受容体に結合して、 人体内で分泌されるエストロゲンと似ている生理作用を示すイソフラボンの事であり、 内因性のエストロゲンでは有りませんが、 女性ホルモンのように機能するこうした物質は外因性エストロゲンとカテゴリーされています。
植物エストロゲンはエストロゲンとしての力価は、 人体内で分泌されるエストロゲンと比較して非常に弱いとされており、 過剰な女性ホルモン的作用は期待されませんが、 女性の更年期障害症状などの改善作用があるとも言われています。

【植物エストロゲン摂取がED/勃起不全発症リスクたるロジックの考察】
女性ホルモンであるエストロゲンは、男性の体内にも実は分泌されており、 男性体内においても、実は生理的な役割を持つとされています。 しかしその分泌量は成人女性のそれとは比較にならないほど少なく、 また男性ホルモンの分泌量に対してのエストロゲン分泌量が、 相対的に増加して行くと、ED/勃起不全などの男性の性機能障害を引き起こすとされています。
大豆などに含まれる植物エストロゲンは弱いながらもエストロゲン作用を持っているので、 ロジカルにはその大量摂取によって男性にED/勃起不全が発症する事は、 論理的整合性が有ると思われます。
しかし、ED/勃起不全を発症しうるレベルの植物エストロゲンの摂取量に 関しては、重ねて検討が必要と思われます。
もともとこの植物エストロゲンは、自然界において草食動物の過剰繁殖を抑制する為に、 雄の生殖機能を制限しようとする自然の防御システムの一環と言われています。
つまり草食動物が増えすぎると植物が減りすぎてしまうので、 草食動物の繁殖量を抑えてバランスをとる為にそうした機能を持つにいたったという、 合理的な進化過程で生まれた物質と言うことです。
ちなみに草食動物の代表格である牛が１日に食べる植物量は青草で50〜60 kgと言われています。 これは人間が摂取する植物量とは比較にならない圧倒的に膨大な量の植物です。 このような膨大な植物摂取量をもってやっと植物エストロゲンが、 生物に生殖機能の抑制を示すに至るという前提ならば、 これは人間に対して適応される事が少ないシステムである可能性があります。
つまり常識範囲内の大豆摂取量においては、 ED/勃起不全リスクはさほど上昇しない可能性が高いとも思われます。
また、大豆消費の比較的高いとされるブラジル、 中国、イタリア、日本、韓国、マレーシアなどの国で大豆の一人当たりの年間摂取量と、 ED/勃起不全の有病率を比較検討した所、 そこには直接的な相関関係は見いだせなかったとも報告されており、 大豆の大量摂取によるED/勃起不全リスクの上昇は、 人間にとっては実質的なもので無く、あくまでロジカルなものなのか、 もしくは数多く存在する影響度の低いED/勃起不全リスク因子の一つであるという可能性が検討されます。

【大豆の健康食品としての側面】
一方、大豆のすでに確認されている良い側面ですが、 大豆は栄養価が高い食品である事は冒頭で述べましたが、 医療上の食事療法に推奨される頻度が高い食材としても認識されており、 植物性の食品の中では大豆は高い鉄分含有量が有り、 鉄欠乏性貧血などで摂取が推奨されております。
また大豆が含有している植物ステロールには脂質を低下させる作用が有り、 また大豆は肥満者に置ける脂質を制限してタンパク質をとるという食事療法上、 摂取が推奨される食材でもある為、大豆は生活習慣病の改善上必要な存在とも言えます。
生活習慣病は動脈硬化を進行させてED/勃起不全発症に大きく関わる疾患因子です。 大豆にはこうした生活習慣病を抑制する要素があると言う意味合いにおいては、 大豆には間接的にED/勃起不全の発症を予防する役割があるとも言えます。
本質的には大豆がED/勃起不全にとって改善的影響を与えるか、促進的影響を与えるかは、 量的問題とも思われます。 後続の研究によって、 人間にED/勃起不全が発生しうる大豆摂取量などの量的関連性が明確になる事が期待されます。
現状をまとめるとED/勃起不全が気になる方は大豆を過剰に摂取する事無く、 適量摂取する事が望ましいと思われます。

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